間違ってリンクを張ってしまいました。
すいません。ライブドアに最初、ここのリンクを張ってしまいましたが、ここは、テスト用に作ったところでした。
次のアドレスが、正規のところなので、そちらにどうぞ。
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すいません。ライブドアに最初、ここのリンクを張ってしまいましたが、ここは、テスト用に作ったところでした。
次のアドレスが、正規のところなので、そちらにどうぞ。
予告どおり、「会社法であそぼ」は、ココログに移転しました。
http://kaishahou.cocolog-nifty.com/blog/
ねこさんから、
「ココログはすごく不安定です。移転には反対です。」
というコメントをいただきましたが、もう申し込んでお金をはらっちゃいましたので(涙)、とりあえず、移転します。ご忠告ありがとうございました。
それから774さんから、ブログ書籍化というお話がありました。
そういう話は、ぜんぜんありません・・・。
ココログにしたのは、私が、約20年間NIFTYの会員を続けているので、「会員用のサービスを使ってみるか」という軽い気持ちです。
ココログで、アクセスが増えれば、真鍋かおりさんに会えるかも、という下心もないわけではありません。
さて、移転の理由は、「ちょっとしたこと」なのですが、秘密なので言えません(シーッ)。
そのうち、「ああ、そういうことかなあ」と分かる人も出てくるかもしれませんが。
ライブドアは、わりと使いやすくて、安定していて、いい環境だったので、名残惜しい気もします。でも、男たる者、決断したら、即GOです。
ココログに、ライブドアで書いた記事を丸ごと移転しようとしているのですが、なぜか、うまくいきません。
ということで、ここは、過去ログの倉庫として残しておきます。
ただし、更新は、もっぱらココログでやりますし、しばらくしたら、見にこなくなるので、質問は、ココログでお願いします。
ライブドアさん、長い間、ありがとうございました。
予告どおり、「会社法であそぼ」は、ココログに移転しました。
http://kaishahou.cocolog-nifty.com/blog/
ねこさんから、
「ココログはすごく不安定です。移転には反対です。」
というコメントをいただきましたが、もう申し込んでお金をはらっちゃいましたので(涙)、とりあえず、移転します。ご忠告ありがとうございました。
それから774さんから、ブログ書籍化というお話がありました。
そういう話は、ぜんぜんありません・・・。
ココログにしたのは、私が、約20年間NIFTYの会員を続けているので、「会員用のサービスを使ってみるか」という軽い気持ちです。
ココログで、アクセスが増えれば、真鍋かおりさんに会えるかも、という下心もないわけではありません。
さて、移転の理由は、「ちょっとしたこと」なのですが、秘密なので言えません(シーッ)。
そのうち、「ああ、そういうことかなあ」と分かる人も出てくるかもしれませんが。
ライブドアは、わりと使いやすくて、安定していて、いい環境だったので、名残惜しい気もします。でも、男たる者、決断したら、即GOです。
ココログに、ライブドアで書いた記事を丸ごと移転しようとしているのですが、なぜか、うまくいきません。
ということで、ここは、過去ログの倉庫として残しておきます。
ただし、更新は、もっぱらココログでやりますし、しばらくしたら、見にこなくなるので、質問は、ココログでお願いします。
ライブドアさん、長い間、ありがとうございました。
予告どおり、「会社法であそぼ」は、ココログに移転しました。
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ねこさんから、
「ココログはすごく不安定です。移転には反対です。」
というコメントをいただきましたが、もう申し込んでお金をはらっちゃいましたので(涙)、とりあえず、移転します。ご忠告ありがとうございました。
それから774さんから、ブログ書籍化というお話がありました。
そういう話は、ぜんぜんありません・・・。
ココログにしたのは、私が、約20年間NIFTYの会員を続けているので、「会員用のサービスを使ってみるか」という軽い気持ちです。
ココログで、アクセスが増えれば、真鍋かおりさんに会えるかも、という下心もないわけではありません。
さて、移転の理由は、「ちょっとしたこと」なのですが、秘密なので言えません(シーッ)。
そのうち、「ああ、そういうことかなあ」と分かる人も出てくるかもしれませんが。
ライブドアは、わりと使いやすくて、安定していて、いい環境だったので、名残惜しい気もします。でも、男たる者、決断したら、即GOです。
ココログに、ライブドアで書いた記事を丸ごと移転しようとしているのですが、なぜか、うまくいきません。
ということで、ここは、過去ログの倉庫として残しておきます。
ただし、更新は、もっぱらココログでやりますし、しばらくしたら、見にこなくなるので、質問は、ココログでお願いします。
ライブドアさん、長い間、ありがとうございました。
まず、ライブドアで受けた質問を答えておきますね。
(質問コーナー)
Q1
特例有限会社を株式会社にしようと考えております。この定款変更と同時に株式分割を考えていますが、公告が必要なので事前に(有限会社のときに)株主総会で株式会社に移行することを条件として株式分割決議をし、それまでに基準日公告をすませることによって、株式会社移行決議日に株式分割は可能でしょうか?もしくは条件付としなくても、有限会社のままで株式分割及びそれに伴う発行可能株式総数の変更は可能なのでしょうか?事前に株式分割決議が可能な場合、取締役一人で株式分割決議をすることは可能でしょうか?
Posted by 飯島 at 2006年09月10日 23:44
A1
特例有限会社は、株式分割・発行可能株式総数の変更をすることができます(中小会社・有限会社の新・会社法145ページ)。
株式分割は、株主総会の普通決議ですので、取締役一人ではできません。
Q2
取締役に対するストックオプションの発行決議につきお尋ねいたします。
職務の報酬として取締役会決議とするにせよ、「念のため」総会で有利発行決議をとるにせよ、実際の割当者の氏名とそれぞれの割当数は取締役会で決議することになると思います。この場合、割当てられる取締役は特別利害関係人となるのでしょうか。
そうだとするとたとえば取締役10名の会社で10名全員に新株予約権を割当てる場合、取締役会の議案は10本に分けて、「取締役Aに新株予約権を付与する件」では「Aは本議案に関し特別の利害関係を有するので議決に参加しなかった」とし、以下これを10人分繰返すのでしょうか。あるいは、議案は1本で、10人分の割り当てを行い、「なお取締役AからJは、それぞれ自己に対する新株予約権の割当に関し特別の利害関係を有するため、自己に対する割当の部分については議決に加わらなかった」とまとめてしまってよいものでしょうか。
Posted by CCC at 2006年09月11日 10:30
A2
割り当てられる取締役は、特別利害関係人になると思います。
ですから、10本に決議を分けることになるでしょう。
議案が1本という構成は、難しい感じがします。
Q3
発行可能株式総数と発行可能種類株式総数との関係についての質問に回答いただいた者です。
千問の道標Q78では、「発行可能株式総数と同数発行されているA種類株式のすべてを取得してB種類株式を発行することも可能である」旨記述がありますが、この場合、取得したA種類株式と新たに発行するB種類株式を合わせるとどうしても総授権枠を超えることになるかと思います。
この記述は、取得したA種類株を消却することを前提とした記述という理解でよいでしょうか。
Posted by yasuko at 2006年09月11日 12:37
A3
発行可能株式総数と同数が既に発行されている場合には、取得と同時に消却して、B種類株式を発行することになるでしょう。
Q4
設立時代表取締役の選定方法(千問の道標Q58)についてくどいのですが少し質問させて下さい。
非取締役会設置会社では定款に規定することで様々な選定方法を採ることが可能ですが、取締役会設置会社では47条1項により設立時取締役による互選以外の選定方法は認められないのではないですか?
また、取締役会設置会社で設立時取締役による互選がされない場合はそもそもありえないのではないですか?
だとすれば、40頁図表1-4の2、3行目も非取締役会設置会社と取締役会設置会社とを区分し、書かれている内容は全て非取締役会設置会社に限るべきではないでしょうか?
Posted by chigmog at 2006年09月11日 15:11
A4
まず、取締役会設置会社において、定款の定めにより、代表取締役を選定することができるかという点については、295条2項で可能だと考えます。
とすると、定款の定めにより、設立時代表取締役を選定することも可能であると考えるべきです。
したがって、図表は、正しいです。
もっとも、取締役会設置会社は、47条1項があるので、各自代表のままでは、設立の登記ができませんから、事実上、取締役会設置会社の各自代表はありません。
Q5
立案担当者による 新・会社法の解説(相澤参事官編著)のP123に株式会社の親会社社員(31条3項:親会社の株主とします)の会計帳簿閲覧・謄写権の解説があります。「株式会社の親会社社員は433条1項の株主に相当する者として同項の請求をすることになるので、3%要件は親会社社員と親会社の関係として同様に課されることになる」との記述があります。433条3項には、「「株式会社の親会社社員」は、第1項各号に掲げる請求をすることができる」とあるのみです。「1項の株主に相当する者として」とは書かれておらず、親会社の株を1株持つ株主にも請求権があるのではありませんか?この条文からは「433条1項の株主に相当する者として」とは読めないように思いますが・・・
A5
読めるか、読めないかは、気合の入り方の問題です(笑)。
私どもは、読めると考えていますが、分かりにくいということから、改正予定には入っています。
Q6
会社法施行規則67条の終わりの方にある「(当該議案を決議する場合に限る)」はどういう趣旨で限定されているのですか?子会社に20%の株式を保有される完全親会社を想定してこの条文の後半を読んでみましたが、この括弧書きの意味がよくわかりません。
Posted by SHU at 2006年09月11日 15:22
A6
ある株主総会において、他の株主が、A議案については議決権を行使できるが、B議案については議決権を行使することができない場合に、B議案については、相互保有株主が議決権を行使することができるという意味だと思います。完全親会社の場合には、いつでも行使できます。
Q7
関係ないのですがロー制度について一言だけ言わせて下さい。三振者に対し学費の何割かを返還させるような立法は難しいでしょうか。受験生が強烈なリスクをとる一方で、高い学費をとり、教育能力が疑問視されるロー側が全くリスクを負わないのは不公平です。こうすれば、返還額増加の恐怖によりロー側も真剣になり、募集定員削減、教員の質の向上を図り、乱立による混乱をソフトランディングさせられると思います。
Posted by ABC at 2006年09月11日 22:05
A7
憲法に違反しない限り、立法は可能です。
Q8
整備法61条5項の過料対象者に清算人が含まれていることから、会社法施行前に解散していた株式会社(資本金5億以上の大会社)についても、同法3項1号の登記が要求されると考えますが、いかがでしょうか?
また、(前記質問の回答が『要求される』として)
監査役会設置会社であれば、清算人会を設置する必要があると思いますが、千問Q371によると、『設置が強制されるものであっても定款の定めが必要』とのこと。となると、当該会社は、臨時株主総会を開き、定款変更決議をしなければならないのでしょうか?
Posted by ほにょ at 2006年09月04日 13:42
A8
清算大会社については、旧法の規定に基づく清算人会及び監査役会と、会社法上の清算人会及び監査役会は、清算人の最低員数が異なるなど規律に違いがあるので、整備法においては、清算人会についての定款のみなし規定が設けられておらず、整備法52条も旧清算株式会社については適用されないと解されます。
したがって、監査役会設置会社であることを前提とするその旨の登記及び社外監査役である旨の登記をする必要もありません。
Q9
「株主が出資した金については原則として取り戻せない(剰余金でしか払い戻さない→461Ⅱ資本維持の原則)」
とはどういうことか教えて頂けないでしょうか。
Posted by 初心者 at 2006年09月12日 11:55
A9
すでに記事に書いたところなので、バックナンバーを見てください。
また、教科書に書かれているので、そちらも参照してください。
Q10
法人格否認の法理で、「株主の行為の効果を会社に帰属させる」とは具体的にはどのような状況で問題となるのか教えて頂けないでしょうか。
Posted by 初心者 at 2006年09月12日 12:00
A10
株主が商品を購入する売買契約を締結した場合に、会社に代金の支払いを請求することができるということです。
Q11
I.現物出資 例えば不動産、特許権による出資。
←過大評価の危険があり(他の株主や債権者に損)、検査役の調査が必要。
法人成りのための現物出資は多いはずだがあまり使われない—調査、税金が必要
⇒実際は出資せずに貸し付けという形をとる(その土地が値上がり→会社に売ったのと同じ扱いに)。
「土地が値上がり→売ったのと同じ扱いに」というのは
どういうことなのかご説明願えないでしょうか。
Posted by 初心者 at 2006年09月12日 12:26
A11
意味がわかりません。
Q12
1000問のQ892について確認したいのですが、664頁最終行に記載ある「株主総会の日の20日前」は、「効力発生日の20日前」の間違いではないでしょうか。株式買取請求の通知は如何なる場合も効力発生日を基準として20日前に行えばよいと理解しておりますが、間違っていたらご指摘ください。
Posted by ぱらりーがーる at 2006年09月12日 13:12
A12
Q892は、株主総会の決議の日の翌日を効力発生日とするために、どうしたらよいかという文脈で書かれていますので、おっしゃるように、正確にいうと「効力発生日=株主総会の日の翌日の20日前」というのが正しいと思います。
Q13
相続人に対する株式売渡請求について質問させてください。
発行済1000株の相続人に対する株式売渡請求の定款規定のある会社において、800株を有する株主Aに相続が発生し、B、Cが相続し、分割協議により各々400株を相続した場合で、会社がB、Cに売渡請求をする場合
①株主総会の議案としてはB、Cに対する請求として1つの議案で決議できますか?Bに対する請求、Cに対する請求と2つの議案に分けるべきですか?
②もし、2つの議案に分けるべきとした場合、Bに対する議案についてはCが、Cに対する議案についてはBが議決権を行使することができますか?
③1つの議案で決議できるとする場合、(あるいは、遺産未分割の場合には1つの議案で決議することとなると思いますが)可決されるべきところ、2つの議案に分けることになると、Bの議案でCが、Cの議案でBがそれぞれ反対すると否決されることになると思うのですが・・・
Posted by みなみ at 2006年09月12日 15:05
A13
①1つの議案でもできると思います。
②2つの議案にわければ、Bは、Cについて、CはBについての議決権を行使することができます。
②遺産未分割の場合には、株式は、B・Cの共有になりますから、権利行使者を定めますが、その権利行使者も、議決権を行使できません。説例の場合、200株分については、別の株主が議決権をもつので、その株主が決めることになります。
分割後、2つの議案に分けることになったら、おっしゃるように、B・Cは、互いに相手の議案について拒否権があるような状態になります。
Q14
千問の道標Q678について、細かいことですが質問させていただきます。
回答の3(1)③で、その末尾に会社法461条1項1号が掲げられていますが、同条はこの文章の根拠にはならないと思われますがいかがでしょうか。(代わりに掲げるとしたら、会社法446条1号でしょうか。)
Posted by DE at 2006年09月12日 19:00
A14
461条2項1号の誤植ですね。
ちょっとした理由により,ブログをライブドアからココログに移転しようと考えています。
その開設などに手間取ってしまったため,本日は,質問コーナーのみです。
(質問コーナー)
Q1
新株予約権についてお教えください。
新株予約権の内容の1つである「当該新株予約権の目的である株式の数又はその数の算定方法」(会社法236条1項1号)とは、新株予約権1個当たりの目的となる株式の数(たとえば1000株)でしょうか、それとも、その総数(1個当たりの株式数×新株予約権の総数)でしょうか。236条は新株予約権の基本的な内容を定めるものであり前者だと思うのですが、いかがでしょうか。
Posted by しん at 2006年09月07日 20:17
A1
新株予約権1個当たりの目的となる株式の数です。
Q2
Q7について確認をさせていただきたく、よろしくお願いいたします。
『「取締役が職務発明の対価として受領する金銭」は、利益相反取引には、該当する可能性が高いので、そちらの役会決議は必要でしょう。』
という回答がありました。
当社では、取締役への職務発明の対価の支給は、利益相反取引になるということは、全く考えておらず、取締役会決議もしたことがありません。
取締役が為した職務発明の対価の決定に当該取締役が関与していれば、利益相反取引にあたることもある気もしますが、関与していないときでも利益相反取引になるのでしょうか。
私の利益相反取引の知識があやふやなのかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
Posted by 悩める法務部員 at 2006年09月08日 09:25
A2
ケースバイケースですが,利益相反取引は,定型的な行為である場合には,役会の承認は必要ではないので,社内の客観的基準に従って支給されるような場合には,利益相反取引に該当しない場合もあると思います。
Q3
最近、株主総会において、議決権行使書面にて議決権を行使した株主に対して、会社から記念品を送付するとの会社も出現しております。かかる記念品の送付は、会社法120条の株主への利益供与に該当し、禁止さえないのでしょうか。議決権の行使は「株主の権利行使」に該当し、記念品の送付は「利益の供与」に該当するようにも見えます。ご教授ください。
Posted by 法務課員 at 2006年09月08日 11:02
A3
断言は避けますが,記念品の送付は,あまりよくない感じですね。
Q4
千問Q885の4(P659)について質問させてください。
この中の最後の4行で,事後設立について468条1項の略式事業譲渡に該当することがあるように書かれています。
しかし,468条1項は468条1項1号から4号だけを対象としているので,事後設立については適用はないのではないかと思うのですが・・・
Posted by たつきち at 2006年09月08日 12:14
A4
すいません。前にも訂正したような期がしますが,そこは,うっかりミスです。おっしゃるとおり,事後設立には,略式はありません。100%の問題なので,総会を省略できるということをいいたかったのが,略式と書いてしまいました。
Q5
千問の道標Q78について質問させてください。
たとえば、発行可能株式総数を全体として100株、A種類株につき100株、B種類につき100株とし、現にA種類株を100株発行している会社が、A種類株を10株取得してB種類株を10株交付すると、発行済みA種類株100株(うち10株は自己株式)+発行済みB種類株10株=110株となって、全体としての授権枠100株を超えることになってしまい
もはや種類株発行会社において、全体としての授権枠を定める意味はないのではなかとも思うのですが、会社法では、このような状況も許容されてると理解してよいのでしょうか。
Posted by yasuko at 2006年09月08日 13:52
A5
発行可能株式総数が,110株になるのは,ダメです。
発行可能種類株式総数をAにつき100,Bにつき100にしたからといって,必ずしもAを100全部発行するとは限らないですから,たとえば,Aを80発行した後,20だけ取得してBを20発行することなどを繰り返すような場合もありえます。
Q6
親子会社、相互保有株式について質問させて下さい。
A社及びB社とも公開会社でない会社です。
A社(完全無議決権株式59株をB社が保有、議決権のある株式1株を甲個人が保有・発行済株式60株),B社(完全無議決権株式59株をA社が保有、議決権のある株式1株を乙個人が保有・発行済株式60株)という会社において、A社及びB社は互いに親子会社にはならないと思いますが、どうでしょうか。また、A社は甲のみが有効に議決権を行使でき、B社は乙のみが議決権を行使できるという考えでよろしいでしょうか?
Posted by うさぎ at 2006年09月08日 17:20
A6
1 議決権がないからといって,親子会社にならないわけではありません。
2 A社については甲,B社については乙しか議決権のある株式がないんですよね?それならば,甲,乙しか議決権を行使することができません。
Q7
9月6日付の自己取得請求権付株式の記事について、結論としては是ですが、「千問の道標」Q.202にあるとおり、
「会社法では、株式会社自身を株主として取り扱うことがふさわしくないような場合には、株式会社自身を株主から除外したり、他の株主とは異なる扱いをする規定が置かれている。」
「これに対し、株式分割(183条)については、発行会社の株式を除外する旨の規定はなく、その効力は、自己株式に及ぶ。」
と整理されていることに鑑みれば、取得請求権付株式については、株式会社自身を株主から除外する規定が置かれていないことから、条文解釈としては、行使を認めざるを得ないのではないでしょうか。ここだけ、「自己のものは取得できないのは当然だろうということで、行使禁止規定を書かなかった」というのは、平仄を欠くと思いますが、いかがでしょうか。
Posted by 内藤卓 at 2006年09月08日 23:34
A7
そうですねえ。平仄をどこまでとるかは難しいところですが,もともと「取得」が観念できないということで,書かなかったようです。
Q8
「関連当事者との取引に係る情報の開示に関する監査上の取扱い」(監査委員会報告第62号)という会計基準では,いわゆる間接取引についても関連当事者との取引に関する注記の対象としています。会社法431条の「公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする」という規定との兼ね合いで,この会計基準に拠らないことは特に問題ないでしょうか。
Posted by おりい at 2006年09月09日 09:32
A8
会計基準がそうなら,そうするべきでしょう。
申し訳ないのですが,以前にもお話ししたとおり,会社法と会計基準とは微妙な関係なので,調整マターになるのでしょう。
Q9
相互保有株式の考え方について、教えてください。
A社、B社、C社が保有するD社株式を合計すると、D社が発行する株式の数の25%を超えています。
A社は従来よりB社の親会社でしたが、C社は会社法の施行に伴って新たにA社の子会社となりました。
B社、C社が保有するD社株式は、A社が保有するD社株式を含めなければ、保有比率は25%未満になります。
また、D社も、A,B,C社の株式をそれぞれ保有しています。
この場合、D社はA社に対しては議決権行使ができないと思いますが、B社、C社に対してはどうなるのでしょうか。
Posted by paddi at 2006年09月10日 07:42
A9
D社は,B社,C社の議決権を行使することはできると思います。
Q10
全額出資義務の意味について、ここ数日再考しており、かなり立案担当者の方々の説明が理解できたような気がします。受験生ですから、答案に短文で書く場合を想定し、次の2つの例を考えてみました。大丈夫でしょうか?
短文例①
34条1項は、株主の間接有限責任を徹底するために採られた失権手続の前提として、全額出資ルールを定めている。
短文例②
34条1項の全額出資義務の趣旨は、全額出資義務を履行しなかった場合には、設立時発行株式の株主となる権利を失うこととし、もって、株主の間接有限責任のあり方を徹底することにある。
Posted by のぞみ at 2006年09月10日 20:19
A10
34条1項について,論証することはあまりないような気もしますが,とりあえずコメントを。
短文例① 「失権手続の前提として」というのはいらないような気がします。
短文例② もうちょっと言葉を補わないと分かりにくいかもしれません。
ちょっとした理由により,ブログをライブドアからココログに移転しようと考えています。
その開設などに手間取ってしまったため,本日は,質問コーナーのみです。
(質問コーナー)
Q1
新株予約権についてお教えください。
新株予約権の内容の1つである「当該新株予約権の目的である株式の数又はその数の算定方法」(会社法236条1項1号)とは、新株予約権1個当たりの目的となる株式の数(たとえば1000株)でしょうか、それとも、その総数(1個当たりの株式数×新株予約権の総数)でしょうか。236条は新株予約権の基本的な内容を定めるものであり前者だと思うのですが、いかがでしょうか。
Posted by しん at 2006年09月07日 20:17
A1
新株予約権1個当たりの目的となる株式の数です。
Q2
Q7について確認をさせていただきたく、よろしくお願いいたします。
『「取締役が職務発明の対価として受領する金銭」は、利益相反取引には、該当する可能性が高いので、そちらの役会決議は必要でしょう。』
という回答がありました。
当社では、取締役への職務発明の対価の支給は、利益相反取引になるということは、全く考えておらず、取締役会決議もしたことがありません。
取締役が為した職務発明の対価の決定に当該取締役が関与していれば、利益相反取引にあたることもある気もしますが、関与していないときでも利益相反取引になるのでしょうか。
私の利益相反取引の知識があやふやなのかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
Posted by 悩める法務部員 at 2006年09月08日 09:25
A2
ケースバイケースですが,利益相反取引は,定型的な行為である場合には,役会の承認は必要ではないので,社内の客観的基準に従って支給されるような場合には,利益相反取引に該当しない場合もあると思います。
Q3
最近、株主総会において、議決権行使書面にて議決権を行使した株主に対して、会社から記念品を送付するとの会社も出現しております。かかる記念品の送付は、会社法120条の株主への利益供与に該当し、禁止さえないのでしょうか。議決権の行使は「株主の権利行使」に該当し、記念品の送付は「利益の供与」に該当するようにも見えます。ご教授ください。
Posted by 法務課員 at 2006年09月08日 11:02
A3
断言は避けますが,記念品の送付は,あまりよくない感じですね。
Q4
千問Q885の4(P659)について質問させてください。
この中の最後の4行で,事後設立について468条1項の略式事業譲渡に該当することがあるように書かれています。
しかし,468条1項は468条1項1号から4号だけを対象としているので,事後設立については適用はないのではないかと思うのですが・・・
Posted by たつきち at 2006年09月08日 12:14
A4
すいません。前にも訂正したような期がしますが,そこは,うっかりミスです。おっしゃるとおり,事後設立には,略式はありません。100%の問題なので,総会を省略できるということをいいたかったのが,略式と書いてしまいました。
Q5
千問の道標Q78について質問させてください。
たとえば、発行可能株式総数を全体として100株、A種類株につき100株、B種類につき100株とし、現にA種類株を100株発行している会社が、A種類株を10株取得してB種類株を10株交付すると、発行済みA種類株100株(うち10株は自己株式)+発行済みB種類株10株=110株となって、全体としての授権枠100株を超えることになってしまい
もはや種類株発行会社において、全体としての授権枠を定める意味はないのではなかとも思うのですが、会社法では、このような状況も許容されてると理解してよいのでしょうか。
Posted by yasuko at 2006年09月08日 13:52
A5
発行可能株式総数が,110株になるのは,ダメです。
発行可能種類株式総数をAにつき100,Bにつき100にしたからといって,必ずしもAを100全部発行するとは限らないですから,たとえば,Aを80発行した後,20だけ取得してBを20発行することなどを繰り返すような場合もありえます。
Q6
親子会社、相互保有株式について質問させて下さい。
A社及びB社とも公開会社でない会社です。
A社(完全無議決権株式59株をB社が保有、議決権のある株式1株を甲個人が保有・発行済株式60株),B社(完全無議決権株式59株をA社が保有、議決権のある株式1株を乙個人が保有・発行済株式60株)という会社において、A社及びB社は互いに親子会社にはならないと思いますが、どうでしょうか。また、A社は甲のみが有効に議決権を行使でき、B社は乙のみが議決権を行使できるという考えでよろしいでしょうか?
Posted by うさぎ at 2006年09月08日 17:20
A6
1 議決権がないからといって,親子会社にならないわけではありません。
2 A社については甲,B社については乙しか議決権のある株式がないんですよね?それならば,甲,乙しか議決権を行使することができません。
Q7
9月6日付の自己取得請求権付株式の記事について、結論としては是ですが、「千問の道標」Q.202にあるとおり、
「会社法では、株式会社自身を株主として取り扱うことがふさわしくないような場合には、株式会社自身を株主から除外したり、他の株主とは異なる扱いをする規定が置かれている。」
「これに対し、株式分割(183条)については、発行会社の株式を除外する旨の規定はなく、その効力は、自己株式に及ぶ。」
と整理されていることに鑑みれば、取得請求権付株式については、株式会社自身を株主から除外する規定が置かれていないことから、条文解釈としては、行使を認めざるを得ないのではないでしょうか。ここだけ、「自己のものは取得できないのは当然だろうということで、行使禁止規定を書かなかった」というのは、平仄を欠くと思いますが、いかがでしょうか。
Posted by 内藤卓 at 2006年09月08日 23:34
A7
そうですねえ。平仄をどこまでとるかは難しいところですが,もともと「取得」が観念できないということで,書かなかったようです。
Q8
「関連当事者との取引に係る情報の開示に関する監査上の取扱い」(監査委員会報告第62号)という会計基準では,いわゆる間接取引についても関連当事者との取引に関する注記の対象としています。会社法431条の「公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする」という規定との兼ね合いで,この会計基準に拠らないことは特に問題ないでしょうか。
Posted by おりい at 2006年09月09日 09:32
A8
会計基準がそうなら,そうするべきでしょう。
申し訳ないのですが,以前にもお話ししたとおり,会社法と会計基準とは微妙な関係なので,調整マターになるのでしょう。
Q9
相互保有株式の考え方について、教えてください。
A社、B社、C社が保有するD社株式を合計すると、D社が発行する株式の数の25%を超えています。
A社は従来よりB社の親会社でしたが、C社は会社法の施行に伴って新たにA社の子会社となりました。
B社、C社が保有するD社株式は、A社が保有するD社株式を含めなければ、保有比率は25%未満になります。
また、D社も、A,B,C社の株式をそれぞれ保有しています。
この場合、D社はA社に対しては議決権行使ができないと思いますが、B社、C社に対してはどうなるのでしょうか。
Posted by paddi at 2006年09月10日 07:42
A9
D社は,B社,C社の議決権を行使することはできると思います。
Q10
全額出資義務の意味について、ここ数日再考しており、かなり立案担当者の方々の説明が理解できたような気がします。受験生ですから、答案に短文で書く場合を想定し、次の2つの例を考えてみました。大丈夫でしょうか?
短文例①
34条1項は、株主の間接有限責任を徹底するために採られた失権手続の前提として、全額出資ルールを定めている。
短文例②
34条1項の全額出資義務の趣旨は、全額出資義務を履行しなかった場合には、設立時発行株式の株主となる権利を失うこととし、もって、株主の間接有限責任のあり方を徹底することにある。
Posted by のぞみ at 2006年09月10日 20:19
A10
34条1項について,論証することはあまりないような気もしますが,とりあえずコメントを。
短文例① 「失権手続の前提として」というのはいらないような気がします。
短文例② もうちょっと言葉を補わないと分かりにくいかもしれません。
ちょっとした理由により,ブログをライブドアからココログに移転しようと考えています。
その開設などに手間取ってしまったため,本日は,質問コーナーのみです。
(質問コーナー)
Q1
新株予約権についてお教えください。
新株予約権の内容の1つである「当該新株予約権の目的である株式の数又はその数の算定方法」(会社法236条1項1号)とは、新株予約権1個当たりの目的となる株式の数(たとえば1000株)でしょうか、それとも、その総数(1個当たりの株式数×新株予約権の総数)でしょうか。236条は新株予約権の基本的な内容を定めるものであり前者だと思うのですが、いかがでしょうか。
Posted by しん at 2006年09月07日 20:17
A1
新株予約権1個当たりの目的となる株式の数です。
Q2
Q7について確認をさせていただきたく、よろしくお願いいたします。
『「取締役が職務発明の対価として受領する金銭」は、利益相反取引には、該当する可能性が高いので、そちらの役会決議は必要でしょう。』
という回答がありました。
当社では、取締役への職務発明の対価の支給は、利益相反取引になるということは、全く考えておらず、取締役会決議もしたことがありません。
取締役が為した職務発明の対価の決定に当該取締役が関与していれば、利益相反取引にあたることもある気もしますが、関与していないときでも利益相反取引になるのでしょうか。
私の利益相反取引の知識があやふやなのかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
Posted by 悩める法務部員 at 2006年09月08日 09:25
A2
ケースバイケースですが,利益相反取引は,定型的な行為である場合には,役会の承認は必要ではないので,社内の客観的基準に従って支給されるような場合には,利益相反取引に該当しない場合もあると思います。
Q3
最近、株主総会において、議決権行使書面にて議決権を行使した株主に対して、会社から記念品を送付するとの会社も出現しております。かかる記念品の送付は、会社法120条の株主への利益供与に該当し、禁止さえないのでしょうか。議決権の行使は「株主の権利行使」に該当し、記念品の送付は「利益の供与」に該当するようにも見えます。ご教授ください。
Posted by 法務課員 at 2006年09月08日 11:02
A3
断言は避けますが,記念品の送付は,あまりよくない感じですね。
Q4
千問Q885の4(P659)について質問させてください。
この中の最後の4行で,事後設立について468条1項の略式事業譲渡に該当することがあるように書かれています。
しかし,468条1項は468条1項1号から4号だけを対象としているので,事後設立については適用はないのではないかと思うのですが・・・
Posted by たつきち at 2006年09月08日 12:14
A4
すいません。前にも訂正したような期がしますが,そこは,うっかりミスです。おっしゃるとおり,事後設立には,略式はありません。100%の問題なので,総会を省略できるということをいいたかったのが,略式と書いてしまいました。
Q5
千問の道標Q78について質問させてください。
たとえば、発行可能株式総数を全体として100株、A種類株につき100株、B種類につき100株とし、現にA種類株を100株発行している会社が、A種類株を10株取得してB種類株を10株交付すると、発行済みA種類株100株(うち10株は自己株式)+発行済みB種類株10株=110株となって、全体としての授権枠100株を超えることになってしまい
もはや種類株発行会社において、全体としての授権枠を定める意味はないのではなかとも思うのですが、会社法では、このような状況も許容されてると理解してよいのでしょうか。
Posted by yasuko at 2006年09月08日 13:52
A5
発行可能株式総数が,110株になるのは,ダメです。
発行可能種類株式総数をAにつき100,Bにつき100にしたからといって,必ずしもAを100全部発行するとは限らないですから,たとえば,Aを80発行した後,20だけ取得してBを20発行することなどを繰り返すような場合もありえます。
Q6
親子会社、相互保有株式について質問させて下さい。
A社及びB社とも公開会社でない会社です。
A社(完全無議決権株式59株をB社が保有、議決権のある株式1株を甲個人が保有・発行済株式60株),B社(完全無議決権株式59株をA社が保有、議決権のある株式1株を乙個人が保有・発行済株式60株)という会社において、A社及びB社は互いに親子会社にはならないと思いますが、どうでしょうか。また、A社は甲のみが有効に議決権を行使でき、B社は乙のみが議決権を行使できるという考えでよろしいでしょうか?
Posted by うさぎ at 2006年09月08日 17:20
A6
1 議決権がないからといって,親子会社にならないわけではありません。
2 A社については甲,B社については乙しか議決権のある株式がないんですよね?それならば,甲,乙しか議決権を行使することができません。
Q7
9月6日付の自己取得請求権付株式の記事について、結論としては是ですが、「千問の道標」Q.202にあるとおり、
「会社法では、株式会社自身を株主として取り扱うことがふさわしくないような場合には、株式会社自身を株主から除外したり、他の株主とは異なる扱いをする規定が置かれている。」
「これに対し、株式分割(183条)については、発行会社の株式を除外する旨の規定はなく、その効力は、自己株式に及ぶ。」
と整理されていることに鑑みれば、取得請求権付株式については、株式会社自身を株主から除外する規定が置かれていないことから、条文解釈としては、行使を認めざるを得ないのではないでしょうか。ここだけ、「自己のものは取得できないのは当然だろうということで、行使禁止規定を書かなかった」というのは、平仄を欠くと思いますが、いかがでしょうか。
Posted by 内藤卓 at 2006年09月08日 23:34
A7
そうですねえ。平仄をどこまでとるかは難しいところですが,もともと「取得」が観念できないということで,書かなかったようです。
Q8
「関連当事者との取引に係る情報の開示に関する監査上の取扱い」(監査委員会報告第62号)という会計基準では,いわゆる間接取引についても関連当事者との取引に関する注記の対象としています。会社法431条の「公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする」という規定との兼ね合いで,この会計基準に拠らないことは特に問題ないでしょうか。
Posted by おりい at 2006年09月09日 09:32
A8
会計基準がそうなら,そうするべきでしょう。
申し訳ないのですが,以前にもお話ししたとおり,会社法と会計基準とは微妙な関係なので,調整マターになるのでしょう。
Q9
相互保有株式の考え方について、教えてください。
A社、B社、C社が保有するD社株式を合計すると、D社が発行する株式の数の25%を超えています。
A社は従来よりB社の親会社でしたが、C社は会社法の施行に伴って新たにA社の子会社となりました。
B社、C社が保有するD社株式は、A社が保有するD社株式を含めなければ、保有比率は25%未満になります。
また、D社も、A,B,C社の株式をそれぞれ保有しています。
この場合、D社はA社に対しては議決権行使ができないと思いますが、B社、C社に対してはどうなるのでしょうか。
Posted by paddi at 2006年09月10日 07:42
A9
D社は,B社,C社の議決権を行使することはできると思います。
Q10
全額出資義務の意味について、ここ数日再考しており、かなり立案担当者の方々の説明が理解できたような気がします。受験生ですから、答案に短文で書く場合を想定し、次の2つの例を考えてみました。大丈夫でしょうか?
短文例①
34条1項は、株主の間接有限責任を徹底するために採られた失権手続の前提として、全額出資ルールを定めている。
短文例②
34条1項の全額出資義務の趣旨は、全額出資義務を履行しなかった場合には、設立時発行株式の株主となる権利を失うこととし、もって、株主の間接有限責任のあり方を徹底することにある。
Posted by のぞみ at 2006年09月10日 20:19
A10
34条1項について,論証することはあまりないような気もしますが,とりあえずコメントを。
短文例① 「失権手続の前提として」というのはいらないような気がします。
短文例② もうちょっと言葉を補わないと分かりにくいかもしれません。
今日は、株式引受人の全額出資義務についてお話します。
のぞみさんから、
「法34条1項で全額出資義務の趣旨に関して、教えてください。
「全額」出資義務を資本充実の原則の表れと位置づけている葉玉先生も、ご存知の有名な教授の説明でもいいような気がしますが、それは、資本充実による債権者保護の制度ではなく、別の理由によるのだ、という立案担当者の皆さんの説明にも合理性があるようにも思えます。
「立案担当者による新・会社法の解説」における郡谷・岩崎論文によりますと、「出資者が株主となった後に、なお引き受けた株式に係る出資履行義務を負わないということを確保するための制度である」とのことですが、全額出資であれ、一部出資であれ、株主の有限責任の原則により、引用文にあるような「出資履行義務を負わないということを確保する」必要は、特にないように思いますが、どうでしょうか?
また、法34条1項の立法趣旨を、成立後の会社がスムーズに事業活動を開始できるようにするために、出資者に対して出資義務 を「全額」履行するように、注意を促すことにあると考え、同条項を、成立後の会社のための、出資者に対する規制、と解釈するのは、どうでしょうか?」
という質問を受けました。
私が、34条1項を、資本充実の原則の表れと説明した記憶はあまりないのですが、どんな文脈で言っていたのでしょう?
そもそも、株式の引受人は、契約上、当然に、引き受けをした株式の払込金額の全額について払込義務を負っています。言い換えれば、何も条文を置かなくても、全部支払義務はあります。
ですから、34条1項自体は、全部支払義務があることを前提に、「引受け後遅滞なく」という出資時期を法定したところに意味があります。(同項ただし書が、給付時期の例外を定めていることからも、その趣旨が見て取れます)。
さて、この34条1項を、「資本充実の原則」の表れと呼ぶためには、
① 引受人が、設立前に払込みをしなくても、設立されてしまえば、その者に株式が発行されてしまう。
② 資本金が、実際に払い込まれた額ではなく、発行価額で計上されてしまう
という法制度(要するに、旧商法の制度)が前提になるでしょう。
このような制度のもとでは、設立前に全額の払込をしてくれないと、資本金に見合うだけの現実の払込がない状態が生じてしまうので、
「引受人は、株式を引受けたら、さっさと全額払込をしろよ。設立前に払い終わってくれよ。」
というルールは、「資本の充実」に役立ちます。
しかし、旧商法は、資本充実の原則に穴が開いていて、全額出資義務が未履行であるにもかかわらず、設立されてしまうと、
① 未履行の引受人は、失権手続を経ていないので、出資義務を負ったたまま、株主となる。
② 資本金は、発行価額で計上されるので、資本金に見合うだけの現実の出資がない状態が生じてしまう。
ということになっていました(これを回避するために、払込金保管証明や検査役の調査を要求し、それらがなければ、登記できないものとしていたのです。もちろん、何らかの理由により、登記がされてしまえば、やはり資本の充実が害されていました)。
これに対し、会社法では、
① 引受人が、払込をしなければ、当然に引受人としての地位を失い、その者に株式は発行されない。
② 資本金は、実際に払い込まれた金額で計上されるので、払い込まれていないものが資本金に計上されることはない。
というルールを採用していますから、必ず、資本金に見合うだけの現実の払込みがあります。
このような法制度のもとでは、34条1項が出資時期を定めているからといって、これを「資本充実の原則の現れ」というのは、ちょっと遠い感じがします。
また、のぞみさんが仰っている全額出資義務の意味としては
「引受人は、全額を払い込まなければ、一株の株主にもなれない」
というルールも含まれているように思いますが、これは、会社法では、次の①②が根拠規定になります。
① 50条1項は「発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。」と規定し、この「出資の履行」は、34条1項の規定による払込み及び給付のことを言いますから(35条)、「全額」を払い込み又は給付しないと株主になれない。
③ 102条2項は、「設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立の時に、第六十三条第一項の規定による払込みを行った設立時発行株式の株主となる。」と定め、63条1項は、「全額の払込み」を要件としているから、全額を払い込まないと株主になれない。
このルールが、なんで採用されているかというと、間接有限責任を徹底するためです。
一部の履行のみで株式の全部が発行されると、旧商法の設立のときのように、株式の発行後に残部の払込義務が残るという法制度にせざるをえなくなります。
これは、これで「会社の債権者に対しては直接責任を負わないし、会社に対して責任を負うのは、出資義務の範囲内」なので、間接有限責任制度ということはできますが、会社法の間接有限責任は、設立時における打ち切り発行を認めた関係もあって、より徹底しており、
「株主は、会社に対しても、会社債権者に対しても、一切、責任を負わない」
ものとして整理されています。
ですから、本当いうと、「株式会社の株主の責任は何ですか」と問われた場合、
「株主は、無責任です。」
というのが正しいのです。
さらに過激に言えば、制度的には、104条は、空文化しているのです。だって、「引受価額」について全額出資しないと株主になれないのですから。
この徹底した間接有限責任制度を実現するためには、法制度として
①一部払込のときは、一切、株式を取得することができないという法制度にするか
②一部払込みのときは、払込みに対応する株式のみ発行し、残部は株式を発行しないという法制度にするか
のどちらかを選択することになります。。
このうち、②の法制度は、引受人に広範なオプションを与えたことになり、あまり合理的ではありません。
つまり、引受人は、「1000株を1000万円で引き受けるよ」と約束したのに、引受人は、1000万円払うか、1万円しか払わないかを、何のペナルティーもなく、選べることになってしまうからです。
本来の約束を守らなかったものに、そのようなオプションを与えるのは妥当ではないので、「全部払い込まなかったら、すべての株式を取得できない」という不利益を与える①の法制度の方が合理的であり、実際、会社法は、そのような制度を採用しているのです。
また、①の制度を採用することにより、引受人が全額の履行を促進し、会社が予定しているだけの出資を確保しやすくなります。
以上のことを考えると、全額出資制度を採用している趣旨は、間接有限責任の徹底と、出資の履行の促進にあると説明することになるでしょう。
ただ、出資の履行がされなくても、出資された分だけが資本金になるので、出資の履行の促進は、「資本充実の原則」とは、直接の関係はないように思います。
(質問コーナー))
Q1
株主がA,B,C3名の甲株式会社が、乙株式会社を設立する新設分割にあたって、763条12号ロ(剰余金の配当)を使って、Aのみに乙の株式を交付する人的分割は可能でしょうか。剰余金の配当と書かれている以上持株比率に応じて交付しなければならないか?という疑問です。
それといやも12号イにより全部取得条項付種類株式を用いる方法しかないのでしょうか。
商法時代は全株主の同意があれば非案分型人的分割も可能であったのですが、いかがなものでしょうか。
Posted by 迷宮の森 at 2006年09月06日 20:00
A1
株主平等の原則があるので、Aのみは、無理でしょう。
全株主の同意が取れるのであれば、民法的には、B,CがAに贈与すればいいだけですが。
でも、税法上も、株主間の利益移転はいずれにしても生じそうですね。
Q2
持分会社の競業の禁止および利益相反について質問させてください。
594条(競業の禁止)では 「社員の全員の承認」を要件にしています。これに対して、595条(利益相反)では、「社員の過半数の承認」を要件にしています。この違いはどうして生ずるのでしょうか?
また、持分会社において競業の禁止と利益相反の要件は上記のように異なるのに対して、株式会社において競業の禁止と利益相反の要件は同様(356条)ですよね。この違いが生じる理由についても教えてください。
Posted by maru at 2006年09月06日 22:46
A2
旧商法の規律を引き継いでいます。
持分会社における競業は、所有と経営の一致のもとで組合的な経営をしているんだから、その中の一人が同種の営業をするのは、裏切りだという感じなのでしょうか。
Q3
千問Q738において、資本金の減少決議の日を効力発生日とすることが可能であると記載されており、この点は資本準備金についても同様だと考えますが、そうしますと、定款上年1回の期末配当を行う会社が、ある年の定時総会で資本準備金の減少決議→同日効力発生→それによって発生した剰余金(分配可能額)を用いた配当決議を一気に行うことも可能ということですね。よろしくお願いいたします。
Posted by はやぶさ at 2006年09月06日 23:38
A3
要するに、資本準備金を減少した上で、剰余金の配当をするということですね。できます。
Q4
株式の譲渡制限に関する定め(会社法107条1項1号)がある場合においては、会社が自己株式を譲渡しようとするときも、会社の承認(会社法136条、137条)が必要となるのでしょうか。
Posted by K at 2006年09月07日 01:27
A4
136条で「当該譲渡制限株式を発行した株式会社を除く」とあるとおり、譲渡承認は不要です。
Q5
「8月22日の代表取締役の就任・退任」についてお伺いいたします。
取締役会設置会社で、取締役ABC・代表取締役Aが就任している会社が、取締役会設置会社である旨を廃止した場合、各自代表が適用されBCにも代表権が付与されますが、このような状態で、再度、取締役会設置会社に移行する定款変更した場合、この場合にも、BCは代表取締役としての地位を失わないのでしょうか?
2(1)を読む限り、失わない、と読めるのですが、このような場合には、代表権付与は失効しないのでしょうか。
Posted by ホー at 2006年09月07日 10:06
A5
①取締役会設置会社が、一旦、取締役会を廃止して、各自代表になった後に、再度、取締役会設置会社になる場合と、②最初から、各自代表の会社が取締役会を設置する場合は、取扱いをは同じです。
取締役会を置いただけでは、BCは代表取締役としての地位は失わず、取締役会でAを選定したときに、BCは、代表取締役の地位を失います。ただし、取締役会設置会社は、取締役で代表取締役を選定する義務を負っていますので、取締役会で代取を選定するまで、取締役会設置会社である旨の登記をすることはできません。
Q6
取得条項付新株予約権についてのご質問なのですが、取得条項と新株予約権の行使はどちらが優先するのでしょうか。
これはあくまで「決め」の問題であって、当事者間で自由に決定できるのでしょうか。
会作法第287条が「新株予約権者がその有する新株予約権を行使することができなくなったときは、当該新株予約権は消滅する。」と定めていることとの関係、及び2週間前の通知・公告の趣旨との関係で、取得通知・公告以後、取得日までの期間に行われた予約権の行使よりも、その後発効する取得条項を優先させることに、疑問を抱いております。
例えば、会社が、発行しているある新株予約権について、1月31日を取得日として決定し、1月15日に、当該取得について、通知・公告を行ったとします。
発行要項に、新株予約権の行使の期間又は条件として、「取得日の通知・公告後は、新株予約権は行使できない」と記載しておくことにより、取得条項を優先させることが出来るのでしょうか(公表事例において、このような事例を確認しております。)。
すなわち、この事例においては、1月15日の取得の通知・公告の時点で、当該新株予約権は「行使することができなくなったとき」に該当し、消滅してしまうのであって、取得は許されないのではないでしょうか。そのため、そもそも上記の定め自体が無効となるということにはならないでしょうか。
会社法第287条は、強行規定ではなく、別段の特約を結ぶことも可能なのでしょうか。
書きぶりの問題として、「予約権の行使は可能であるが、取得の通知公告以降取得日までの行使については、その後発効する取得が優先する。」との書きぶりであれば、同条にヒットしないのでしょうか。
しかしこの場合であっても、2週間前の通知・公告の趣旨との関係で問題とはならないでしょうか(旧商法下における消却においては、事前の通知・公告は、新株予約権者に、予約権を行使して株主となるか、それとも消却されるかの選択する機会を与えることにその趣旨があったと理解しています。)。この趣旨に鑑みれば、先ほどの事例のように、取得日の通知・公告以降に行われた予約権の行使より、取得が優先すると定めておくのは適法・有効なのか、疑問を抱いております。
Posted by かおるん at 2006年09月07日 13:33
A6
新株予約権の設定次第だと思いますが、まず、「取得日の通知・公告後は、新株予約権は行使できない」という意味が、「爾後、いかなる場合においても、いかなる者が新株予約権者となろうとも、新株予約権を行使することができない」という趣旨であるならば、新株予約権は、消滅します。
その場合は、取得前に消滅するので、取得の効果は生じませんが、別段、その定めを無効に解する必要はないと思います。
これに対し、「通知・公告の時点における新株予約権者は、新株予約権の行使をすることができないが、取得後に、当該新株予約権を、さらに別の者に処分したときは、その者は新株予約権を行使することができる」という趣旨であれば、新株予約権は消滅しませんので、会社は、取得することができます。
会社の行為により、新株予約権の行使が制限されることになる点については、「そういう新株予約権と知って取得したのだからやむをえない」と思います。
Q7
取締役が職務発明の対価として受領する金銭は、取締役の報酬として株主総会において決議する必要はあるのでしょうか。会社法第361条は、「報酬、賞与その他の職務執行の対価」と規定されています。職務発明は、取締役の職務執行の対価に含まれると考えるのでしょうか。それとも、取締役の報酬として株主総会において決議をしておく必要はなく、取締役会において利益相反取引の決議を行えば足りると考えるのでしょうか。
Posted by スカ吉 at 2006年09月06日 11:04
A7
発明が、取締役の職務かというと、それは各会社によるのではないでしょうか。
通常は、取締役の職務に発明は入らないと思いますが、発明担当取締役という業務担当取締役がいるとすれば(笑)、発明も取締役としての職務になる可能性があります。
利益相反取引には、該当する可能性が高いので、そちらの役会決議は必要でしょう。
Q8
会社法432条2項でいう「会計帳簿の閉鎖の時」とは、具体的にいつでしょうか?また、保存義務が発生する「会計帳簿及びその事業に関する重要な資料」のうち、「その事業に関する重要な資料」が何を指すのかについても、教えていただけますでしょうか?←契約書や領収書の類は全て含まれるのでしょうか・・・
Posted by コンプラ違反 at 2006年09月06日 15:26
A8
旧商法のとおりですが、一般には、締め切りのときと解されています。
「重要な資料」は、あてはめなので、一概にはいえないですね。
Q9
9月5日のA4についてですが、種類株主総会の議決権が無いこと自体は規定されてないが、175条2項の趣旨に反するからまずい可能性があるということでしょうか。
Posted by 法務社員1年生 at 2006年09月06日 16:42
A9
175条2項は、取得の対象となる株主は特別利害関係があるから、不当な判断がされるおそれがため、株主総会において決議に参加することができないこととされています。
しかし、その特別利害関係人である株主に拒否権付株式で拒否権を与えるということは、175条2項の趣旨に反するかもしれないという危惧感はあります。ただ、「拒否する方ならば、よいかもしれない」という気持ちもあり、断言することはできません。
Q10
株主総会の決議の省略(法319条)についてお教え願います。
同条第1項は、「同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす」とあります。
そして、同状第5項で、第1項により定時株主総会の目的事項の全てについて決議があったものとみなされた場合は、「その時に」定時株主総会が終結したものとみなすことが定められています。
① 第5項は、臨時株主総会についても、類推適用できると考えることは許されるでしょうか
② 第5項は、取締役の任期満了のときを明確にするための定めとされていますので「臨時総会終結のときをもって取締役を辞任する」という場合には、辞任日を明確にする必要があると考えますがどうでしょうか。
③ また、全株主の同意の意思表示のあったときとは別に、本来定時株主総会を開催する予定であった日をもって、株主総会決議があった日とする旨を会社が株主に対してあらかじめ通知することが許されるでしょうか。
例えば、現在の代表取締役全員が任期満了により取締役を退任し、新たに就任する取締役の中から、代表取締役を選定しようとする場合、選定のための取締役会は、株主総会決議があったとみなされる日に直ちに開催しないと、代表取締役が存在しないことになります(法定数を欠いていないため346条1項が適用されない)。
「全株主の同意が得られたとき」をあらかじめ定めることができない限り、取締役会の招集手続きも行うことができないため、あらかじめ決議があったとみなされる日を定めておく必要があると考えているのですが、第5項の定めを正面から否定することになるので無理ではないかとも思いますが、いかがでしょうか。
Posted by 神戸の会社員 at 2006年09月06日 16:51
A10
① 臨時総会に319条5項のようなみなし規定を類推適用するのは、難しいのではないでしょうか。
② 辞任日を明確にしたければ、明確にしてもいいと思いますが、株主総会の決議の省略は、同意の意思表示があったときに効力を生じます。
③ 株主総会決議があったとする日自体は、変えられませんが、同意を条件付同意にするなどの工夫することによって、決議があったものとみなされる日をずらすことはできます。
ところで、代表取締役全員が任期満了の場合には、351条が適用されるのでは?
今日は、株式引受人の全額出資義務についてお話します。
のぞみさんから、
「法34条1項で全額出資義務の趣旨に関して、教えてください。
「全額」出資義務を資本充実の原則の表れと位置づけている葉玉先生も、ご存知の有名な教授の説明でもいいような気がしますが、それは、資本充実による債権者保護の制度ではなく、別の理由によるのだ、という立案担当者の皆さんの説明にも合理性があるようにも思えます。
「立案担当者による新・会社法の解説」における郡谷・岩崎論文によりますと、「出資者が株主となった後に、なお引き受けた株式に係る出資履行義務を負わないということを確保するための制度である」とのことですが、全額出資であれ、一部出資であれ、株主の有限責任の原則により、引用文にあるような「出資履行義務を負わないということを確保する」必要は、特にないように思いますが、どうでしょうか?
また、法34条1項の立法趣旨を、成立後の会社がスムーズに事業活動を開始できるようにするために、出資者に対して出資義務 を「全額」履行するように、注意を促すことにあると考え、同条項を、成立後の会社のための、出資者に対する規制、と解釈するのは、どうでしょうか?」
という質問を受けました。
私が、34条1項を、資本充実の原則の表れと説明した記憶はあまりないのですが、どんな文脈で言っていたのでしょう?
そもそも、株式の引受人は、契約上、当然に、引き受けをした株式の払込金額の全額について払込義務を負っています。言い換えれば、何も条文を置かなくても、全部支払義務はあります。
ですから、34条1項自体は、全部支払義務があることを前提に、「引受け後遅滞なく」という出資時期を法定したところに意味があります。(同項ただし書が、給付時期の例外を定めていることからも、その趣旨が見て取れます)。
さて、この34条1項を、「資本充実の原則」の表れと呼ぶためには、
① 引受人が、設立前に払込みをしなくても、設立されてしまえば、その者に株式が発行されてしまう。
② 資本金が、実際に払い込まれた額ではなく、発行価額で計上されてしまう
という法制度(要するに、旧商法の制度)が前提になるでしょう。
このような制度のもとでは、設立前に全額の払込をしてくれないと、資本金に見合うだけの現実の払込がない状態が生じてしまうので、
「引受人は、株式を引受けたら、さっさと全額払込をしろよ。設立前に払い終わってくれよ。」
というルールは、「資本の充実」に役立ちます。
しかし、旧商法は、資本充実の原則に穴が開いていて、全額出資義務が未履行であるにもかかわらず、設立されてしまうと、
① 未履行の引受人は、失権手続を経ていないので、出資義務を負ったたまま、株主となる。
② 資本金は、発行価額で計上されるので、資本金に見合うだけの現実の出資がない状態が生じてしまう。
ということになっていました(これを回避するために、払込金保管証明や検査役の調査を要求し、それらがなければ、登記できないものとしていたのです。もちろん、何らかの理由により、登記がされてしまえば、やはり資本の充実が害されていました)。
これに対し、会社法では、
① 引受人が、払込をしなければ、当然に引受人としての地位を失い、その者に株式は発行されない。
② 資本金は、実際に払い込まれた金額で計上されるので、払い込まれていないものが資本金に計上されることはない。
というルールを採用していますから、必ず、資本金に見合うだけの現実の払込みがあります。
このような法制度のもとでは、34条1項が出資時期を定めているからといって、これを「資本充実の原則の現れ」というのは、ちょっと遠い感じがします。
また、のぞみさんが仰っている全額出資義務の意味としては
「引受人は、全額を払い込まなければ、一株の株主にもなれない」
というルールも含まれているように思いますが、これは、会社法では、次の①②が根拠規定になります。
① 50条1項は「発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。」と規定し、この「出資の履行」は、34条1項の規定による払込み及び給付のことを言いますから(35条)、「全額」を払い込み又は給付しないと株主になれない。
③ 102条2項は、「設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立の時に、第六十三条第一項の規定による払込みを行った設立時発行株式の株主となる。」と定め、63条1項は、「全額の払込み」を要件としているから、全額を払い込まないと株主になれない。
このルールが、なんで採用されているかというと、間接有限責任を徹底するためです。
一部の履行のみで株式の全部が発行されると、旧商法の設立のときのように、株式の発行後に残部の払込義務が残るという法制度にせざるをえなくなります。
これは、これで「会社の債権者に対しては直接責任を負わないし、会社に対して責任を負うのは、出資義務の範囲内」なので、間接有限責任制度ということはできますが、会社法の間接有限責任は、設立時における打ち切り発行を認めた関係もあって、より徹底しており、
「株主は、会社に対しても、会社債権者に対しても、一切、責任を負わない」
ものとして整理されています。
ですから、本当いうと、「株式会社の株主の責任は何ですか」と問われた場合、
「株主は、無責任です。」
というのが正しいのです。
さらに過激に言えば、制度的には、104条は、空文化しているのです。だって、「引受価額」について全額出資しないと株主になれないのですから。
この徹底した間接有限責任制度を実現するためには、法制度として
①一部払込のときは、一切、株式を取得することができないという法制度にするか
②一部払込みのときは、払込みに対応する株式のみ発行し、残部は株式を発行しないという法制度にするか
のどちらかを選択することになります。。
このうち、②の法制度は、引受人に広範なオプションを与えたことになり、あまり合理的ではありません。
つまり、引受人は、「1000株を1000万円で引き受けるよ」と約束したのに、引受人は、1000万円払うか、1万円しか払わないかを、何のペナルティーもなく、選べることになってしまうからです。
本来の約束を守らなかったものに、そのようなオプションを与えるのは妥当ではないので、「全部払い込まなかったら、すべての株式を取得できない」という不利益を与える①の法制度の方が合理的であり、実際、会社法は、そのような制度を採用しているのです。
また、①の制度を採用することにより、引受人が全額の履行を促進し、会社が予定しているだけの出資を確保しやすくなります。
以上のことを考えると、全額出資制度を採用している趣旨は、間接有限責任の徹底と、出資の履行の促進にあると説明することになるでしょう。
ただ、出資の履行がされなくても、出資された分だけが資本金になるので、出資の履行の促進は、「資本充実の原則」とは、直接の関係はないように思います。
(質問コーナー))
Q1
株主がA,B,C3名の甲株式会社が、乙株式会社を設立する新設分割にあたって、763条12号ロ(剰余金の配当)を使って、Aのみに乙の株式を交付する人的分割は可能でしょうか。剰余金の配当と書かれている以上持株比率に応じて交付しなければならないか?という疑問です。
それといやも12号イにより全部取得条項付種類株式を用いる方法しかないのでしょうか。
商法時代は全株主の同意があれば非案分型人的分割も可能であったのですが、いかがなものでしょうか。
Posted by 迷宮の森 at 2006年09月06日 20:00
A1
株主平等の原則があるので、Aのみは、無理でしょう。
全株主の同意が取れるのであれば、民法的には、B,CがAに贈与すればいいだけですが。
でも、税法上も、株主間の利益移転はいずれにしても生じそうですね。
Q2
持分会社の競業の禁止および利益相反について質問させてください。
594条(競業の禁止)では 「社員の全員の承認」を要件にしています。これに対して、595条(利益相反)では、「社員の過半数の承認」を要件にしています。この違いはどうして生ずるのでしょうか?
また、持分会社において競業の禁止と利益相反の要件は上記のように異なるのに対して、株式会社において競業の禁止と利益相反の要件は同様(356条)ですよね。この違いが生じる理由についても教えてください。
Posted by maru at 2006年09月06日 22:46
A2
旧商法の規律を引き継いでいます。
持分会社における競業は、所有と経営の一致のもとで組合的な経営をしているんだから、その中の一人が同種の営業をするのは、裏切りだという感じなのでしょうか。
Q3
千問Q738において、資本金の減少決議の日を効力発生日とすることが可能であると記載されており、この点は資本準備金についても同様だと考えますが、そうしますと、定款上年1回の期末配当を行う会社が、ある年の定時総会で資本準備金の減少決議→同日効力発生→それによって発生した剰余金(分配可能額)を用いた配当決議を一気に行うことも可能ということですね。よろしくお願いいたします。
Posted by はやぶさ at 2006年09月06日 23:38
A3
要するに、資本準備金を減少した上で、剰余金の配当をするということですね。できます。
Q4
株式の譲渡制限に関する定め(会社法107条1項1号)がある場合においては、会社が自己株式を譲渡しようとするときも、会社の承認(会社法136条、137条)が必要となるのでしょうか。
Posted by K at 2006年09月07日 01:27
A4
136条で「当該譲渡制限株式を発行した株式会社を除く」とあるとおり、譲渡承認は不要です。
Q5
「8月22日の代表取締役の就任・退任」についてお伺いいたします。
取締役会設置会社で、取締役ABC・代表取締役Aが就任している会社が、取締役会設置会社である旨を廃止した場合、各自代表が適用されBCにも代表権が付与されますが、このような状態で、再度、取締役会設置会社に移行する定款変更した場合、この場合にも、BCは代表取締役としての地位を失わないのでしょうか?
2(1)を読む限り、失わない、と読めるのですが、このような場合には、代表権付与は失効しないのでしょうか。
Posted by ホー at 2006年09月07日 10:06
A5
①取締役会設置会社が、一旦、取締役会を廃止して、各自代表になった後に、再度、取締役会設置会社になる場合と、②最初から、各自代表の会社が取締役会を設置する場合は、取扱いをは同じです。
取締役会を置いただけでは、BCは代表取締役としての地位は失わず、取締役会でAを選定したときに、BCは、代表取締役の地位を失います。ただし、取締役会設置会社は、取締役で代表取締役を選定する義務を負っていますので、取締役会で代取を選定するまで、取締役会設置会社である旨の登記をすることはできません。
Q6
取得条項付新株予約権についてのご質問なのですが、取得条項と新株予約権の行使はどちらが優先するのでしょうか。
これはあくまで「決め」の問題であって、当事者間で自由に決定できるのでしょうか。
会作法第287条が「新株予約権者がその有する新株予約権を行使することができなくなったときは、当該新株予約権は消滅する。」と定めていることとの関係、及び2週間前の通知・公告の趣旨との関係で、取得通知・公告以後、取得日までの期間に行われた予約権の行使よりも、その後発効する取得条項を優先させることに、疑問を抱いております。
例えば、会社が、発行しているある新株予約権について、1月31日を取得日として決定し、1月15日に、当該取得について、通知・公告を行ったとします。
発行要項に、新株予約権の行使の期間又は条件として、「取得日の通知・公告後は、新株予約権は行使できない」と記載しておくことにより、取得条項を優先させることが出来るのでしょうか(公表事例において、このような事例を確認しております。)。
すなわち、この事例においては、1月15日の取得の通知・公告の時点で、当該新株予約権は「行使することができなくなったとき」に該当し、消滅してしまうのであって、取得は許されないのではないでしょうか。そのため、そもそも上記の定め自体が無効となるということにはならないでしょうか。
会社法第287条は、強行規定ではなく、別段の特約を結ぶことも可能なのでしょうか。
書きぶりの問題として、「予約権の行使は可能であるが、取得の通知公告以降取得日までの行使については、その後発効する取得が優先する。」との書きぶりであれば、同条にヒットしないのでしょうか。
しかしこの場合であっても、2週間前の通知・公告の趣旨との関係で問題とはならないでしょうか(旧商法下における消却においては、事前の通知・公告は、新株予約権者に、予約権を行使して株主となるか、それとも消却されるかの選択する機会を与えることにその趣旨があったと理解しています。)。この趣旨に鑑みれば、先ほどの事例のように、取得日の通知・公告以降に行われた予約権の行使より、取得が優先すると定めておくのは適法・有効なのか、疑問を抱いております。
Posted by かおるん at 2006年09月07日 13:33
A6
新株予約権の設定次第だと思いますが、まず、「取得日の通知・公告後は、新株予約権は行使できない」という意味が、「爾後、いかなる場合においても、いかなる者が新株予約権者となろうとも、新株予約権を行使することができない」という趣旨であるならば、新株予約権は、消滅します。
その場合は、取得前に消滅するので、取得の効果は生じませんが、別段、その定めを無効に解する必要はないと思います。
これに対し、「通知・公告の時点における新株予約権者は、新株予約権の行使をすることができないが、取得後に、当該新株予約権を、さらに別の者に処分したときは、その者は新株予約権を行使することができる」という趣旨であれば、新株予約権は消滅しませんので、会社は、取得することができます。
会社の行為により、新株予約権の行使が制限されることになる点については、「そういう新株予約権と知って取得したのだからやむをえない」と思います。
Q7
取締役が職務発明の対価として受領する金銭は、取締役の報酬として株主総会において決議する必要はあるのでしょうか。会社法第361条は、「報酬、賞与その他の職務執行の対価」と規定されています。職務発明は、取締役の職務執行の対価に含まれると考えるのでしょうか。それとも、取締役の報酬として株主総会において決議をしておく必要はなく、取締役会において利益相反取引の決議を行えば足りると考えるのでしょうか。
Posted by スカ吉 at 2006年09月06日 11:04
A7
発明が、取締役の職務かというと、それは各会社によるのではないでしょうか。
通常は、取締役の職務に発明は入らないと思いますが、発明担当取締役という業務担当取締役がいるとすれば(笑)、発明も取締役としての職務になる可能性があります。
利益相反取引には、該当する可能性が高いので、そちらの役会決議は必要でしょう。
Q8
会社法432条2項でいう「会計帳簿の閉鎖の時」とは、具体的にいつでしょうか?また、保存義務が発生する「会計帳簿及びその事業に関する重要な資料」のうち、「その事業に関する重要な資料」が何を指すのかについても、教えていただけますでしょうか?←契約書や領収書の類は全て含まれるのでしょうか・・・
Posted by コンプラ違反 at 2006年09月06日 15:26
A8
旧商法のとおりですが、一般には、締め切りのときと解されています。
「重要な資料」は、あてはめなので、一概にはいえないですね。
Q9
9月5日のA4についてですが、種類株主総会の議決権が無いこと自体は規定されてないが、175条2項の趣旨に反するからまずい可能性があるということでしょうか。
Posted by 法務社員1年生 at 2006年09月06日 16:42
A9
175条2項は、取得の対象となる株主は特別利害関係があるから、不当な判断がされるおそれがため、株主総会において決議に参加することができないこととされています。
しかし、その特別利害関係人である株主に拒否権付株式で拒否権を与えるということは、175条2項の趣旨に反するかもしれないという危惧感はあります。ただ、「拒否する方ならば、よいかもしれない」という気持ちもあり、断言することはできません。
Q10
株主総会の決議の省略(法319条)についてお教え願います。
同条第1項は、「同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす」とあります。
そして、同状第5項で、第1項により定時株主総会の目的事項の全てについて決議があったものとみなされた場合は、「その時に」定時株主総会が終結したものとみなすことが定められています。
① 第5項は、臨時株主総会についても、類推適用できると考えることは許されるでしょうか
② 第5項は、取締役の任期満了のときを明確にするための定めとされていますので「臨時総会終結のときをもって取締役を辞任する」という場合には、辞任日を明確にする必要があると考えますがどうでしょうか。
③ また、全株主の同意の意思表示のあったときとは別に、本来定時株主総会を開催する予定であった日をもって、株主総会決議があった日とする旨を会社が株主に対してあらかじめ通知することが許されるでしょうか。
例えば、現在の代表取締役全員が任期満了により取締役を退任し、新たに就任する取締役の中から、代表取締役を選定しようとする場合、選定のための取締役会は、株主総会決議があったとみなされる日に直ちに開催しないと、代表取締役が存在しないことになります(法定数を欠いていないため346条1項が適用されない)。
「全株主の同意が得られたとき」をあらかじめ定めることができない限り、取締役会の招集手続きも行うことができないため、あらかじめ決議があったとみなされる日を定めておく必要があると考えているのですが、第5項の定めを正面から否定することになるので無理ではないかとも思いますが、いかがでしょうか。
Posted by 神戸の会社員 at 2006年09月06日 16:51
A10
① 臨時総会に319条5項のようなみなし規定を類推適用するのは、難しいのではないでしょうか。
② 辞任日を明確にしたければ、明確にしてもいいと思いますが、株主総会の決議の省略は、同意の意思表示があったときに効力を生じます。
③ 株主総会決議があったとする日自体は、変えられませんが、同意を条件付同意にするなどの工夫することによって、決議があったものとみなされる日をずらすことはできます。
ところで、代表取締役全員が任期満了の場合には、351条が適用されるのでは?
今日は、株式引受人の全額出資義務についてお話します。
のぞみさんから、
「法34条1項で全額出資義務の趣旨に関して、教えてください。
「全額」出資義務を資本充実の原則の表れと位置づけている葉玉先生も、ご存知の有名な教授の説明でもいいような気がしますが、それは、資本充実による債権者保護の制度ではなく、別の理由によるのだ、という立案担当者の皆さんの説明にも合理性があるようにも思えます。
「立案担当者による新・会社法の解説」における郡谷・岩崎論文によりますと、「出資者が株主となった後に、なお引き受けた株式に係る出資履行義務を負わないということを確保するための制度である」とのことですが、全額出資であれ、一部出資であれ、株主の有限責任の原則により、引用文にあるような「出資履行義務を負わないということを確保する」必要は、特にないように思いますが、どうでしょうか?
また、法34条1項の立法趣旨を、成立後の会社がスムーズに事業活動を開始できるようにするために、出資者に対して出資義務 を「全額」履行するように、注意を促すことにあると考え、同条項を、成立後の会社のための、出資者に対する規制、と解釈するのは、どうでしょうか?」
という質問を受けました。
私が、34条1項を、資本充実の原則の表れと説明した記憶はあまりないのですが、どんな文脈で言っていたのでしょう?
そもそも、株式の引受人は、契約上、当然に、引き受けをした株式の払込金額の全額について払込義務を負っています。言い換えれば、何も条文を置かなくても、全部支払義務はあります。
ですから、34条1項自体は、全部支払義務があることを前提に、「引受け後遅滞なく」という出資時期を法定したところに意味があります。(同項ただし書が、給付時期の例外を定めていることからも、その趣旨が見て取れます)。
さて、この34条1項を、「資本充実の原則」の表れと呼ぶためには、
① 引受人が、設立前に払込みをしなくても、設立されてしまえば、その者に株式が発行されてしまう。
② 資本金が、実際に払い込まれた額ではなく、発行価額で計上されてしまう
という法制度(要するに、旧商法の制度)が前提になるでしょう。
このような制度のもとでは、設立前に全額の払込をしてくれないと、資本金に見合うだけの現実の払込がない状態が生じてしまうので、
「引受人は、株式を引受けたら、さっさと全額払込をしろよ。設立前に払い終わってくれよ。」
というルールは、「資本の充実」に役立ちます。
しかし、旧商法は、資本充実の原則に穴が開いていて、全額出資義務が未履行であるにもかかわらず、設立されてしまうと、
① 未履行の引受人は、失権手続を経ていないので、出資義務を負ったたまま、株主となる。
② 資本金は、発行価額で計上されるので、資本金に見合うだけの現実の出資がない状態が生じてしまう。
ということになっていました(これを回避するために、払込金保管証明や検査役の調査を要求し、それらがなければ、登記できないものとしていたのです。もちろん、何らかの理由により、登記がされてしまえば、やはり資本の充実が害されていました)。
これに対し、会社法では、
① 引受人が、払込をしなければ、当然に引受人としての地位を失い、その者に株式は発行されない。
② 資本金は、実際に払い込まれた金額で計上されるので、払い込まれていないものが資本金に計上されることはない。
というルールを採用していますから、必ず、資本金に見合うだけの現実の払込みがあります。
このような法制度のもとでは、34条1項が出資時期を定めているからといって、これを「資本充実の原則の現れ」というのは、ちょっと遠い感じがします。
また、のぞみさんが仰っている全額出資義務の意味としては
「引受人は、全額を払い込まなければ、一株の株主にもなれない」
というルールも含まれているように思いますが、これは、会社法では、次の①②が根拠規定になります。
① 50条1項は「発起人は、株式会社の成立の時に、出資の履行をした設立時発行株式の株主となる。」と規定し、この「出資の履行」は、34条1項の規定による払込み及び給付のことを言いますから(35条)、「全額」を払い込み又は給付しないと株主になれない。
③ 102条2項は、「設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立の時に、第六十三条第一項の規定による払込みを行った設立時発行株式の株主となる。」と定め、63条1項は、「全額の払込み」を要件としているから、全額を払い込まないと株主になれない。
このルールが、なんで採用されているかというと、間接有限責任を徹底するためです。
一部の履行のみで株式の全部が発行されると、旧商法の設立のときのように、株式の発行後に残部の払込義務が残るという法制度にせざるをえなくなります。
これは、これで「会社の債権者に対しては直接責任を負わないし、会社に対して責任を負うのは、出資義務の範囲内」なので、間接有限責任制度ということはできますが、会社法の間接有限責任は、設立時における打ち切り発行を認めた関係もあって、より徹底しており、
「株主は、会社に対しても、会社債権者に対しても、一切、責任を負わない」
ものとして整理されています。
ですから、本当いうと、「株式会社の株主の責任は何ですか」と問われた場合、
「株主は、無責任です。」
というのが正しいのです。
さらに過激に言えば、制度的には、104条は、空文化しているのです。だって、「引受価額」について全額出資しないと株主になれないのですから。
この徹底した間接有限責任制度を実現するためには、法制度として
①一部払込のときは、一切、株式を取得することができないという法制度にするか
②一部払込みのときは、払込みに対応する株式のみ発行し、残部は株式を発行しないという法制度にするか
のどちらかを選択することになります。。
このうち、②の法制度は、引受人に広範なオプションを与えたことになり、あまり合理的ではありません。
つまり、引受人は、「1000株を1000万円で引き受けるよ」と約束したのに、引受人は、1000万円払うか、1万円しか払わないかを、何のペナルティーもなく、選べることになってしまうからです。
本来の約束を守らなかったものに、そのようなオプションを与えるのは妥当ではないので、「全部払い込まなかったら、すべての株式を取得できない」という不利益を与える①の法制度の方が合理的であり、実際、会社法は、そのような制度を採用しているのです。
また、①の制度を採用することにより、引受人が全額の履行を促進し、会社が予定しているだけの出資を確保しやすくなります。
以上のことを考えると、全額出資制度を採用している趣旨は、間接有限責任の徹底と、出資の履行の促進にあると説明することになるでしょう。
ただ、出資の履行がされなくても、出資された分だけが資本金になるので、出資の履行の促進は、「資本充実の原則」とは、直接の関係はないように思います。
(質問コーナー))
Q1
株主がA,B,C3名の甲株式会社が、乙株式会社を設立する新設分割にあたって、763条12号ロ(剰余金の配当)を使って、Aのみに乙の株式を交付する人的分割は可能でしょうか。剰余金の配当と書かれている以上持株比率に応じて交付しなければならないか?という疑問です。
それといやも12号イにより全部取得条項付種類株式を用いる方法しかないのでしょうか。
商法時代は全株主の同意があれば非案分型人的分割も可能であったのですが、いかがなものでしょうか。
Posted by 迷宮の森 at 2006年09月06日 20:00
A1
株主平等の原則があるので、Aのみは、無理でしょう。
全株主の同意が取れるのであれば、民法的には、B,CがAに贈与すればいいだけですが。
でも、税法上も、株主間の利益移転はいずれにしても生じそうですね。
Q2
持分会社の競業の禁止および利益相反について質問させてください。
594条(競業の禁止)では 「社員の全員の承認」を要件にしています。これに対して、595条(利益相反)では、「社員の過半数の承認」を要件にしています。この違いはどうして生ずるのでしょうか?
また、持分会社において競業の禁止と利益相反の要件は上記のように異なるのに対して、株式会社において競業の禁止と利益相反の要件は同様(356条)ですよね。この違いが生じる理由についても教えてください。
Posted by maru at 2006年09月06日 22:46
A2
旧商法の規律を引き継いでいます。
持分会社における競業は、所有と経営の一致のもとで組合的な経営をしているんだから、その中の一人が同種の営業をするのは、裏切りだという感じなのでしょうか。
Q3
千問Q738において、資本金の減少決議の日を効力発生日とすることが可能であると記載されており、この点は資本準備金についても同様だと考えますが、そうしますと、定款上年1回の期末配当を行う会社が、ある年の定時総会で資本準備金の減少決議→同日効力発生→それによって発生した剰余金(分配可能額)を用いた配当決議を一気に行うことも可能ということですね。よろしくお願いいたします。
Posted by はやぶさ at 2006年09月06日 23:38
A3
要するに、資本準備金を減少した上で、剰余金の配当をするということですね。できます。
Q4
株式の譲渡制限に関する定め(会社法107条1項1号)がある場合においては、会社が自己株式を譲渡しようとするときも、会社の承認(会社法136条、137条)が必要となるのでしょうか。
Posted by K at 2006年09月07日 01:27
A4
136条で「当該譲渡制限株式を発行した株式会社を除く」とあるとおり、譲渡承認は不要です。
Q5
「8月22日の代表取締役の就任・退任」についてお伺いいたします。
取締役会設置会社で、取締役ABC・代表取締役Aが就任している会社が、取締役会設置会社である旨を廃止した場合、各自代表が適用されBCにも代表権が付与されますが、このような状態で、再度、取締役会設置会社に移行する定款変更した場合、この場合にも、BCは代表取締役としての地位を失わないのでしょうか?
2(1)を読む限り、失わない、と読めるのですが、このような場合には、代表権付与は失効しないのでしょうか。
Posted by ホー at 2006年09月07日 10:06
A5
①取締役会設置会社が、一旦、取締役会を廃止して、各自代表になった後に、再度、取締役会設置会社になる場合と、②最初から、各自代表の会社が取締役会を設置する場合は、取扱いをは同じです。
取締役会を置いただけでは、BCは代表取締役としての地位は失わず、取締役会でAを選定したときに、BCは、代表取締役の地位を失います。ただし、取締役会設置会社は、取締役で代表取締役を選定する義務を負っていますので、取締役会で代取を選定するまで、取締役会設置会社である旨の登記をすることはできません。
Q6
取得条項付新株予約権についてのご質問なのですが、取得条項と新株予約権の行使はどちらが優先するのでしょうか。
これはあくまで「決め」の問題であって、当事者間で自由に決定できるのでしょうか。
会作法第287条が「新株予約権者がその有する新株予約権を行使することができなくなったときは、当該新株予約権は消滅する。」と定めていることとの関係、及び2週間前の通知・公告の趣旨との関係で、取得通知・公告以後、取得日までの期間に行われた予約権の行使よりも、その後発効する取得条項を優先させることに、疑問を抱いております。
例えば、会社が、発行しているある新株予約権について、1月31日を取得日として決定し、1月15日に、当該取得について、通知・公告を行ったとします。
発行要項に、新株予約権の行使の期間又は条件として、「取得日の通知・公告後は、新株予約権は行使できない」と記載しておくことにより、取得条項を優先させることが出来るのでしょうか(公表事例において、このような事例を確認しております。)。
すなわち、この事例においては、1月15日の取得の通知・公告の時点で、当該新株予約権は「行使することができなくなったとき」に該当し、消滅してしまうのであって、取得は許されないのではないでしょうか。そのため、そもそも上記の定め自体が無効となるということにはならないでしょうか。
会社法第287条は、強行規定ではなく、別段の特約を結ぶことも可能なのでしょうか。
書きぶりの問題として、「予約権の行使は可能であるが、取得の通知公告以降取得日までの行使については、その後発効する取得が優先する。」との書きぶりであれば、同条にヒットしないのでしょうか。
しかしこの場合であっても、2週間前の通知・公告の趣旨との関係で問題とはならないでしょうか(旧商法下における消却においては、事前の通知・公告は、新株予約権者に、予約権を行使して株主となるか、それとも消却されるかの選択する機会を与えることにその趣旨があったと理解しています。)。この趣旨に鑑みれば、先ほどの事例のように、取得日の通知・公告以降に行われた予約権の行使より、取得が優先すると定めておくのは適法・有効なのか、疑問を抱いております。
Posted by かおるん at 2006年09月07日 13:33
A6
新株予約権の設定次第だと思いますが、まず、「取得日の通知・公告後は、新株予約権は行使できない」という意味が、「爾後、いかなる場合においても、いかなる者が新株予約権者となろうとも、新株予約権を行使することができない」という趣旨であるならば、新株予約権は、消滅します。
その場合は、取得前に消滅するので、取得の効果は生じませんが、別段、その定めを無効に解する必要はないと思います。
これに対し、「通知・公告の時点における新株予約権者は、新株予約権の行使をすることができないが、取得後に、当該新株予約権を、さらに別の者に処分したときは、その者は新株予約権を行使することができる」という趣旨であれば、新株予約権は消滅しませんので、会社は、取得することができます。
会社の行為により、新株予約権の行使が制限されることになる点については、「そういう新株予約権と知って取得したのだからやむをえない」と思います。
Q7
取締役が職務発明の対価として受領する金銭は、取締役の報酬として株主総会において決議する必要はあるのでしょうか。会社法第361条は、「報酬、賞与その他の職務執行の対価」と規定されています。職務発明は、取締役の職務執行の対価に含まれると考えるのでしょうか。それとも、取締役の報酬として株主総会において決議をしておく必要はなく、取締役会において利益相反取引の決議を行えば足りると考えるのでしょうか。
Posted by スカ吉 at 2006年09月06日 11:04
A7
発明が、取締役の職務かというと、それは各会社によるのではないでしょうか。
通常は、取締役の職務に発明は入らないと思いますが、発明担当取締役という業務担当取締役がいるとすれば(笑)、発明も取締役としての職務になる可能性があります。
利益相反取引には、該当する可能性が高いので、そちらの役会決議は必要でしょう。
Q8
会社法432条2項でいう「会計帳簿の閉鎖の時」とは、具体的にいつでしょうか?また、保存義務が発生する「会計帳簿及びその事業に関する重要な資料」のうち、「その事業に関する重要な資料」が何を指すのかについても、教えていただけますでしょうか?←契約書や領収書の類は全て含まれるのでしょうか・・・
Posted by コンプラ違反 at 2006年09月06日 15:26
A8
旧商法のとおりですが、一般には、締め切りのときと解されています。
「重要な資料」は、あてはめなので、一概にはいえないですね。
Q9
9月5日のA4についてですが、種類株主総会の議決権が無いこと自体は規定されてないが、175条2項の趣旨に反するからまずい可能性があるということでしょうか。
Posted by 法務社員1年生 at 2006年09月06日 16:42
A9
175条2項は、取得の対象となる株主は特別利害関係があるから、不当な判断がされるおそれがため、株主総会において決議に参加することができないこととされています。
しかし、その特別利害関係人である株主に拒否権付株式で拒否権を与えるということは、175条2項の趣旨に反するかもしれないという危惧感はあります。ただ、「拒否する方ならば、よいかもしれない」という気持ちもあり、断言することはできません。
Q10
株主総会の決議の省略(法319条)についてお教え願います。
同条第1項は、「同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす」とあります。
そして、同状第5項で、第1項により定時株主総会の目的事項の全てについて決議があったものとみなされた場合は、「その時に」定時株主総会が終結したものとみなすことが定められています。
① 第5項は、臨時株主総会についても、類推適用できると考えることは許されるでしょうか
② 第5項は、取締役の任期満了のときを明確にするための定めとされていますので「臨時総会終結のときをもって取締役を辞任する」という場合には、辞任日を明確にする必要があると考えますがどうでしょうか。
③ また、全株主の同意の意思表示のあったときとは別に、本来定時株主総会を開催する予定であった日をもって、株主総会決議があった日とする旨を会社が株主に対してあらかじめ通知することが許されるでしょうか。
例えば、現在の代表取締役全員が任期満了により取締役を退任し、新たに就任する取締役の中から、代表取締役を選定しようとする場合、選定のための取締役会は、株主総会決議があったとみなされる日に直ちに開催しないと、代表取締役が存在しないことになります(法定数を欠いていないため346条1項が適用されない)。
「全株主の同意が得られたとき」をあらかじめ定めることができない限り、取締役会の招集手続きも行うことができないため、あらかじめ決議があったとみなされる日を定めておく必要があると考えているのですが、第5項の定めを正面から否定することになるので無理ではないかとも思いますが、いかがでしょうか。
Posted by 神戸の会社員 at 2006年09月06日 16:51
A10
① 臨時総会に319条5項のようなみなし規定を類推適用するのは、難しいのではないでしょうか。
② 辞任日を明確にしたければ、明確にしてもいいと思いますが、株主総会の決議の省略は、同意の意思表示があったときに効力を生じます。
③ 株主総会決議があったとする日自体は、変えられませんが、同意を条件付同意にするなどの工夫することによって、決議があったものとみなされる日をずらすことはできます。
ところで、代表取締役全員が任期満了の場合には、351条が適用されるのでは?
先日
「取得請求権付株式が自己株式になっている場合に、株式会社自身が取得請求権を行使することができるか」
という質問をいただき、昨日のQ1では、最初「対価が株式の場合以外は、できる」と答えていました。
しかし、その後、会社法グループの「法の番人」と呼ばれるH検事が、ムチを片手に「葉玉さん・・ぼくは、できないと思うんですけど」とクレームをつけてきたので、その他の仲間を含めて議論しました。
当初、私ができると解釈したのは、
① 取得請求権付株式には、自己新株予約権の行使を禁じた280条6項のような規定がない。
② 114条2項1号は「取得請求権付株式(第百七条第二項第二号ヘの期間の初日が到来していないものを除く。)の株主(当該株式会社を除く。)が第百六十七条第二項の規定により取得することとなる同項第四号に規定する他の株式の数」と規定しているところ、株式会社が取得請求権を行使することができないのならば、株式会社が「取得することとなる」ことはないのだから、わざわざカッコ書で除外しなくてもよいはず。
③ 取得請求権付株式の取得の対価が、現金であれば、取得請求権を行使しても何の意味もないが、対価が社債や新株予約権ならば、会社にとって自己社債、自己新株予約権を発行する意味があるのではないか。
と考えたからです。
しかし、それを書いた当初から、③については
「でも、これを認めると、取得請求権の行使条件次第では、株式会社が無限に自己社債や自己新株予約権を行使することができてしまうなあ」
という不安があったのですが、法律で禁止されていないものを禁止するには、それなりの理屈がいるので、「できる」という結論を書いたわけです。
そうしたところ、H検事が、案の定、「自己社債や自己新株予約権を会社の手元で発行させるべきではない」という、まっとうな批判をされまして
「Iさん(この部分の立案を担当した某事務所の弁護士)は、なぜ会社による取得請求権の行使について禁止規定を置かなかったのだろう」
という話になりました。
それで、Iさんに電話したところ、あいにく外出中で聞けませんでしたし、あまりしつこく電話してタイムチャージをとられると困ると思い(笑)、残された者達(残り物ではありません)で知恵を絞ったところ、一応、次の結論に達しました。
① 「取得」という概念は、他人の保有するものを自己の保有にすることであるから、もともと自己の保有するものについては、「取得」を観念することができない。
② 自己新株予約権の行使について禁止規定が置かれているのは、新株予約権が行使されたからといって、会社が当該新株予約権を「取得」するわけではないので、①の理屈が使えず、行使禁止を明示する必要があるからである。
③ 114条2項は、たとえば、A種類株式が、取得請求権付株式や取得条項付株式の対価となったり、新株予約権の目的となったりしている場合に、そのような潜在的なA種類株式の数が、種類株式についての授権枠(A種類株式の発行可能種類株式総数から当該種類の発行済株式(自己株式を除く。)の総数を控除して得た数)を超えてはならないということを定めたものです。
つまり、114条2項1号のカッコ書は、潜在的なA種類株式数の計算においては、自己株式は除外して計算するということを意味しているだけで、株式会社が取得請求権を行使することを前提にしているわけではない。
そうでないと、取得条項付株式の取得については、自己株式が除外されている(170条2項)のに、114条2項2号にカッコ書が付されている意味が説明できない。
逆に、114条2項3号が、自己新株予約権を除外していない(つまり、自己新株予約権の目的であるA種類株式の数も計算にいれなければならない)のは、自己新株予約権の処分には、法定の手続きがいらないのだから、手続的制約なく他人のものになるような自己新株予約権の目的であるA種類株式の数は、授権枠の計算上は、他の者が保有している新株予約権と同じ取扱いをすべきであるという趣旨である。
この点は、解釈問題なので、いろいろな考え方があるかもしれませんが、自己株式について、取得請求権の行使を認めない方が弊害が生じないので、昨日とは意見を変えることにしました。
なお、先ほどIさんが電話をかけてきてくれたので、聞いたところ、「自己のものは取得できないのは当然だろうということで、行使禁止規定を書かなかった」ということでしたので、この論点については、以上の見解で固めようと思います。
(質問コーナー)
Q1
千問Q102についてお伺いいたします。
取得請求権付株式の行使により株式の数に端数が生じた場合に交付すべき金銭の額を当該取得請求権付株式の価額から算出するように読めるのですが、
167条3項を読むと取得請求権付株式の対価として交付される「他の株式」の価額から端数に応じた金銭を交付しなさい、と言っているように思えるのですが。どちらが正しいのでしょうか?
Posted by ホー at 2006年09月05日 09:24
A1
すいません。交付する株式が正解です。千問Q102の「当該取得請求権付株式」を「当該株式」に修正してください。
Q2
簡易再編手続の会社法施行規則187条では、あえて「算定基準日」が設定されていますが、簡易再編の判断基準日を効力発生日とした場合、「算定基準日」を設ける必要は事実上ないと考えられます(結局効力発生日に算定をしなおすことになるため。)。この算定基準日を設けられた趣旨はどのようなところにあるのしょうか。なお、江頭先生の株式会社法782頁では、簡易合併の算定は、原則として合併契約時であるとの記載がありますが、この見解は誤りということでしょうか?規則187条と同196条では読み方が違うのでしょうか。宜しくお願い致します。
Posted by NA at 2006年09月05日 12:17
A2
以前の回答にも述べたとおり、「総資産」(分割会社側)、「純資産」(承継会社側)という分母についてだけ、合併契約時で、分子は、効力発生日が基準になります。
ちなみに、規則を見ていただければわかるとおり、「合併契約時」といっても、合併契約の時の帳簿を見て総資産を決めるわけではなく、合併契約の直前の事業年度末の貸借対照表の総資産の額から合併契約時までに配当等がされた額を控除したものが「総資産」になりますから、合併契約時と効力発生日が同一事業年度内にある場合は、通常は、同じ結論になります。
Q3
このブログで会社法に関する質問を受け付けておられるなかで、以前、質問・回答の内容で特に問題点が見つかればそれを、次回の法令改正等に活かすつもりである、といった趣旨のご発言をされておられたと記憶しています。また、このブログに限らず法務省での通常業務での照会回答も含めて、現時点において、具体的にスケジュール化された改正予定はあるのでしょうか。
Posted by 組織再編で苦悶中 at 2006年09月05日 18:11
A3
いまのところ、法改正が必要だというものは、あまりありません。
Q4
簡易合併では、合併に伴って存続会社の定款を変更すること(例えば、発行可能株式総数を増加すること)はできないと考えてよいでしょうか。
商法においては、413条ノ3第3項で「合併契約書に409条1号に掲げる事項(=存続会社が合併により定款の変更をなすときはその規定)を記載することを得ず」とされていましたが、会社法においては、それに該当する条文がないようです。(相澤参事官が編者となっておられる「新・会社法 旧新対照条文 定義語一覧表付」をみました。)
会社法に明文の規定がなくても、合併契約について存続会社株主総会での承認を得ない手続である以上、当然なのでしょうか。
Posted by DE at 2006年09月05日 18:35
A4
存続会社の定款を変更する場合には、合併ではなく、定款変更手続きをしてください。
Q5
社外取締役の旨の登記について2点ほど悩んでおります。
なお、以下の事例はいずれも、特別取締役による議決の定めを設けておらず、又委員会設置会社でもありません。
1.会社法施行前に、社外取締役の責任限定規定を定款で設けている会社で、社外取締役が存在し、当該責任限定の規定と社外の旨の登記をしている会社において、当該社外取締役が責任限定契約を締結していなかった場合、当該社外取締役の任期満了時点において社外の旨の登記は抹消すべきでしょうか。
2.社外取締役の旨の登記のタイミングですが、責任限定契約を締結した時点で登記をすべきでしょうか。それとも、会社側で責任限定契約を締結する予定であると判断した時点で登記すべきなのでしょうか。
Posted by 博多っ子 at 2006年09月05日 18:52
A5
1 任期までは抹消する必要はありませんが、重任のときは外してください。
2 責任限定契約を締結しようとうするときには、登記すべきです。
Q6
株主総会で取締役会に新株予約権の募集事項を委任しました。
その委任に基づき取締役会が決定することができる募集新株予約権の数の上限は200個と定められていましたが、取締役会決議に基づき150個の新株予約権を発行し、登記もしました。
このたび、空いている枠50個を利用して、取締役会決議により再度新株予約権を発行したいのですが可能でしょうか?
238条1項本文で「募集をしようとするときは、その都度」募集事項を定めなければならない、とされているため不可能なような気もするのですが。
Posted by 総務部の星 at 2006年09月05日 21:00
A6
総会の委任で、2回以上を許す趣旨ならばできると思います。
238条1項の「その都度」は、239条とは関係ありません。
Q7
会社法587条1項は 持分会社が持分を譲り受けることが出来ないことを定めています。株式会社と比較してなぜこの様な違いがでるのでしょうか?
また 会社法587条2項は 結果的に持分を取得した場合 その持分が消滅する旨を定めています。この規定の理由(趣旨)も合わせてご教授ください。
Posted by maru at 2006年09月06日 00:11
A7
持分は、株式と異なり、独自的財貨性がありません。
自己が自己の社員となることができないというのは、社団法理では当然のことであり、株式会社の方が特別なのです。
Q8
葉玉先生、会社法440条第4項について教えてください。ジャスダックに公開している会社は「証券取引法第24条1項」に該当するのでしょうか。また、その会社が決算公告をするためのインターネットのウェブページのアドレスの登記をしている場合は、その廃止の登記を、会社法施行から6ヶ月以内に行う必要がございますでしょうか。
Posted by 会社法難民 at 2006年09月06日 03:02
A8
証券取引法なので、あまり答えたくないですが、ジャスダックに上場している会社は、該当すると思います。
Q9
共通支配下の取引の場合
<設例1>
現物出資財産:土地(簿価500 時価2,000)
会計処理 (借方)土地 500(貸方)資本金 500 ----計算書類規則37条1項1号ハ
この場合には、
追加質問1、
設例では、下の金額は次のようになるということでよろしいのでしょうか?会社法3号の2,000と5号の合計金額500(=500+0)には1,500の差が出ますが、これは株主総会で説明するということですね(会社法には特に規定されていないようですが)。
会社法445条2項の「給付をした財産の額」 500
会社法199条1項
2号の払込金額 2,000
3号の「現物出資財産の額」 2,000----株主間の合意金額
5号の増加する資本金 500
5号の増加する資本準備金 0
追加質問2、
会社計算規則37条1項1号ハの括弧書きにいう「当該財産の株式会社における帳簿価額として、給付をした者における給付の直前の帳簿価額を付すべき場合における当該財産に限る」について
直前の帳簿価額を付すべき場合を定める会計基準は、事業譲渡の場合はともかく、個別の財産についてはまだないと思うのですが、この「共通支配下の取引」の処理に係る会社計算規則37条1項1号ハは、現物出資の会計基準ができたときに、はじめて適用されるということでしょうか?現在の企業結合の会計基準ではカバーされていないと思うのですが・・・
Posted by SHU at 2006年09月04日 19:17
A9
追加質問1 株主総会の説明は、有利発行でなければ、いらないのでは?
追加質問2 個別財産については、共通支配下の取引になりませんから、財産の評価は時価になります。
先日
「取得請求権付株式が自己株式になっている場合に、株式会社自身が取得請求権を行使することができるか」
という質問をいただき、昨日のQ1では、最初「対価が株式の場合以外は、できる」と答えていました。
しかし、その後、会社法グループの「法の番人」と呼ばれるH検事が、ムチを片手に「葉玉さん・・ぼくは、できないと思うんですけど」とクレームをつけてきたので、その他の仲間を含めて議論しました。
当初、私ができると解釈したのは、
① 取得請求権付株式には、自己新株予約権の行使を禁じた280条6項のような規定がない。
② 114条2項1号は「取得請求権付株式(第百七条第二項第二号ヘの期間の初日が到来していないものを除く。)の株主(当該株式会社を除く。)が第百六十七条第二項の規定により取得することとなる同項第四号に規定する他の株式の数」と規定しているところ、株式会社が取得請求権を行使することができないのならば、株式会社が「取得することとなる」ことはないのだから、わざわざカッコ書で除外しなくてもよいはず。
③ 取得請求権付株式の取得の対価が、現金であれば、取得請求権を行使しても何の意味もないが、対価が社債や新株予約権ならば、会社にとって自己社債、自己新株予約権を発行する意味があるのではないか。
と考えたからです。
しかし、それを書いた当初から、③については
「でも、これを認めると、取得請求権の行使条件次第では、株式会社が無限に自己社債や自己新株予約権を行使することができてしまうなあ」
という不安があったのですが、法律で禁止されていないものを禁止するには、それなりの理屈がいるので、「できる」という結論を書いたわけです。
そうしたところ、H検事が、案の定、「自己社債や自己新株予約権を会社の手元で発行させるべきではない」という、まっとうな批判をされまして
「Iさん(この部分の立案を担当した某事務所の弁護士)は、なぜ会社による取得請求権の行使について禁止規定を置かなかったのだろう」
という話になりました。
それで、Iさんに電話したところ、あいにく外出中で聞けませんでしたし、あまりしつこく電話してタイムチャージをとられると困ると思い(笑)、残された者達(残り物ではありません)で知恵を絞ったところ、一応、次の結論に達しました。
① 「取得」という概念は、他人の保有するものを自己の保有にすることであるから、もともと自己の保有するものについては、「取得」を観念することができない。
② 自己新株予約権の行使について禁止規定が置かれているのは、新株予約権が行使されたからといって、会社が当該新株予約権を「取得」するわけではないので、①の理屈が使えず、行使禁止を明示する必要があるからである。
③ 114条2項は、たとえば、A種類株式が、取得請求権付株式や取得条項付株式の対価となったり、新株予約権の目的となったりしている場合に、そのような潜在的なA種類株式の数が、種類株式についての授権枠(A種類株式の発行可能種類株式総数から当該種類の発行済株式(自己株式を除く。)の総数を控除して得た数)を超えてはならないということを定めたものです。
つまり、114条2項1号のカッコ書は、潜在的なA種類株式数の計算においては、自己株式は除外して計算するということを意味しているだけで、株式会社が取得請求権を行使することを前提にしているわけではない。
そうでないと、取得条項付株式の取得については、自己株式が除外されている(170条2項)のに、114条2項2号にカッコ書が付されている意味が説明できない。
逆に、114条2項3号が、自己新株予約権を除外していない(つまり、自己新株予約権の目的であるA種類株式の数も計算にいれなければならない)のは、自己新株予約権の処分には、法定の手続きがいらないのだから、手続的制約なく他人のものになるような自己新株予約権の目的であるA種類株式の数は、授権枠の計算上は、他の者が保有している新株予約権と同じ取扱いをすべきであるという趣旨である。
この点は、解釈問題なので、いろいろな考え方があるかもしれませんが、自己株式について、取得請求権の行使を認めない方が弊害が生じないので、昨日とは意見を変えることにしました。
なお、先ほどIさんが電話をかけてきてくれたので、聞いたところ、「自己のものは取得できないのは当然だろうということで、行使禁止規定を書かなかった」ということでしたので、この論点については、以上の見解で固めようと思います。
(質問コーナー)
Q1
千問Q102についてお伺いいたします。
取得請求権付株式の行使により株式の数に端数が生じた場合に交付すべき金銭の額を当該取得請求権付株式の価額から算出するように読めるのですが、
167条3項を読むと取得請求権付株式の対価として交付される「他の株式」の価額から端数に応じた金銭を交付しなさい、と言っているように思えるのですが。どちらが正しいのでしょうか?
Posted by ホー at 2006年09月05日 09:24
A1
すいません。交付する株式が正解です。千問Q102の「当該取得請求権付株式」を「当該株式」に修正してください。
Q2
簡易再編手続の会社法施行規則187条では、あえて「算定基準日」が設定されていますが、簡易再編の判断基準日を効力発生日とした場合、「算定基準日」を設ける必要は事実上ないと考えられます(結局効力発生日に算定をしなおすことになるため。)。この算定基準日を設けられた趣旨はどのようなところにあるのしょうか。なお、江頭先生の株式会社法782頁では、簡易合併の算定は、原則として合併契約時であるとの記載がありますが、この見解は誤りということでしょうか?規則187条と同196条では読み方が違うのでしょうか。宜しくお願い致します。
Posted by NA at 2006年09月05日 12:17
A2
以前の回答にも述べたとおり、「総資産」(分割会社側)、「純資産」(承継会社側)という分母についてだけ、合併契約時で、分子は、効力発生日が基準になります。
ちなみに、規則を見ていただければわかるとおり、「合併契約時」といっても、合併契約の時の帳簿を見て総資産を決めるわけではなく、合併契約の直前の事業年度末の貸借対照表の総資産の額から合併契約時までに配当等がされた額を控除したものが「総資産」になりますから、合併契約時と効力発生日が同一事業年度内にある場合は、通常は、同じ結論になります。
Q3
このブログで会社法に関する質問を受け付けておられるなかで、以前、質問・回答の内容で特に問題点が見つかればそれを、次回の法令改正等に活かすつもりである、といった趣旨のご発言をされておられたと記憶しています。また、このブログに限らず法務省での通常業務での照会回答も含めて、現時点において、具体的にスケジュール化された改正予定はあるのでしょうか。
Posted by 組織再編で苦悶中 at 2006年09月05日 18:11
A3
いまのところ、法改正が必要だというものは、あまりありません。
Q4
簡易合併では、合併に伴って存続会社の定款を変更すること(例えば、発行可能株式総数を増加すること)はできないと考えてよいでしょうか。
商法においては、413条ノ3第3項で「合併契約書に409条1号に掲げる事項(=存続会社が合併により定款の変更をなすときはその規定)を記載することを得ず」とされていましたが、会社法においては、それに該当する条文がないようです。(相澤参事官が編者となっておられる「新・会社法 旧新対照条文 定義語一覧表付」をみました。)
会社法に明文の規定がなくても、合併契約について存続会社株主総会での承認を得ない手続である以上、当然なのでしょうか。
Posted by DE at 2006年09月05日 18:35
A4
存続会社の定款を変更する場合には、合併ではなく、定款変更手続きをしてください。
Q5
社外取締役の旨の登記について2点ほど悩んでおります。
なお、以下の事例はいずれも、特別取締役による議決の定めを設けておらず、又委員会設置会社でもありません。
1.会社法施行前に、社外取締役の責任限定規定を定款で設けている会社で、社外取締役が存在し、当該責任限定の規定と社外の旨の登記をしている会社において、当該社外取締役が責任限定契約を締結していなかった場合、当該社外取締役の任期満了時点において社外の旨の登記は抹消すべきでしょうか。
2.社外取締役の旨の登記のタイミングですが、責任限定契約を締結した時点で登記をすべきでしょうか。それとも、会社側で責任限定契約を締結する予定であると判断した時点で登記すべきなのでしょうか。
Posted by 博多っ子 at 2006年09月05日 18:52
A5
1 任期までは抹消する必要はありませんが、重任のときは外してください。
2 責任限定契約を締結しようとうするときには、登記すべきです。
Q6
株主総会で取締役会に新株予約権の募集事項を委任しました。
その委任に基づき取締役会が決定することができる募集新株予約権の数の上限は200個と定められていましたが、取締役会決議に基づき150個の新株予約権を発行し、登記もしました。
このたび、空いている枠50個を利用して、取締役会決議により再度新株予約権を発行したいのですが可能でしょうか?
238条1項本文で「募集をしようとするときは、その都度」募集事項を定めなければならない、とされているため不可能なような気もするのですが。
Posted by 総務部の星 at 2006年09月05日 21:00
A6
総会の委任で、2回以上を許す趣旨ならばできると思います。
238条1項の「その都度」は、239条とは関係ありません。
Q7
会社法587条1項は 持分会社が持分を譲り受けることが出来ないことを定めています。株式会社と比較してなぜこの様な違いがでるのでしょうか?
また 会社法587条2項は 結果的に持分を取得した場合 その持分が消滅する旨を定めています。この規定の理由(趣旨)も合わせてご教授ください。
Posted by maru at 2006年09月06日 00:11
A7
持分は、株式と異なり、独自的財貨性がありません。
自己が自己の社員となることができないというのは、社団法理では当然のことであり、株式会社の方が特別なのです。
Q8
葉玉先生、会社法440条第4項について教えてください。ジャスダックに公開している会社は「証券取引法第24条1項」に該当するのでしょうか。また、その会社が決算公告をするためのインターネットのウェブページのアドレスの登記をしている場合は、その廃止の登記を、会社法施行から6ヶ月以内に行う必要がございますでしょうか。
Posted by 会社法難民 at 2006年09月06日 03:02
A8
証券取引法なので、あまり答えたくないですが、ジャスダックに上場している会社は、該当すると思います。
Q9
共通支配下の取引の場合
<設例1>
現物出資財産:土地(簿価500 時価2,000)
会計処理 (借方)土地 500(貸方)資本金 500 ----計算書類規則37条1項1号ハ
この場合には、
追加質問1、
設例では、下の金額は次のようになるということでよろしいのでしょうか?会社法3号の2,000と5号の合計金額500(=500+0)には1,500の差が出ますが、これは株主総会で説明するということですね(会社法には特に規定されていないようですが)。
会社法445条2項の「給付をした財産の額」 500
会社法199条1項
2号の払込金額 2,000
3号の「現物出資財産の額」 2,000----株主間の合意金額
5号の増加する資本金 500
5号の増加する資本準備金 0
追加質問2、
会社計算規則37条1項1号ハの括弧書きにいう「当該財産の株式会社における帳簿価額として、給付をした者における給付の直前の帳簿価額を付すべき場合における当該財産に限る」について
直前の帳簿価額を付すべき場合を定める会計基準は、事業譲渡の場合はともかく、個別の財産についてはまだないと思うのですが、この「共通支配下の取引」の処理に係る会社計算規則37条1項1号ハは、現物出資の会計基準ができたときに、はじめて適用されるということでしょうか?現在の企業結合の会計基準ではカバーされていないと思うのですが・・・
Posted by SHU at 2006年09月04日 19:17
A9
追加質問1 株主総会の説明は、有利発行でなければ、いらないのでは?
追加質問2 個別財産については、共通支配下の取引になりませんから、財産の評価は時価になります。
先日
「取得請求権付株式が自己株式になっている場合に、株式会社自身が取得請求権を行使することができるか」
という質問をいただき、昨日のQ1では、最初「対価が株式の場合以外は、できる」と答えていました。
しかし、その後、会社法グループの「法の番人」と呼ばれるH検事が、ムチを片手に「葉玉さん・・ぼくは、できないと思うんですけど」とクレームをつけてきたので、その他の仲間を含めて議論しました。
当初、私ができると解釈したのは、
① 取得請求権付株式には、自己新株予約権の行使を禁じた280条6項のような規定がない。
② 114条2項1号は「取得請求権付株式(第百七条第二項第二号ヘの期間の初日が到来していないものを除く。)の株主(当該株式会社を除く。)が第百六十七条第二項の規定により取得することとなる同項第四号に規定する他の株式の数」と規定しているところ、株式会社が取得請求権を行使することができないのならば、株式会社が「取得することとなる」ことはないのだから、わざわざカッコ書で除外しなくてもよいはず。
③ 取得請求権付株式の取得の対価が、現金であれば、取得請求権を行使しても何の意味もないが、対価が社債や新株予約権ならば、会社にとって自己社債、自己新株予約権を発行する意味があるのではないか。
と考えたからです。
しかし、それを書いた当初から、③については
「でも、これを認めると、取得請求権の行使条件次第では、株式会社が無限に自己社債や自己新株予約権を行使することができてしまうなあ」
という不安があったのですが、法律で禁止されていないものを禁止するには、それなりの理屈がいるので、「できる」という結論を書いたわけです。
そうしたところ、H検事が、案の定、「自己社債や自己新株予約権を会社の手元で発行させるべきではない」という、まっとうな批判をされまして
「Iさん(この部分の立案を担当した某事務所の弁護士)は、なぜ会社による取得請求権の行使について禁止規定を置かなかったのだろう」
という話になりました。
それで、Iさんに電話したところ、あいにく外出中で聞けませんでしたし、あまりしつこく電話してタイムチャージをとられると困ると思い(笑)、残された者達(残り物ではありません)で知恵を絞ったところ、一応、次の結論に達しました。
① 「取得」という概念は、他人の保有するものを自己の保有にすることであるから、もともと自己の保有するものについては、「取得」を観念することができない。
② 自己新株予約権の行使について禁止規定が置かれているのは、新株予約権が行使されたからといって、会社が当該新株予約権を「取得」するわけではないので、①の理屈が使えず、行使禁止を明示する必要があるからである。
③ 114条2項は、たとえば、A種類株式が、取得請求権付株式や取得条項付株式の対価となったり、新株予約権の目的となったりしている場合に、そのような潜在的なA種類株式の数が、種類株式についての授権枠(A種類株式の発行可能種類株式総数から当該種類の発行済株式(自己株式を除く。)の総数を控除して得た数)を超えてはならないということを定めたものです。
つまり、114条2項1号のカッコ書は、潜在的なA種類株式数の計算においては、自己株式は除外して計算するということを意味しているだけで、株式会社が取得請求権を行使することを前提にしているわけではない。
そうでないと、取得条項付株式の取得については、自己株式が除外されている(170条2項)のに、114条2項2号にカッコ書が付されている意味が説明できない。
逆に、114条2項3号が、自己新株予約権を除外していない(つまり、自己新株予約権の目的であるA種類株式の数も計算にいれなければならない)のは、自己新株予約権の処分には、法定の手続きがいらないのだから、手続的制約なく他人のものになるような自己新株予約権の目的であるA種類株式の数は、授権枠の計算上は、他の者が保有している新株予約権と同じ取扱いをすべきであるという趣旨である。
この点は、解釈問題なので、いろいろな考え方があるかもしれませんが、自己株式について、取得請求権の行使を認めない方が弊害が生じないので、昨日とは意見を変えることにしました。
なお、先ほどIさんが電話をかけてきてくれたので、聞いたところ、「自己のものは取得できないのは当然だろうということで、行使禁止規定を書かなかった」ということでしたので、この論点については、以上の見解で固めようと思います。
(質問コーナー)
Q1
千問Q102についてお伺いいたします。
取得請求権付株式の行使により株式の数に端数が生じた場合に交付すべき金銭の額を当該取得請求権付株式の価額から算出するように読めるのですが、
167条3項を読むと取得請求権付株式の対価として交付される「他の株式」の価額から端数に応じた金銭を交付しなさい、と言っているように思えるのですが。どちらが正しいのでしょうか?
Posted by ホー at 2006年09月05日 09:24
A1
すいません。交付する株式が正解です。千問Q102の「当該取得請求権付株式」を「当該株式」に修正してください。
Q2
簡易再編手続の会社法施行規則187条では、あえて「算定基準日」が設定されていますが、簡易再編の判断基準日を効力発生日とした場合、「算定基準日」を設ける必要は事実上ないと考えられます(結局効力発生日に算定をしなおすことになるため。)。この算定基準日を設けられた趣旨はどのようなところにあるのしょうか。なお、江頭先生の株式会社法782頁では、簡易合併の算定は、原則として合併契約時であるとの記載がありますが、この見解は誤りということでしょうか?規則187条と同196条では読み方が違うのでしょうか。宜しくお願い致します。
Posted by NA at 2006年09月05日 12:17
A2
以前の回答にも述べたとおり、「総資産」(分割会社側)、「純資産」(承継会社側)という分母についてだけ、合併契約時で、分子は、効力発生日が基準になります。
ちなみに、規則を見ていただければわかるとおり、「合併契約時」といっても、合併契約の時の帳簿を見て総資産を決めるわけではなく、合併契約の直前の事業年度末の貸借対照表の総資産の額から合併契約時までに配当等がされた額を控除したものが「総資産」になりますから、合併契約時と効力発生日が同一事業年度内にある場合は、通常は、同じ結論になります。
Q3
このブログで会社法に関する質問を受け付けておられるなかで、以前、質問・回答の内容で特に問題点が見つかればそれを、次回の法令改正等に活かすつもりである、といった趣旨のご発言をされておられたと記憶しています。また、このブログに限らず法務省での通常業務での照会回答も含めて、現時点において、具体的にスケジュール化された改正予定はあるのでしょうか。
Posted by 組織再編で苦悶中 at 2006年09月05日 18:11
A3
いまのところ、法改正が必要だというものは、あまりありません。
Q4
簡易合併では、合併に伴って存続会社の定款を変更すること(例えば、発行可能株式総数を増加すること)はできないと考えてよいでしょうか。
商法においては、413条ノ3第3項で「合併契約書に409条1号に掲げる事項(=存続会社が合併により定款の変更をなすときはその規定)を記載することを得ず」とされていましたが、会社法においては、それに該当する条文がないようです。(相澤参事官が編者となっておられる「新・会社法 旧新対照条文 定義語一覧表付」をみました。)
会社法に明文の規定がなくても、合併契約について存続会社株主総会での承認を得ない手続である以上、当然なのでしょうか。
Posted by DE at 2006年09月05日 18:35
A4
存続会社の定款を変更する場合には、合併ではなく、定款変更手続きをしてください。
Q5
社外取締役の旨の登記について2点ほど悩んでおります。
なお、以下の事例はいずれも、特別取締役による議決の定めを設けておらず、又委員会設置会社でもありません。
1.会社法施行前に、社外取締役の責任限定規定を定款で設けている会社で、社外取締役が存在し、当該責任限定の規定と社外の旨の登記をしている会社において、当該社外取締役が責任限定契約を締結していなかった場合、当該社外取締役の任期満了時点において社外の旨の登記は抹消すべきでしょうか。
2.社外取締役の旨の登記のタイミングですが、責任限定契約を締結した時点で登記をすべきでしょうか。それとも、会社側で責任限定契約を締結する予定であると判断した時点で登記すべきなのでしょうか。
Posted by 博多っ子 at 2006年09月05日 18:52
A5
1 任期までは抹消する必要はありませんが、重任のときは外してください。
2 責任限定契約を締結しようとうするときには、登記すべきです。
Q6
株主総会で取締役会に新株予約権の募集事項を委任しました。
その委任に基づき取締役会が決定することができる募集新株予約権の数の上限は200個と定められていましたが、取締役会決議に基づき150個の新株予約権を発行し、登記もしました。
このたび、空いている枠50個を利用して、取締役会決議により再度新株予約権を発行したいのですが可能でしょうか?
238条1項本文で「募集をしようとするときは、その都度」募集事項を定めなければならない、とされているため不可能なような気もするのですが。
Posted by 総務部の星 at 2006年09月05日 21:00
A6
総会の委任で、2回以上を許す趣旨ならばできると思います。
238条1項の「その都度」は、239条とは関係ありません。
Q7
会社法587条1項は 持分会社が持分を譲り受けることが出来ないことを定めています。株式会社と比較してなぜこの様な違いがでるのでしょうか?
また 会社法587条2項は 結果的に持分を取得した場合 その持分が消滅する旨を定めています。この規定の理由(趣旨)も合わせてご教授ください。
Posted by maru at 2006年09月06日 00:11
A7
持分は、株式と異なり、独自的財貨性がありません。
自己が自己の社員となることができないというのは、社団法理では当然のことであり、株式会社の方が特別なのです。
Q8
葉玉先生、会社法440条第4項について教えてください。ジャスダックに公開している会社は「証券取引法第24条1項」に該当するのでしょうか。また、その会社が決算公告をするためのインターネットのウェブページのアドレスの登記をしている場合は、その廃止の登記を、会社法施行から6ヶ月以内に行う必要がございますでしょうか。
Posted by 会社法難民 at 2006年09月06日 03:02
A8
証券取引法なので、あまり答えたくないですが、ジャスダックに上場している会社は、該当すると思います。
Q9
共通支配下の取引の場合
<設例1>
現物出資財産:土地(簿価500 時価2,000)
会計処理 (借方)土地 500(貸方)資本金 500 ----計算書類規則37条1項1号ハ
この場合には、
追加質問1、
設例では、下の金額は次のようになるということでよろしいのでしょうか?会社法3号の2,000と5号の合計金額500(=500+0)には1,500の差が出ますが、これは株主総会で説明するということですね(会社法には特に規定されていないようですが)。
会社法445条2項の「給付をした財産の額」 500
会社法199条1項
2号の払込金額 2,000
3号の「現物出資財産の額」 2,000----株主間の合意金額
5号の増加する資本金 500
5号の増加する資本準備金 0
追加質問2、
会社計算規則37条1項1号ハの括弧書きにいう「当該財産の株式会社における帳簿価額として、給付をした者における給付の直前の帳簿価額を付すべき場合における当該財産に限る」について
直前の帳簿価額を付すべき場合を定める会計基準は、事業譲渡の場合はともかく、個別の財産についてはまだないと思うのですが、この「共通支配下の取引」の処理に係る会社計算規則37条1項1号ハは、現物出資の会計基準ができたときに、はじめて適用されるということでしょうか?現在の企業結合の会計基準ではカバーされていないと思うのですが・・・
Posted by SHU at 2006年09月04日 19:17
A9
追加質問1 株主総会の説明は、有利発行でなければ、いらないのでは?
追加質問2 個別財産については、共通支配下の取引になりませんから、財産の評価は時価になります。
「会社法であそぼ」が,YAHOO,ライブドアと渡り歩き,ココログに引っ越してまいりました。
本格的な記事の引っ越しをどうしようかと思案中ですが,とりあえず本日はご挨拶まで。
法務次長・課長さんから、長期保有株主優遇制度についての質問を受けました。
「先日、同和鉱業が長期保有株主を優遇する制度をリリースしましたが、これは株主平等原則に反しないでしょうか。保有期間に着目して別異な取り扱いをするのはどうかな、と思います。株主価値の視点、少数株主権の視点からご教示頂けますでしょうか。」
同和鉱業のスキームがどうかということを、つべこべ言うことはできませんので、その点のコメントは差し控えさせていただきますが、一般的な視点から、長期保有株主優遇制度について答えたいと思います。
会社の経営者にとっては、自分を支持してくれる長期保有株主はありがたい存在ですし、敵対的買収者がでてきても、簡単に株式を売ったりしないような株主がいると、涙が出るほど嬉しいことでしょう(笑)。
どういう動機に出るにせよ、「会社経営の安定」「安定株主の確保」という視点から、長期保有株主を優遇できないだろうかという話は、ずっと前から話題には上っています。
しかし、株主平等の原則というのは、株式の内容と数に応じて、株主を平等に取り扱うべき原則なので、長期保有という要素で差別的な取扱をすることは、株主平等の原則に違反します。
特に、会社法は、日割り配当を廃止したこと等からも明らかなように、「ある時点における株主の平等」を図ることが徹底されているのです。
こうした視点からすれば、例えば、ある時点において、
「これまで長期に保有してきた株主には、新株予約権を無償割当をするけれど、短期保有株主には、割り当てない」
という取扱いをすることはできません。それは、新株予約権の無償割当ではなく、単なる第三者割当に過ぎないからです。
もっとも、①ある時点の株主に株式数に応じて、新株予約権の無償割当てを行い、②その後、長期保有をした株主だけが新株予約権を行使することができるというスキームは、必ずしも株主平等の原則に反するものではありません。
なぜなら、その時点のすべての株主に長期保有をするかどうかの選択権が平等に与えられているからです。
ただ、このようなスキームは、かなりセンシティブであり、株主平等の原則に反することがないように細心の注意を払う必要があるでしょう。
たとえば、新株予約権の目的なる株式が1新株予約権につき0.1株だとすると、1〜9株しか持っていない株主は、新株予約権を行使しても、株式がもらえません。この場合に、端数が切り捨てられ、金銭も貰えないということになると、それらの株主には、形式的に新株予約権は割当られているものの、実質的には割り当てられていないのと同じです。
このような場合には、新株予約権の無償割当という手続きで付与するのは難しい。第三者に対する有利発行として、株主総会の特別決議が必要でしょう。
逆に端数が金銭処理されるのならば、その端数の価格が適正であるかぎり、株主平等の原則に反する可能性は低減するでしょう。
また、株主が、払込価額1円という新株予約権を無償割当で交付を受けると、その新株予約権を行使された時点で、一株あたりの純資産額が下がります。
無償割当がされた後に株式を取得した株主には、その新株予約権は交付されませんから、当該新株予約権の存在は、株式の価値を潜在的に希薄化することになり、株価が下落する要因になります。
その意味で、昨年、某事件で差し止めとなった方式と共通点があるので、同事件の決定をよく検討して、不公正発行と評価されないような行使条件を設定する必要があるでしょうし、上場企業であれば、東京証券取引所との事前相談が必要になるでしょう。
その他にもいくつか注意すべき点はありますが、あまり詳しく論じる余裕がないので、今日はこんなところにしておきます。個人的には、株主平等原則に則した長期保有株主優遇策はいいと思うのですが、様々な検討が必要であるというのも、また真実です。
(質問コーナー)
Q1
取得請求権付株式(対価を他の種類の株式とするもの)の発行後、これを発行会社が自ら取得して「自己株式」とした後で、発行会社がその取得請求権を行使して、対価としての他の種類の株式を取得することは可能でしょうか?(=自己株式の取得請求権を行使することは可能でしょうか?)
Posted by 葉玉先生ご教示ください at 2006年09月04日 09:40
A1
できません。
<当初は、できると答えていましたが、同僚と話し合った結果、見解を変えることにしました。>
Q2
「労務出資」について質問させてください。
労務出資は株式会社では禁止されていますが、持分会社の無限責任社員や民法上の組合については認められています(会576条1項6号・民667条2項)。
これは、労務出資が過大評価された場合に、無限責任の場合には社員の個人財産が会社債権者の引当財産となるので問題は少ないのに対し、有限責任の場合にはそれだけ引当財産が少なくなるので会社債権者保護が必要となるから、だと考えました。
しかし、立法担当官の解説によると(郡谷・岩崎「会社法における債権者保護」別冊商事法務295号274頁)、無限責任社員の有無は会社債権者保護とは論理的に無関係とのことです。そうなると、上記の労務出資の許否の違いをどう考えればよいのか分からなくなってしまいました。
Posted by ごん太郎 at 2006年09月04日 11:51
A2
合同会社は、直接有限責任ではなく、間接有限責任性を採る点において、合資会社と異なります。そのため、出資を金銭評価することができる財産に限定して、社員になるためには、出資の全部の履行をすることが必要であることにしています。
労務出資というのは、簡単にいえば「俺は、社員になった後に、会社のために働くから、それを出資として評価してくれ」というものです。
このように社員になった後に、社員が労務を給付する義務を負うような出資形態は、間接有限責任と整合的ではありません。
また、合同会社は、間接責任を実現するために、利益の配当、出資の払戻等について財源規制がされていますが、その基本となる資本金の額は、出資された財産の価額をベースに算定されるので、財産的評価が困難な労務出資は、制度的になじみません。
ということで、労務出資は、合同会社ではできないこととなっています。
Q3
会社法298条の株主総会の招集決定について質問します。
非取締役会設置会社で、取締役AとBの2名がいて、Aが株主総会の開催に反対していても、Bが株主総会を招集することは可能でしょうか。
同条4項では、取締役会設置会社については取締役会の決議となっているので、非取締役会設置会社では取締役の過半数かな、と思ったのですが、298条1項は、「取締役は」となっているので、各取締役が単独で株主総会を招集できるのでしょうか?
Posted by ホー at 2006年08月29日 22:42
A3
株主総会の招集決定は、役会で行い、その招集決定に基づいて招集するのが取締役です。
したがって、招集決定がないのに、取締役が招集することはできません。
Q4
相続人等に対する株式の売り渡し請求(174条以下)を拒否権付種類株式(108条8項)で拒否することができないでしょうか?
174条規制を定款で定める甲株式会社の大株主Aが死亡し、相続人A'がその株式を相続する場合、会社に174条によって売り渡し請求を行われ、支配権を維持できない恐れがあります。
よって、この大株主Aに相続時売り渡し請求に関する議案の拒否権を持つ拒否権付株式を発行し、相続人A'が相続時にこの拒否権を発動し、株式を相続するというものです。
以上のようなスキームを考えていますが、問題はないでしょうか?
Posted by 会社法より商法がなじむ at 2006年09月04日 16:54
A4
問題はないでしょうかという質問は、悪魔の立証なので、答えようがありませんが、174条の議案についての拒否権は、特に禁止されていないので可能だと思います。株主総会の決議において、取得の対象となる株主の議決権がないこととの関係が気になりますが。
Q5
昨日のQ3の事例で、例えば「当社の取締役又は従業員であること」といった行使条件は、①総会決議を経ていないが、②取締役会決議に基づき、③契約書に記載してある、という場合。もし、予約権者が退任又は退職したときに、
(1)その予約権者が契約当事者であれば、会社はその行使を拒否することはできる(エストッペル)と思われます。
(2)では、この場合にも予約権は、
①会社法287条により、消滅したものということは可能でしょうか。予約権の内容となっていない以上、第三者に譲渡すれば行使できることになるので、消滅には当たらないのでしょうか。②このような場合でも、退職・退任時に個別の放棄があれば、消滅すると考えて宜しいでしょうか。
Posted by moremi at 2006年09月04日 19:45
A5
(1)の命題が正しいかどうかは、難しいところです。損害賠償ができるだけという見方も有力です。
Q6
Q3(1)についてですが、よく株主総会議事録で「その他、新株予約権の募集事項及び細目は、新株予約権発行の取締役会の決議により決定する。」というような記載が見受けられます。このような規定を募集事項に盛り込んだとしても、一部の行使条件を取締役会で決定することはできないのでしょうか?
千問Q434では、「報酬枠の決議は、付与を予定する新株予約権の条件のすべてを決議する必要はない。」とありますが、報酬枠との関係では、Q3はどのように理解すればよろしいのでしょうか?
Posted by 教えてください at 2006年09月04日 21:52
A6
取締役会設置会社を前提に考えれば、239条が適用されるのは、新株予約権の有利発行をする場合です。
その手続きをとる場合には、新株予約権の内容を株主総会で定めなければならないので、行使条件を取締役会の決定に委任することはできないと思います。今年の総会でストックオプションの決議を「念のため、有利発行決議にしておこう」とした会社もあるやに聞いておりますが、その場合には、本来、取締役会に委任できる事項は限定されてしまいます。
しかし、私達が、会社法100問のときから解釈を示しているとおり、通常、ストックオプションは、有利発行にはなりません。したがって、株主総会の特別決議は不要であり、取締役会が新株予約権の内容を決定することが出来ます。「念のため特別決議」をした会社も、実際には有利発行ではないけれども、余計なことをしたという前提に立てば、
報酬枠との関係というのは、361条1項3号の「具体的内容」の解釈であり、たとえば、小麦100kgといえばいいのか、もっと小麦の種類や品質を特定しなければいけないのか、というのと同じ問題です。1項1号は、報酬枠で足りるという解釈を採るのが通説なので、そちらで「枠」という抽象的なことしか決めなくてもよいとうことであれば、3号の「具体的内容」も、それなりに特定すれば足りると解さざるを得ないので、ストックオプションという現物を報酬とする際に、新株予約権の内容をすべて決定する必要はないということを千問では論じているのです。
Q7
会社計算規則129条1項8号の「関連当事者との取引に関する注記」には,会社法施行規則128条1項2号において事業報告の附属明細書に記載が義務付けられる「第三者との取引であって,当該株式会社と役員との利益が相反するもの」についても重複して記載する必要があるでしょうか。
商事法務の記事などでは,役員の利益相反取引は附属明細書に書けば,注記表の関連当事者との取引には書かなくてもよいかのように読めるものもありました。
ご指導いただけると幸いです。
Posted by おりい at 2006年09月03日 17:41
A7
関連当事者との取引に関する注記は、利益相反取引のうち、通常、直接取引のみが該当します。
それに対し、事業報告の附属明細書は、間接取引を対象にしています。
ですから、基本的には重なり合わないものと思います。
法務次長・課長さんから、長期保有株主優遇制度についての質問を受けました。
「先日、同和鉱業が長期保有株主を優遇する制度をリリースしましたが、これは株主平等原則に反しないでしょうか。保有期間に着目して別異な取り扱いをするのはどうかな、と思います。株主価値の視点、少数株主権の視点からご教示頂けますでしょうか。」
同和鉱業のスキームがどうかということを、つべこべ言うことはできませんので、その点のコメントは差し控えさせていただきますが、一般的な視点から、長期保有株主優遇制度について答えたいと思います。
会社の経営者にとっては、自分を支持してくれる長期保有株主はありがたい存在ですし、敵対的買収者がでてきても、簡単に株式を売ったりしないような株主がいると、涙が出るほど嬉しいことでしょう(笑)。
どういう動機に出るにせよ、「会社経営の安定」「安定株主の確保」という視点から、長期保有株主を優遇できないだろうかという話は、ずっと前から話題には上っています。
しかし、株主平等の原則というのは、株式の内容と数に応じて、株主を平等に取り扱うべき原則なので、長期保有という要素で差別的な取扱をすることは、株主平等の原則に違反します。
特に、会社法は、日割り配当を廃止したこと等からも明らかなように、「ある時点における株主の平等」を図ることが徹底されているのです。
こうした視点からすれば、例えば、ある時点において、
「これまで長期に保有してきた株主には、新株予約権を無償割当をするけれど、短期保有株主には、割り当てない」
という取扱いをすることはできません。それは、新株予約権の無償割当ではなく、単なる第三者割当に過ぎないからです。
もっとも、①ある時点の株主に株式数に応じて、新株予約権の無償割当てを行い、②その後、長期保有をした株主だけが新株予約権を行使することができるというスキームは、必ずしも株主平等の原則に反するものではありません。
なぜなら、その時点のすべての株主に長期保有をするかどうかの選択権が平等に与えられているからです。
ただ、このようなスキームは、かなりセンシティブであり、株主平等の原則に反することがないように細心の注意を払う必要があるでしょう。
たとえば、新株予約権の目的なる株式が1新株予約権につき0.1株だとすると、1〜9株しか持っていない株主は、新株予約権を行使しても、株式がもらえません。この場合に、端数が切り捨てられ、金銭も貰えないということになると、それらの株主には、形式的に新株予約権は割当られているものの、実質的には割り当てられていないのと同じです。
このような場合には、新株予約権の無償割当という手続きで付与するのは難しい。第三者に対する有利発行として、株主総会の特別決議が必要でしょう。
逆に端数が金銭処理されるのならば、その端数の価格が適正であるかぎり、株主平等の原則に反する可能性は低減するでしょう。
また、株主が、払込価額1円という新株予約権を無償割当で交付を受けると、その新株予約権を行使された時点で、一株あたりの純資産額が下がります。
無償割当がされた後に株式を取得した株主には、その新株予約権は交付されませんから、当該新株予約権の存在は、株式の価値を潜在的に希薄化することになり、株価が下落する要因になります。
その意味で、昨年、某事件で差し止めとなった方式と共通点があるので、同事件の決定をよく検討して、不公正発行と評価されないような行使条件を設定する必要があるでしょうし、上場企業であれば、東京証券取引所との事前相談が必要になるでしょう。
その他にもいくつか注意すべき点はありますが、あまり詳しく論じる余裕がないので、今日はこんなところにしておきます。個人的には、株主平等原則に則した長期保有株主優遇策はいいと思うのですが、様々な検討が必要であるというのも、また真実です。
(質問コーナー)
Q1
取得請求権付株式(対価を他の種類の株式とするもの)の発行後、これを発行会社が自ら取得して「自己株式」とした後で、発行会社がその取得請求権を行使して、対価としての他の種類の株式を取得することは可能でしょうか?(=自己株式の取得請求権を行使することは可能でしょうか?)
Posted by 葉玉先生ご教示ください at 2006年09月04日 09:40
A1
できません。
<当初は、できると答えていましたが、同僚と話し合った結果、見解を変えることにしました。>
Q2
「労務出資」について質問させてください。
労務出資は株式会社では禁止されていますが、持分会社の無限責任社員や民法上の組合については認められています(会576条1項6号・民667条2項)。
これは、労務出資が過大評価された場合に、無限責任の場合には社員の個人財産が会社債権者の引当財産となるので問題は少ないのに対し、有限責任の場合にはそれだけ引当財産が少なくなるので会社債権者保護が必要となるから、だと考えました。
しかし、立法担当官の解説によると(郡谷・岩崎「会社法における債権者保護」別冊商事法務295号274頁)、無限責任社員の有無は会社債権者保護とは論理的に無関係とのことです。そうなると、上記の労務出資の許否の違いをどう考えればよいのか分からなくなってしまいました。
Posted by ごん太郎 at 2006年09月04日 11:51
A2
合同会社は、直接有限責任ではなく、間接有限責任性を採る点において、合資会社と異なります。そのため、出資を金銭評価することができる財産に限定して、社員になるためには、出資の全部の履行をすることが必要であることにしています。
労務出資というのは、簡単にいえば「俺は、社員になった後に、会社のために働くから、それを出資として評価してくれ」というものです。
このように社員になった後に、社員が労務を給付する義務を負うような出資形態は、間接有限責任と整合的ではありません。
また、合同会社は、間接責任を実現するために、利益の配当、出資の払戻等について財源規制がされていますが、その基本となる資本金の額は、出資された財産の価額をベースに算定されるので、財産的評価が困難な労務出資は、制度的になじみません。
ということで、労務出資は、合同会社ではできないこととなっています。
Q3
会社法298条の株主総会の招集決定について質問します。
非取締役会設置会社で、取締役AとBの2名がいて、Aが株主総会の開催に反対していても、Bが株主総会を招集することは可能でしょうか。
同条4項では、取締役会設置会社については取締役会の決議となっているので、非取締役会設置会社では取締役の過半数かな、と思ったのですが、298条1項は、「取締役は」となっているので、各取締役が単独で株主総会を招集できるのでしょうか?
Posted by ホー at 2006年08月29日 22:42
A3
株主総会の招集決定は、役会で行い、その招集決定に基づいて招集するのが取締役です。
したがって、招集決定がないのに、取締役が招集することはできません。
Q4
相続人等に対する株式の売り渡し請求(174条以下)を拒否権付種類株式(108条8項)で拒否することができないでしょうか?
174条規制を定款で定める甲株式会社の大株主Aが死亡し、相続人A'がその株式を相続する場合、会社に174条によって売り渡し請求を行われ、支配権を維持できない恐れがあります。
よって、この大株主Aに相続時売り渡し請求に関する議案の拒否権を持つ拒否権付株式を発行し、相続人A'が相続時にこの拒否権を発動し、株式を相続するというものです。
以上のようなスキームを考えていますが、問題はないでしょうか?
Posted by 会社法より商法がなじむ at 2006年09月04日 16:54
A4
問題はないでしょうかという質問は、悪魔の立証なので、答えようがありませんが、174条の議案についての拒否権は、特に禁止されていないので可能だと思います。株主総会の決議において、取得の対象となる株主の議決権がないこととの関係が気になりますが。
Q5
昨日のQ3の事例で、例えば「当社の取締役又は従業員であること」といった行使条件は、①総会決議を経ていないが、②取締役会決議に基づき、③契約書に記載してある、という場合。もし、予約権者が退任又は退職したときに、
(1)その予約権者が契約当事者であれば、会社はその行使を拒否することはできる(エストッペル)と思われます。
(2)では、この場合にも予約権は、
①会社法287条により、消滅したものということは可能でしょうか。予約権の内容となっていない以上、第三者に譲渡すれば行使できることになるので、消滅には当たらないのでしょうか。②このような場合でも、退職・退任時に個別の放棄があれば、消滅すると考えて宜しいでしょうか。
Posted by moremi at 2006年09月04日 19:45
A5
(1)の命題が正しいかどうかは、難しいところです。損害賠償ができるだけという見方も有力です。
Q6
Q3(1)についてですが、よく株主総会議事録で「その他、新株予約権の募集事項及び細目は、新株予約権発行の取締役会の決議により決定する。」というような記載が見受けられます。このような規定を募集事項に盛り込んだとしても、一部の行使条件を取締役会で決定することはできないのでしょうか?
千問Q434では、「報酬枠の決議は、付与を予定する新株予約権の条件のすべてを決議する必要はない。」とありますが、報酬枠との関係では、Q3はどのように理解すればよろしいのでしょうか?
Posted by 教えてください at 2006年09月04日 21:52
A6
取締役会設置会社を前提に考えれば、239条が適用されるのは、新株予約権の有利発行をする場合です。
その手続きをとる場合には、新株予約権の内容を株主総会で定めなければならないので、行使条件を取締役会の決定に委任することはできないと思います。今年の総会でストックオプションの決議を「念のため、有利発行決議にしておこう」とした会社もあるやに聞いておりますが、その場合には、本来、取締役会に委任できる事項は限定されてしまいます。
しかし、私達が、会社法100問のときから解釈を示しているとおり、通常、ストックオプションは、有利発行にはなりません。したがって、株主総会の特別決議は不要であり、取締役会が新株予約権の内容を決定することが出来ます。「念のため特別決議」をした会社も、実際には有利発行ではないけれども、余計なことをしたという前提に立てば、
報酬枠との関係というのは、361条1項3号の「具体的内容」の解釈であり、たとえば、小麦100kgといえばいいのか、もっと小麦の種類や品質を特定しなければいけないのか、というのと同じ問題です。1項1号は、報酬枠で足りるという解釈を採るのが通説なので、そちらで「枠」という抽象的なことしか決めなくてもよいとうことであれば、3号の「具体的内容」も、それなりに特定すれば足りると解さざるを得ないので、ストックオプションという現物を報酬とする際に、新株予約権の内容をすべて決定する必要はないということを千問では論じているのです。
Q7
会社計算規則129条1項8号の「関連当事者との取引に関する注記」には,会社法施行規則128条1項2号において事業報告の附属明細書に記載が義務付けられる「第三者との取引であって,当該株式会社と役員との利益が相反するもの」についても重複して記載する必要があるでしょうか。
商事法務の記事などでは,役員の利益相反取引は附属明細書に書けば,注記表の関連当事者との取引には書かなくてもよいかのように読めるものもありました。
ご指導いただけると幸いです。
Posted by おりい at 2006年09月03日 17:41
A7
関連当事者との取引に関する注記は、利益相反取引のうち、通常、直接取引のみが該当します。
それに対し、事業報告の附属明細書は、間接取引を対象にしています。
ですから、基本的には重なり合わないものと思います。
法務次長・課長さんから、長期保有株主優遇制度についての質問を受けました。
「先日、同和鉱業が長期保有株主を優遇する制度をリリースしましたが、これは株主平等原則に反しないでしょうか。保有期間に着目して別異な取り扱いをするのはどうかな、と思います。株主価値の視点、少数株主権の視点からご教示頂けますでしょうか。」
同和鉱業のスキームがどうかということを、つべこべ言うことはできませんので、その点のコメントは差し控えさせていただきますが、一般的な視点から、長期保有株主優遇制度について答えたいと思います。
会社の経営者にとっては、自分を支持してくれる長期保有株主はありがたい存在ですし、敵対的買収者がでてきても、簡単に株式を売ったりしないような株主がいると、涙が出るほど嬉しいことでしょう(笑)。
どういう動機に出るにせよ、「会社経営の安定」「安定株主の確保」という視点から、長期保有株主を優遇できないだろうかという話は、ずっと前から話題には上っています。
しかし、株主平等の原則というのは、株式の内容と数に応じて、株主を平等に取り扱うべき原則なので、長期保有という要素で差別的な取扱をすることは、株主平等の原則に違反します。
特に、会社法は、日割り配当を廃止したこと等からも明らかなように、「ある時点における株主の平等」を図ることが徹底されているのです。
こうした視点からすれば、例えば、ある時点において、
「これまで長期に保有してきた株主には、新株予約権を無償割当をするけれど、短期保有株主には、割り当てない」
という取扱いをすることはできません。それは、新株予約権の無償割当ではなく、単なる第三者割当に過ぎないからです。
もっとも、①ある時点の株主に株式数に応じて、新株予約権の無償割当てを行い、②その後、長期保有をした株主だけが新株予約権を行使することができるというスキームは、必ずしも株主平等の原則に反するものではありません。
なぜなら、その時点のすべての株主に長期保有をするかどうかの選択権が平等に与えられているからです。
ただ、このようなスキームは、かなりセンシティブであり、株主平等の原則に反することがないように細心の注意を払う必要があるでしょう。
たとえば、新株予約権の目的なる株式が1新株予約権につき0.1株だとすると、1〜9株しか持っていない株主は、新株予約権を行使しても、株式がもらえません。この場合に、端数が切り捨てられ、金銭も貰えないということになると、それらの株主には、形式的に新株予約権は割当られているものの、実質的には割り当てられていないのと同じです。
このような場合には、新株予約権の無償割当という手続きで付与するのは難しい。第三者に対する有利発行として、株主総会の特別決議が必要でしょう。
逆に端数が金銭処理されるのならば、その端数の価格が適正であるかぎり、株主平等の原則に反する可能性は低減するでしょう。
また、株主が、払込価額1円という新株予約権を無償割当で交付を受けると、その新株予約権を行使された時点で、一株あたりの純資産額が下がります。
無償割当がされた後に株式を取得した株主には、その新株予約権は交付されませんから、当該新株予約権の存在は、株式の価値を潜在的に希薄化することになり、株価が下落する要因になります。
その意味で、昨年、某事件で差し止めとなった方式と共通点があるので、同事件の決定をよく検討して、不公正発行と評価されないような行使条件を設定する必要があるでしょうし、上場企業であれば、東京証券取引所との事前相談が必要になるでしょう。
その他にもいくつか注意すべき点はありますが、あまり詳しく論じる余裕がないので、今日はこんなところにしておきます。個人的には、株主平等原則に則した長期保有株主優遇策はいいと思うのですが、様々な検討が必要であるというのも、また真実です。
(質問コーナー)
Q1
取得請求権付株式(対価を他の種類の株式とするもの)の発行後、これを発行会社が自ら取得して「自己株式」とした後で、発行会社がその取得請求権を行使して、対価としての他の種類の株式を取得することは可能でしょうか?(=自己株式の取得請求権を行使することは可能でしょうか?)
Posted by 葉玉先生ご教示ください at 2006年09月04日 09:40
A1
できません。
<当初は、できると答えていましたが、同僚と話し合った結果、見解を変えることにしました。>
Q2
「労務出資」について質問させてください。
労務出資は株式会社では禁止されていますが、持分会社の無限責任社員や民法上の組合については認められています(会576条1項6号・民667条2項)。
これは、労務出資が過大評価された場合に、無限責任の場合には社員の個人財産が会社債権者の引当財産となるので問題は少ないのに対し、有限責任の場合にはそれだけ引当財産が少なくなるので会社債権者保護が必要となるから、だと考えました。
しかし、立法担当官の解説によると(郡谷・岩崎「会社法における債権者保護」別冊商事法務295号274頁)、無限責任社員の有無は会社債権者保護とは論理的に無関係とのことです。そうなると、上記の労務出資の許否の違いをどう考えればよいのか分からなくなってしまいました。
Posted by ごん太郎 at 2006年09月04日 11:51
A2
合同会社は、直接有限責任ではなく、間接有限責任性を採る点において、合資会社と異なります。そのため、出資を金銭評価することができる財産に限定して、社員になるためには、出資の全部の履行をすることが必要であることにしています。
労務出資というのは、簡単にいえば「俺は、社員になった後に、会社のために働くから、それを出資として評価してくれ」というものです。
このように社員になった後に、社員が労務を給付する義務を負うような出資形態は、間接有限責任と整合的ではありません。
また、合同会社は、間接責任を実現するために、利益の配当、出資の払戻等について財源規制がされていますが、その基本となる資本金の額は、出資された財産の価額をベースに算定されるので、財産的評価が困難な労務出資は、制度的になじみません。
ということで、労務出資は、合同会社ではできないこととなっています。
Q3
会社法298条の株主総会の招集決定について質問します。
非取締役会設置会社で、取締役AとBの2名がいて、Aが株主総会の開催に反対していても、Bが株主総会を招集することは可能でしょうか。
同条4項では、取締役会設置会社については取締役会の決議となっているので、非取締役会設置会社では取締役の過半数かな、と思ったのですが、298条1項は、「取締役は」となっているので、各取締役が単独で株主総会を招集できるのでしょうか?
Posted by ホー at 2006年08月29日 22:42
A3
株主総会の招集決定は、役会で行い、その招集決定に基づいて招集するのが取締役です。
したがって、招集決定がないのに、取締役が招集することはできません。
Q4
相続人等に対する株式の売り渡し請求(174条以下)を拒否権付種類株式(108条8項)で拒否することができないでしょうか?
174条規制を定款で定める甲株式会社の大株主Aが死亡し、相続人A'がその株式を相続する場合、会社に174条によって売り渡し請求を行われ、支配権を維持できない恐れがあります。
よって、この大株主Aに相続時売り渡し請求に関する議案の拒否権を持つ拒否権付株式を発行し、相続人A'が相続時にこの拒否権を発動し、株式を相続するというものです。
以上のようなスキームを考えていますが、問題はないでしょうか?
Posted by 会社法より商法がなじむ at 2006年09月04日 16:54
A4
問題はないでしょうかという質問は、悪魔の立証なので、答えようがありませんが、174条の議案についての拒否権は、特に禁止されていないので可能だと思います。株主総会の決議において、取得の対象となる株主の議決権がないこととの関係が気になりますが。
Q5
昨日のQ3の事例で、例えば「当社の取締役又は従業員であること」といった行使条件は、①総会決議を経ていないが、②取締役会決議に基づき、③契約書に記載してある、という場合。もし、予約権者が退任又は退職したときに、
(1)その予約権者が契約当事者であれば、会社はその行使を拒否することはできる(エストッペル)と思われます。
(2)では、この場合にも予約権は、
①会社法287条により、消滅したものということは可能でしょうか。予約権の内容となっていない以上、第三者に譲渡すれば行使できることになるので、消滅には当たらないのでしょうか。②このような場合でも、退職・退任時に個別の放棄があれば、消滅すると考えて宜しいでしょうか。
Posted by moremi at 2006年09月04日 19:45
A5
(1)の命題が正しいかどうかは、難しいところです。損害賠償ができるだけという見方も有力です。
Q6
Q3(1)についてですが、よく株主総会議事録で「その他、新株予約権の募集事項及び細目は、新株予約権発行の取締役会の決議により決定する。」というような記載が見受けられます。このような規定を募集事項に盛り込んだとしても、一部の行使条件を取締役会で決定することはできないのでしょうか?
千問Q434では、「報酬枠の決議は、付与を予定する新株予約権の条件のすべてを決議する必要はない。」とありますが、報酬枠との関係では、Q3はどのように理解すればよろしいのでしょうか?
Posted by 教えてください at 2006年09月04日 21:52
A6
取締役会設置会社を前提に考えれば、239条が適用されるのは、新株予約権の有利発行をする場合です。
その手続きをとる場合には、新株予約権の内容を株主総会で定めなければならないので、行使条件を取締役会の決定に委任することはできないと思います。今年の総会でストックオプションの決議を「念のため、有利発行決議にしておこう」とした会社もあるやに聞いておりますが、その場合には、本来、取締役会に委任できる事項は限定されてしまいます。
しかし、私達が、会社法100問のときから解釈を示しているとおり、通常、ストックオプションは、有利発行にはなりません。したがって、株主総会の特別決議は不要であり、取締役会が新株予約権の内容を決定することが出来ます。「念のため特別決議」をした会社も、実際には有利発行ではないけれども、余計なことをしたという前提に立てば、
報酬枠との関係というのは、361条1項3号の「具体的内容」の解釈であり、たとえば、小麦100kgといえばいいのか、もっと小麦の種類や品質を特定しなければいけないのか、というのと同じ問題です。1項1号は、報酬枠で足りるという解釈を採るのが通説なので、そちらで「枠」という抽象的なことしか決めなくてもよいとうことであれば、3号の「具体的内容」も、それなりに特定すれば足りると解さざるを得ないので、ストックオプションという現物を報酬とする際に、新株予約権の内容をすべて決定する必要はないということを千問では論じているのです。
Q7
会社計算規則129条1項8号の「関連当事者との取引に関する注記」には,会社法施行規則128条1項2号において事業報告の附属明細書に記載が義務付けられる「第三者との取引であって,当該株式会社と役員との利益が相反するもの」についても重複して記載する必要があるでしょうか。
商事法務の記事などでは,役員の利益相反取引は附属明細書に書けば,注記表の関連当事者との取引には書かなくてもよいかのように読めるものもありました。
ご指導いただけると幸いです。
Posted by おりい at 2006年09月03日 17:41
A7
関連当事者との取引に関する注記は、利益相反取引のうち、通常、直接取引のみが該当します。
それに対し、事業報告の附属明細書は、間接取引を対象にしています。
ですから、基本的には重なり合わないものと思います。
ようやく夏休みの宿題の目処が立ちましたので,ブログの記事を更新できます。
ただ,明日の朝,早起きしなければいけないので,今日は,簡潔な記事になるようにしなければなりません。
さて,CORPLAW さんから,資本金の減少について,質問をいただきました。
「非常に基本的な質問で恐縮なのですが,資本の減少を会社法の下でも株主総会の特別決議を要求しているのはどういった理由からなのでしょうか?
資本が計算上の数額であるに過ぎないのであれば、特別決議まで要求するほど株主に影響があるものなのでしょうか?」
資本金の減少というと,通常,債権者保護手続の方に目がむいてしまい,株主総会の決議要件の方は,あまりスポットライトが当たりませんね。
確かに,資本準備金やその他資本剰余金の資本金への組入ならば,株主にとって不利なので,特別決議が必要なのでしょうが,資本金の減少は,株主に有利なのだから,普通決議でもいいじゃないか,という立論は可能でしょう。
でも,株主にとって法的に有利であるからといって,会社の活動にとってプラスになるかどうかは別問題。
世間一般の人は,資本金の分だけ会社の純資産が残っているから,資本金があるうちは,会社は倒産しないと誤解している人も多いですから,法律論だけ振り回すわけにはいきません。
これまで,過去の日本の法制や欧州の資本金制度の説明に引きずられて,「資本は,会社財産を確保するための基準である」などと,やや誇大広告気味の説明がされていたため,世間一般の人のそうした誤解はなかなか解けません。
改正の方向性として,そうした世間の信頼を確保するため,「純資産が資本金の2分の1以下になったら,解散しなければならない」という規定でも設けて,先祖帰りすればよいという考え方もありうるのですが,残念ながら,日本は,大昔に,あまり合理的な理由のないまま解散事由じゃなくしてしまっていますし,そのような改正は,現実的には極めて困難です。
それで,昨年あたりから,私達の間では,資本金に対する正確な説明をするべきだという考えから,資本金について身も蓋もない説明をしているのですが,その程度では,世間の人の資本金に対する誤解がなくなるはずはありません。
実際,旧商法と会社法との間で,資本充実のあり方や分配可能額の計算方法が革命的に変化したわけではないにもかかわらず(ノーマルな事例では,ほとんどの場合,旧商法と会社法では,同じ額が算出されるはずです),それが一部の人には,革命的なものと映るのは,私達が
①資本金は,配当以外の場面においては,会社財産の確保のための基準にはならない
②配当の場面においても,資本金や準備金だけが,その基準となるわけではない。
という旧商法時代から続く当たり前のことを,端的に説明しているからだと思うのです。
それほどに「資本金は,会社財産を確保するための基準」という幻想は,根深いものがあります。
もちろん,旧商法や会社法でも,少なくとも,「資本金に相当する財産が,(いつかはともかく,また,今残っているかどうかはともかく,)一度は会社に出資されている」という程度の信頼はありますから,法的な説明としては,「資本金を減少すると,会社に対する信頼が減少するおそれがある」というのは,嘘ではありません。
いずれにせよ,資本金が減少すると,会社に対する信頼が事実上減少する可能性があるので,株主にとって有利とばかりはいえないのでしょう。
また,資本金は,入札や許認可の要件とされている場合があるので,資本金の減少により,会社の事業活動に法的な影響を与える場合もあります。
そういうことからすると,資本金の減少は,株主に法的に有利であったとしても,単純多数を採ったらすぐに変えられるようなものではなく,会社の基本的な事項として,特別決議で慎重に決めましょうというのが,今の法制なのです。
普通決議か特別決議かというのは,理論的に割り切れるようなものではなく,政策判断なので,今後資本金についての考え方が変化していけば,普通決議にするという改正があってもおかしくはないと思います。
(質問コーナー)
Q1
簿価債務超過の会社を消滅会社とする吸収合併を行う場合、簡易合併の要件を満たしていたとしても、存続会社において総会承認決議が必要となります(796条3項但書、795条2項1号)。もっとも、存続会社が消滅会社に対し貸付けを行っているようなケースでは、これを存続会社が任意に債権放棄することにより、簿価債務超過状態を解消したうえ、簡易合併を行うことは認められるでしょうか(条文上は795条2項1号に該当しないこととなりそうなのですが。)。また、同様に、消滅会社において、存続会社を引受先とする増資を行うことでも簡易合併によることができますでしょうか。
Posted by 串間海 at 2006年09月01日 01:50
A1
どのような方法であれ,合併前に簿価債務超過を解消すれば,簡易合併をすることはできます。
Q2
現物出資の計算に関連して、お教えください。
早速「会社法の計算詳解」を買って読んでみました。
共通支配下の取引の場合
<設例1>
現物出資財産:土地(簿価500 時価2,000)
会計処理 (借方)土地 500(貸方)資本金 500 ----計算書類規則37条1項1号ハ
この場合には、
質問1.会社法445条2項(「給付をした財産の額」の1/2以上は資本金とする)の「給付をした財産の額」は2,000にはなりませんか?
質問2.もしそうであれば、資本金が500(<1,000=2,000x1/2)しか増えない上記の例は445条2項違反となりませんか?
質問3.あるいは「給付をした財産の額」は簿価の500と考えるのでしょうか?
質問4.「給付をした財産の額」と199条1項3号の「現物出資財産の額」とは同じ額になるのでしょうか?この例では199条1項3号の「現物出資財産の額」は2,000と考えてよいのでしょうか?
<設例2>
現物出資財産:土地(簿価500 時価20)
会計処理 (借方)土地 500(貸方)資本金 500 ----計算書類規則37条1項1号ハ
質問5.含み損のある資産の場合はこのような処理となるのでしょうか?含み損があっても財産が増加することから債権者にはプラスになりますが、不健全な処理に疑問を感じます(減損会計の洗礼は受けるでしょうが・・・)。
Posted by SHU at 2006年09月01日 14:10
A2
質問1 500になります
質問2 500になるので,445条2項違反にはなりません。
質問3 貴見のとおり
質問4 必ずしも,同じになるわけではありません。199条1項3号の価額については,株主間で合意すればいくらでもいいのです(普通は,検査役や責任のことを考え,時価以下ですが)。「給付をした財産の額」は,現物出資財産について会計帳簿に付されるべき額なので,時価評価すれば時価,簿価評価すれば簿価になります。
<説例2>
会計基準上,簿価で引き継ぐのが会計基準として相当でないというのであれば,会計基準に問題があると主割りますが,グループ会社内においては,会社の内部取引と同様に帳簿価額を引き継ぐとする会計基準は,一理あると思います。
Q3
(1)ストックオプションとして新株予約権(無償)を発行する公開会社が特に有利か否か微妙であったため(一応)特に有利なものとして、株主総会の決議を経る場合、新株予約権の内容としての「行使条件」のうちの1つのみを総会で決議し、残余の行使条件の決定を取締役会に委任することは可能でしょうか(会社法239Ⅰ①は否定しているように見えます。)。(2)委任できない場合、取締役会が残余の「行使条件」を定めて(契約書にも記載)も、①新株予約権の内容とならず、②行使の条件の登記もできませんが、このような新株予約権を発行した場合、不都合なことが起こりうるのでしょうか。譲渡制限はもちろん総会決議を経ていますし、証券も発行しません。(3)取締役会決議のみに基づく契約上の行使条件の定めは有効でしょうか。この条件を満たさない場合も、予約権は消滅するのでしょうか。
Posted by moremi at 2006年09月01日 14:35
A3
(1)募集新株予約権の内容を総会と役会で一部ずつ決定することはできません。
(2)(3)契約上の行使条件は,第三者に対抗することはできません。当事者が,その行使条件に違反して新株予約権を行使した場合に,行使自体が不適法になるのか,行使自体は有効であり,債務不履行責任が生ずるだけなのか・・。この点の法的リスクはありますね。
Q4
吸収分割において株式買取請求がされ、代金未払のとき、758条8号の剰余金の配当がされますが、このとき当該株主には承継会社株式が配当されるのですか、それともこの株主に限り現金配当をすることが可能でしょうか。
現金配当をして、なお分割会社株式について価格を決定するということですか
Posted by yt at 2006年09月01日 16:21
A4
(勘違いしていたので初出から訂正しました。)
組織再編時の株式買取請求権の効果は,一般には代金支払い時ではなく,組織再編の効力発生日に生じますが、吸収分割の場合は代金支払い時に効力を生じます。
そのため、買取請求をした株主も、代金未払時には、剰余金の配当を受け取ることができ、その分は、買取価格で調整します。
Q5
施行規則附則6条に定める記載省略が可能となる事業報告は、次の2つの要件を満たす必要があると了解しています。
1)施行日以後最初に到来する事業年度の末日に関する事業報告で 2)施行日以後最初に開催する株主総会において報告すべきもの
従って、定時総会までの間に臨時総会が開催されると記載省略不可となるのはわかるのですが、定時総会までの間に会社法319条に定める決議省略を行った場合はどう考えればよいですか?
法319条の条文は、あくまでの「決議があったものとみなす」だけで、「株主総会の開催があったものとみなす」わけではないので、臨時総会としてカウントせずに済ませてもよいのでしょうか? やっぱり総会としてカウントするのでしょうか?
Posted by greeenlemon at 2006年09月01日 22:42
A5
決議の省略は,総会の開催には該当しないと思います。
Q6
先日、同和鉱業が長期保有株主を優遇する制度をリリース
しましたが、これは株主平等原則に反しないでしょうか。
保有期間に着目して別異な取り扱いをするのはどうかな、と思います。
株主価値の視点、少数株主権の視点からご教示頂けますでしょうか。
Posted by 法務次長・課長 at 2006年09月03日 08:09
A6
Q7
簡易組織再編の場合でも、⑥以外の手続は省略できないと書かれていますが、会社法第785条3項によると、785条1項各号に掲げる場合は、株主への通知を省略できるとあります。また、その第1項2号では、前条第3項(784条3項=簡易吸収分割)に規定する場合、となっています。
簡易吸収分割の場合は、株主への通知は省略できると考えてよろしいのでしょうか?
それとも私の読み違いでしょうか?
Posted by tds at 2006年09月03日 10:46
A7
おっと失礼しました。①略式と簡易・②譲受側と譲渡側をまとめて書いたので,ミスってしまいました。分割会社側の簡易吸収分割の場合には,株式買取請求権がありません。
Q8
公開会社(2条5号)の条文の読み方についての質問です。
非公開会社とは「全部の株式について譲渡制限を定める会社」を指し、一部の株式についてのみ譲渡制限を定める会社は公開会社に含まれるとされていますが、条文上は、一部でも株式の譲渡制限をする会社は非公開会社に当たるとも読めそうです。そこで、2条5号の条文の読み方を教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
Posted by ねんねん at 2006年09月03日 11:22
A8
公開会社については,記事になっているので,mさんの目次から当該記事を参照してください。
Q9
雑誌社の担当の方が、このブログを見ているのだと思われます・・・。
Posted by たきんぐ at 2006年09月01日 10:46
A9
そんな身も蓋もない・・・。
Q10
正確には「ドラエもん」ではなく、「ドラえもん」です。
Posted by 恐縮ですが at 2006年09月02日 06:45
A10
ありがとうございます。
ただ,著作権や商標権侵害にならないように配慮したつもりです(嘘)。
ようやく夏休みの宿題の目処が立ちましたので,ブログの記事を更新できます。
ただ,明日の朝,早起きしなければいけないので,今日は,簡潔な記事になるようにしなければなりません。
さて,CORPLAW さんから,資本金の減少について,質問をいただきました。
「非常に基本的な質問で恐縮なのですが,資本の減少を会社法の下でも株主総会の特別決議を要求しているのはどういった理由からなのでしょうか?
資本が計算上の数額であるに過ぎないのであれば、特別決議まで要求するほど株主に影響があるものなのでしょうか?」
資本金の減少というと,通常,債権者保護手続の方に目がむいてしまい,株主総会の決議要件の方は,あまりスポットライトが当たりませんね。
確かに,資本準備金やその他資本剰余金の資本金への組入ならば,株主にとって不利なので,特別決議が必要なのでしょうが,資本金の減少は,株主に有利なのだから,普通決議でもいいじゃないか,という立論は可能でしょう。
でも,株主にとって法的に有利であるからといって,会社の活動にとってプラスになるかどうかは別問題。
世間一般の人は,資本金の分だけ会社の純資産が残っているから,資本金があるうちは,会社は倒産しないと誤解している人も多いですから,法律論だけ振り回すわけにはいきません。
これまで,過去の日本の法制や欧州の資本金制度の説明に引きずられて,「資本は,会社財産を確保するための基準である」などと,やや誇大広告気味の説明がされていたため,世間一般の人のそうした誤解はなかなか解けません。
改正の方向性として,そうした世間の信頼を確保するため,「純資産が資本金の2分の1以下になったら,解散しなければならない」という規定でも設けて,先祖帰りすればよいという考え方もありうるのですが,残念ながら,日本は,大昔に,あまり合理的な理由のないまま解散事由じゃなくしてしまっていますし,そのような改正は,現実的には極めて困難です。
それで,昨年あたりから,私達の間では,資本金に対する正確な説明をするべきだという考えから,資本金について身も蓋もない説明をしているのですが,その程度では,世間の人の資本金に対する誤解がなくなるはずはありません。
実際,旧商法と会社法との間で,資本充実のあり方や分配可能額の計算方法が革命的に変化したわけではないにもかかわらず(ノーマルな事例では,ほとんどの場合,旧商法と会社法では,同じ額が算出されるはずです),それが一部の人には,革命的なものと映るのは,私達が
①資本金は,配当以外の場面においては,会社財産の確保のための基準にはならない
②配当の場面においても,資本金や準備金だけが,その基準となるわけではない。
という旧商法時代から続く当たり前のことを,端的に説明しているからだと思うのです。
それほどに「資本金は,会社財産を確保するための基準」という幻想は,根深いものがあります。
もちろん,旧商法や会社法でも,少なくとも,「資本金に相当する財産が,(いつかはともかく,また,今残っているかどうかはともかく,)一度は会社に出資されている」という程度の信頼はありますから,法的な説明としては,「資本金を減少すると,会社に対する信頼が減少するおそれがある」というのは,嘘ではありません。
いずれにせよ,資本金が減少すると,会社に対する信頼が事実上減少する可能性があるので,株主にとって有利とばかりはいえないのでしょう。
また,資本金は,入札や許認可の要件とされている場合があるので,資本金の減少により,会社の事業活動に法的な影響を与える場合もあります。
そういうことからすると,資本金の減少は,株主に法的に有利であったとしても,単純多数を採ったらすぐに変えられるようなものではなく,会社の基本的な事項として,特別決議で慎重に決めましょうというのが,今の法制なのです。
普通決議か特別決議かというのは,理論的に割り切れるようなものではなく,政策判断なので,今後資本金についての考え方が変化していけば,普通決議にするという改正があってもおかしくはないと思います。
(質問コーナー)
Q1
簿価債務超過の会社を消滅会社とする吸収合併を行う場合、簡易合併の要件を満たしていたとしても、存続会社において総会承認決議が必要となります(796条3項但書、795条2項1号)。もっとも、存続会社が消滅会社に対し貸付けを行っているようなケースでは、これを存続会社が任意に債権放棄することにより、簿価債務超過状態を解消したうえ、簡易合併を行うことは認められるでしょうか(条文上は795条2項1号に該当しないこととなりそうなのですが。)。また、同様に、消滅会社において、存続会社を引受先とする増資を行うことでも簡易合併によることができますでしょうか。
Posted by 串間海 at 2006年09月01日 01:50
A1
どのような方法であれ,合併前に簿価債務超過を解消すれば,簡易合併をすることはできます。
Q2
現物出資の計算に関連して、お教えください。
早速「会社法の計算詳解」を買って読んでみました。
共通支配下の取引の場合
<設例1>
現物出資財産:土地(簿価500 時価2,000)
会計処理 (借方)土地 500(貸方)資本金 500 ----計算書類規則37条1項1号ハ
この場合には、
質問1.会社法445条2項(「給付をした財産の額」の1/2以上は資本金とする)の「給付をした財産の額」は2,000にはなりませんか?
質問2.もしそうであれば、資本金が500(<1,000=2,000x1/2)しか増えない上記の例は445条2項違反となりませんか?
質問3.あるいは「給付をした財産の額」は簿価の500と考えるのでしょうか?
質問4.「給付をした財産の額」と199条1項3号の「現物出資財産の額」とは同じ額になるのでしょうか?この例では199条1項3号の「現物出資財産の額」は2,000と考えてよいのでしょうか?
<設例2>
現物出資財産:土地(簿価500 時価20)
会計処理 (借方)土地 500(貸方)資本金 500 ----計算書類規則37条1項1号ハ
質問5.含み損のある資産の場合はこのような処理となるのでしょうか?含み損があっても財産が増加することから債権者にはプラスになりますが、不健全な処理に疑問を感じます(減損会計の洗礼は受けるでしょうが・・・)。
Posted by SHU at 2006年09月01日 14:10
A2
質問1 500になります
質問2 500になるので,445条2項違反にはなりません。
質問3 貴見のとおり
質問4 必ずしも,同じになるわけではありません。199条1項3号の価額については,株主間で合意すればいくらでもいいのです(普通は,検査役や責任のことを考え,時価以下ですが)。「給付をした財産の額」は,現物出資財産について会計帳簿に付されるべき額なので,時価評価すれば時価,簿価評価すれば簿価になります。
<説例2>
会計基準上,簿価で引き継ぐのが会計基準として相当でないというのであれば,会計基準に問題があると主割りますが,グループ会社内においては,会社の内部取引と同様に帳簿価額を引き継ぐとする会計基準は,一理あると思います。
Q3
(1)ストックオプションとして新株予約権(無償)を発行する公開会社が特に有利か否か微妙であったため(一応)特に有利なものとして、株主総会の決議を経る場合、新株予約権の内容としての「行使条件」のうちの1つのみを総会で決議し、残余の行使条件の決定を取締役会に委任することは可能でしょうか(会社法239Ⅰ①は否定しているように見えます。)。(2)委任できない場合、取締役会が残余の「行使条件」を定めて(契約書にも記載)も、①新株予約権の内容とならず、②行使の条件の登記もできませんが、このような新株予約権を発行した場合、不都合なことが起こりうるのでしょうか。譲渡制限はもちろん総会決議を経ていますし、証券も発行しません。(3)取締役会決議のみに基づく契約上の行使条件の定めは有効でしょうか。この条件を満たさない場合も、予約権は消滅するのでしょうか。
Posted by moremi at 2006年09月01日 14:35
A3
(1)募集新株予約権の内容を総会と役会で一部ずつ決定することはできません。
(2)(3)契約上の行使条件は,第三者に対抗することはできません。当事者が,その行使条件に違反して新株予約権を行使した場合に,行使自体が不適法になるのか,行使自体は有効であり,債務不履行責任が生ずるだけなのか・・。この点の法的リスクはありますね。
Q4
吸収分割において株式買取請求がされ、代金未払のとき、758条8号の剰余金の配当がされますが、このとき当該株主には承継会社株式が配当されるのですか、それともこの株主に限り現金配当をすることが可能でしょうか。
現金配当をして、なお分割会社株式について価格を決定するということですか
Posted by yt at 2006年09月01日 16:21
A4
(勘違いしていたので初出から訂正しました。)
組織再編時の株式買取請求権の効果は,一般には代金支払い時ではなく,組織再編の効力発生日に生じますが、吸収分割の場合は代金支払い時に効力を生じます。
そのため、買取請求をした株主も、代金未払時には、剰余金の配当を受け取ることができ、その分は、買取価格で調整します。
Q5
施行規則附則6条に定める記載省略が可能となる事業報告は、次の2つの要件を満たす必要があると了解しています。
1)施行日以後最初に到来する事業年度の末日に関する事業報告で 2)施行日以後最初に開催する株主総会において報告すべきもの
従って、定時総会までの間に臨時総会が開催されると記載省略不可となるのはわかるのですが、定時総会までの間に会社法319条に定める決議省略を行った場合はどう考えればよいですか?
法319条の条文は、あくまでの「決議があったものとみなす」だけで、「株主総会の開催があったものとみなす」わけではないので、臨時総会としてカウントせずに済ませてもよいのでしょうか? やっぱり総会としてカウントするのでしょうか?
Posted by greeenlemon at 2006年09月01日 22:42
A5
決議の省略は,総会の開催には該当しないと思います。
Q6
先日、同和鉱業が長期保有株主を優遇する制度をリリース
しましたが、これは株主平等原則に反しないでしょうか。
保有期間に着目して別異な取り扱いをするのはどうかな、と思います。
株主価値の視点、少数株主権の視点からご教示頂けますでしょうか。
Posted by 法務次長・課長 at 2006年09月03日 08:09
A6
Q7
簡易組織再編の場合でも、⑥以外の手続は省略できないと書かれていますが、会社法第785条3項によると、785条1項各号に掲げる場合は、株主への通知を省略できるとあります。また、その第1項2号では、前条第3項(784条3項=簡易吸収分割)に規定する場合、となっています。
簡易吸収分割の場合は、株主への通知は省略できると考えてよろしいのでしょうか?
それとも私の読み違いでしょうか?
Posted by tds at 2006年09月03日 10:46
A7
おっと失礼しました。①略式と簡易・②譲受側と譲渡側をまとめて書いたので,ミスってしまいました。分割会社側の簡易吸収分割の場合には,株式買取請求権がありません。
Q8
公開会社(2条5号)の条文の読み方についての質問です。
非公開会社とは「全部の株式について譲渡制限を定める会社」を指し、一部の株式についてのみ譲渡制限を定める会社は公開会社に含まれるとされていますが、条文上は、一部でも株式の譲渡制限をする会社は非公開会社に当たるとも読めそうです。そこで、2条5号の条文の読み方を教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
Posted by ねんねん at 2006年09月03日 11:22
A8
公開会社については,記事になっているので,mさんの目次から当該記事を参照してください。
Q9
雑誌社の担当の方が、このブログを見ているのだと思われます・・・。
Posted by たきんぐ at 2006年09月01日 10:46
A9
そんな身も蓋もない・・・。
Q10
正確には「ドラエもん」ではなく、「ドラえもん」です。
Posted by 恐縮ですが at 2006年09月02日 06:45
A10
ありがとうございます。
ただ,著作権や商標権侵害にならないように配慮したつもりです(嘘)。
ようやく夏休みの宿題の目処が立ちましたので,ブログの記事を更新できます。
ただ,明日の朝,早起きしなければいけないので,今日は,簡潔な記事になるようにしなければなりません。
さて,CORPLAW さんから,資本金の減少について,質問をいただきました。
「非常に基本的な質問で恐縮なのですが,資本の減少を会社法の下でも株主総会の特別決議を要求しているのはどういった理由からなのでしょうか?
資本が計算上の数額であるに過ぎないのであれば、特別決議まで要求するほど株主に影響があるものなのでしょうか?」
資本金の減少というと,通常,債権者保護手続の方に目がむいてしまい,株主総会の決議要件の方は,あまりスポットライトが当たりませんね。
確かに,資本準備金やその他資本剰余金の資本金への組入ならば,株主にとって不利なので,特別決議が必要なのでしょうが,資本金の減少は,株主に有利なのだから,普通決議でもいいじゃないか,という立論は可能でしょう。
でも,株主にとって法的に有利であるからといって,会社の活動にとってプラスになるかどうかは別問題。
世間一般の人は,資本金の分だけ会社の純資産が残っているから,資本金があるうちは,会社は倒産しないと誤解している人も多いですから,法律論だけ振り回すわけにはいきません。
これまで,過去の日本の法制や欧州の資本金制度の説明に引きずられて,「資本は,会社財産を確保するための基準である」などと,やや誇大広告気味の説明がされていたため,世間一般の人のそうした誤解はなかなか解けません。
改正の方向性として,そうした世間の信頼を確保するため,「純資産が資本金の2分の1以下になったら,解散しなければならない」という規定でも設けて,先祖帰りすればよいという考え方もありうるのですが,残念ながら,日本は,大昔に,あまり合理的な理由のないまま解散事由じゃなくしてしまっていますし,そのような改正は,現実的には極めて困難です。
それで,昨年あたりから,私達の間では,資本金に対する正確な説明をするべきだという考えから,資本金について身も蓋もない説明をしているのですが,その程度では,世間の人の資本金に対する誤解がなくなるはずはありません。
実際,旧商法と会社法との間で,資本充実のあり方や分配可能額の計算方法が革命的に変化したわけではないにもかかわらず(ノーマルな事例では,ほとんどの場合,旧商法と会社法では,同じ額が算出されるはずです),それが一部の人には,革命的なものと映るのは,私達が
①資本金は,配当以外の場面においては,会社財産の確保のための基準にはならない
②配当の場面においても,資本金や準備金だけが,その基準となるわけではない。
という旧商法時代から続く当たり前のことを,端的に説明しているからだと思うのです。
それほどに「資本金は,会社財産を確保するための基準」という幻想は,根深いものがあります。
もちろん,旧商法や会社法でも,少なくとも,「資本金に相当する財産が,(いつかはともかく,また,今残っているかどうかはともかく,)一度は会社に出資されている」という程度の信頼はありますから,法的な説明としては,「資本金を減少すると,会社に対する信頼が減少するおそれがある」というのは,嘘ではありません。
いずれにせよ,資本金が減少すると,会社に対する信頼が事実上減少する可能性があるので,株主にとって有利とばかりはいえないのでしょう。
また,資本金は,入札や許認可の要件とされている場合があるので,資本金の減少により,会社の事業活動に法的な影響を与える場合もあります。
そういうことからすると,資本金の減少は,株主に法的に有利であったとしても,単純多数を採ったらすぐに変えられるようなものではなく,会社の基本的な事項として,特別決議で慎重に決めましょうというのが,今の法制なのです。
普通決議か特別決議かというのは,理論的に割り切れるようなものではなく,政策判断なので,今後資本金についての考え方が変化していけば,普通決議にするという改正があってもおかしくはないと思います。
(質問コーナー)
Q1
簿価債務超過の会社を消滅会社とする吸収合併を行う場合、簡易合併の要件を満たしていたとしても、存続会社において総会承認決議が必要となります(796条3項但書、795条2項1号)。もっとも、存続会社が消滅会社に対し貸付けを行っているようなケースでは、これを存続会社が任意に債権放棄することにより、簿価債務超過状態を解消したうえ、簡易合併を行うことは認められるでしょうか(条文上は795条2項1号に該当しないこととなりそうなのですが。)。また、同様に、消滅会社において、存続会社を引受先とする増資を行うことでも簡易合併によることができますでしょうか。
Posted by 串間海 at 2006年09月01日 01:50
A1
どのような方法であれ,合併前に簿価債務超過を解消すれば,簡易合併をすることはできます。
Q2
現物出資の計算に関連して、お教えください。
早速「会社法の計算詳解」を買って読んでみました。
共通支配下の取引の場合
<設例1>
現物出資財産:土地(簿価500 時価2,000)
会計処理 (借方)土地 500(貸方)資本金 500 ----計算書類規則37条1項1号ハ
この場合には、
質問1.会社法445条2項(「給付をした財産の額」の1/2以上は資本金とする)の「給付をした財産の額」は2,000にはなりませんか?
質問2.もしそうであれば、資本金が500(<1,000=2,000x1/2)しか増えない上記の例は445条2項違反となりませんか?
質問3.あるいは「給付をした財産の額」は簿価の500と考えるのでしょうか?
質問4.「給付をした財産の額」と199条1項3号の「現物出資財産の額」とは同じ額になるのでしょうか?この例では199条1項3号の「現物出資財産の額」は2,000と考えてよいのでしょうか?
<設例2>
現物出資財産:土地(簿価500 時価20)
会計処理 (借方)土地 500(貸方)資本金 500 ----計算書類規則37条1項1号ハ
質問5.含み損のある資産の場合はこのような処理となるのでしょうか?含み損があっても財産が増加することから債権者にはプラスになりますが、不健全な処理に疑問を感じます(減損会計の洗礼は受けるでしょうが・・・)。
Posted by SHU at 2006年09月01日 14:10
A2
質問1 500になります
質問2 500になるので,445条2項違反にはなりません。
質問3 貴見のとおり
質問4 必ずしも,同じになるわけではありません。199条1項3号の価額については,株主間で合意すればいくらでもいいのです(普通は,検査役や責任のことを考え,時価以下ですが)。「給付をした財産の額」は,現物出資財産について会計帳簿に付されるべき額なので,時価評価すれば時価,簿価評価すれば簿価になります。
<説例2>
会計基準上,簿価で引き継ぐのが会計基準として相当でないというのであれば,会計基準に問題があると主割りますが,グループ会社内においては,会社の内部取引と同様に帳簿価額を引き継ぐとする会計基準は,一理あると思います。
Q3
(1)ストックオプションとして新株予約権(無償)を発行する公開会社が特に有利か否か微妙であったため(一応)特に有利なものとして、株主総会の決議を経る場合、新株予約権の内容としての「行使条件」のうちの1つのみを総会で決議し、残余の行使条件の決定を取締役会に委任することは可能でしょうか(会社法239Ⅰ①は否定しているように見えます。)。(2)委任できない場合、取締役会が残余の「行使条件」を定めて(契約書にも記載)も、①新株予約権の内容とならず、②行使の条件の登記もできませんが、このような新株予約権を発行した場合、不都合なことが起こりうるのでしょうか。譲渡制限はもちろん総会決議を経ていますし、証券も発行しません。(3)取締役会決議のみに基づく契約上の行使条件の定めは有効でしょうか。この条件を満たさない場合も、予約権は消滅するのでしょうか。
Posted by moremi at 2006年09月01日 14:35
A3
(1)募集新株予約権の内容を総会と役会で一部ずつ決定することはできません。
(2)(3)契約上の行使条件は,第三者に対抗することはできません。当事者が,その行使条件に違反して新株予約権を行使した場合に,行使自体が不適法になるのか,行使自体は有効であり,債務不履行責任が生ずるだけなのか・・。この点の法的リスクはありますね。
Q4
吸収分割において株式買取請求がされ、代金未払のとき、758条8号の剰余金の配当がされますが、このとき当該株主には承継会社株式が配当されるのですか、それともこの株主に限り現金配当をすることが可能でしょうか。
現金配当をして、なお分割会社株式について価格を決定するということですか
Posted by yt at 2006年09月01日 16:21
A4
(勘違いしていたので初出から訂正しました。)
組織再編時の株式買取請求権の効果は,一般には代金支払い時ではなく,組織再編の効力発生日に生じますが、吸収分割の場合は代金支払い時に効力を生じます。
そのため、買取請求をした株主も、代金未払時には、剰余金の配当を受け取ることができ、その分は、買取価格で調整します。
Q5
施行規則附則6条に定める記載省略が可能となる事業報告は、次の2つの要件を満たす必要があると了解しています。
1)施行日以後最初に到来する事業年度の末日に関する事業報告で 2)施行日以後最初に開催する株主総会において報告すべきもの
従って、定時総会までの間に臨時総会が開催されると記載省略不可となるのはわかるのですが、定時総会までの間に会社法319条に定める決議省略を行った場合はどう考えればよいですか?
法319条の条文は、あくまでの「決議があったものとみなす」だけで、「株主総会の開催があったものとみなす」わけではないので、臨時総会としてカウントせずに済ませてもよいのでしょうか? やっぱり総会としてカウントするのでしょうか?
Posted by greeenlemon at 2006年09月01日 22:42
A5
決議の省略は,総会の開催には該当しないと思います。
Q6
先日、同和鉱業が長期保有株主を優遇する制度をリリース
しましたが、これは株主平等原則に反しないでしょうか。
保有期間に着目して別異な取り扱いをするのはどうかな、と思います。
株主価値の視点、少数株主権の視点からご教示頂けますでしょうか。
Posted by 法務次長・課長 at 2006年09月03日 08:09
A6
Q7
簡易組織再編の場合でも、⑥以外の手続は省略できないと書かれていますが、会社法第785条3項によると、785条1項各号に掲げる場合は、株主への通知を省略できるとあります。また、その第1項2号では、前条第3項(784条3項=簡易吸収分割)に規定する場合、となっています。
簡易吸収分割の場合は、株主への通知は省略できると考えてよろしいのでしょうか?
それとも私の読み違いでしょうか?
Posted by tds at 2006年09月03日 10:46
A7
おっと失礼しました。①略式と簡易・②譲受側と譲渡側をまとめて書いたので,ミスってしまいました。分割会社側の簡易吸収分割の場合には,株式買取請求権がありません。
Q8
公開会社(2条5号)の条文の読み方についての質問です。
非公開会社とは「全部の株式について譲渡制限を定める会社」を指し、一部の株式についてのみ譲渡制限を定める会社は公開会社に含まれるとされていますが、条文上は、一部でも株式の譲渡制限をする会社は非公開会社に当たるとも読めそうです。そこで、2条5号の条文の読み方を教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
Posted by ねんねん at 2006年09月03日 11:22
A8
公開会社については,記事になっているので,mさんの目次から当該記事を参照してください。
Q9
雑誌社の担当の方が、このブログを見ているのだと思われます・・・。
Posted by たきんぐ at 2006年09月01日 10:46
A9
そんな身も蓋もない・・・。
Q10
正確には「ドラエもん」ではなく、「ドラえもん」です。
Posted by 恐縮ですが at 2006年09月02日 06:45
A10
ありがとうございます。
ただ,著作権や商標権侵害にならないように配慮したつもりです(嘘)。
今日は、神様が、世の中にいることを確信しました。
本日の締め切りが2本重なっていたのですが、今日、出勤したら、そのうちの1本を載せる予定の某雑誌から「次の号に載せるスペースがないので、その次の号にさせてください。申し訳ありません」というお詫びのメールが来ていました。
「本当は、こちらが謝らなければいけないところを、相手から謝ってもらったうえで、締め切りが10日も延びるなんて・・・」
とラッキー感が漂いました。
しかし、私には、もう一本の宿題があるので、おそるおそる某出版社に電話して、担当者を呼んで貰おうとしたところ
「○○さんは、急な海外出張で来週月曜日まで戻ってきません。」
とのこと。
2本とも、やっつけ仕事で出して、ゲラで一から修正しようという悪いことを企んでいたのですが、労せずして、締め切りが延びました。
きっと、私のブログを、神様か、ドラエもんが見て、助けてくれたのだと思います。
でも、この空いた時間を、原稿書きに回さずに、ブログに回してしまうという、のび太的行動を、ドラエもんは許してくれるでしょうか。
余談は、ともかく、本日は、簡易組織再編について、お話しします。
組織再編というのは、吸収合併、新設合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転の6種類あるわけですが、いずれも、合併の手続きをベースに作られた制度なので、手続きはよく似ています。
吸収合併をベースに説明すると
<開示>
①事前開示(782条等)
②登記(750条2項等)
③事後開示(801条等)
<株主等の保護>
④株式買取請求の通知(785条等)+新株予約権買取請求の通知(787条等)
⑤株券提出公告・通知(219条1項6号)
⑥株主総会の承認(783条等)
<債権者の保護>
⑦債権者保護手続(789条等)
という7つの手続きが組織再編には必要です。
この7つ手続きのうち、通常、最もコストがかかる手続きである⑥株主総会の承認を省略することができる場合が、簡易組織再編(784条3項等)と略式組織再編(784条1項等)です(その他の6つの手続きは原則必要です。分割会社の簡易分割の④は省略されます)。
簡易組織再編は、その会社にとって再編の規模が小さい場合に省略するもの
略式組織再編は、契約相手が大株主であり、総会を開いても無駄だから省略するもの
です。
本日は、簡易組織再編について、2問質問が入っていますので、簡易組織再編を掘り下げましょう。
簡易組織再編が用意されているのは、基本的には、受け手側(存続会社、承継会社、完全親会社)の株主総会についてです(796条3項)。
受け手側の簡易組織再編の要件は、受け手側の会社が交付する対価の帳簿価額が、「純資産」の20%未満であることとされています。
改正前商法は、対価が原則として株式に限られていましたから、受け手側にとっての再編規模の大小は、基本的には、発行する株式の数が、発行済株式総数の5%を超えないかどうかで判断していました。
要するに、受け手側に、どの程度、新しい株主が増えるかという視点で判断していたのです。
ところが、会社法では、対価が柔軟化されたので、受け手側が、対価として株式ではなく、金銭等が交付されることがあり、発行する株式数を基準に簡易性を判断することができません。
そこで、会社法では、分子を「交付する株式の数」から「交付する財産の帳簿価額」に、分母を「発行済株式総数」から「純資産」に変えて、簡易性(5%→20%)を判断することにしたのです。
ですから、会社法では、簡易性は、会社の正味の資産(純資産)を、どの程度、リスクのある資産である対象事業や子会社株式のために使うかという視点で判断しているのです。
これに対し、送り手側(消滅会社、分割会社、完全子会社)では、分割会社にしか、簡易組織再編はありません。
だって、消滅会社(合併)は法人格が消滅してしまうんだし、完全子会社(株式交換・株式移転)は、その全ての株式が完全親会社に移転しますから、規模が小さいものなんかありえないのです。
唯一、吸収分割・新設分割だけは、分割会社の事業に関する権利義務の一部だけが、承継会社・新設会社に移転するので、移転する財産の規模が小さい場合に、株主総会を省略することができます(784条3項等)。
この送り手側の簡易分割は、自分が譲り渡す財産が、分割会社の「総資産」の20%を超えないかどうかで判断します。「純資産」じゃないんです。
これは、送り手側にとっては、収益力のある事業に関する権利義務を受け手に承継させるので、分割により、どの程度、収益力が落ちるか、どのような割合で資産が増減するのかが重要だからだと思います。
さて、この送り手側の簡易分割について、NAさんから質問を受けました。
「簡易組織再編(784条3項)の要件の判断基準時は、原則として吸収分割契約を締結した日とされていますが(施行規則187条1項)、締結後効力発生日までにかかる簡易組織再編の要件を満たさなくなった場合でも簡易組織再編行為を行うことができなくなるのでしょうか。」
残念ながら、簡易性の判断の基準時が、「契約締結時」としているところが違います。うちの職場にもよくこの質問が来るのですが、前提が違うんです。
簡易分割の784条3項は、総会が必要であるという783条1項の原則の適用除外規定ですから、784条3項の要件を充たしているうちは、総会が不要ですが、効力発生日までに、その要件を充たさなくなったら、原則に戻って総会が必要となります。
したがって、効力発生日の前日が基準となります。
ただし、会社分割の簡易性の判断要素である、分子(承継させる資産の帳簿価額の合計額)と分母(総資産額)のうち、分母が動いてしまうと、簡易の要件を充たすようなスキームを作るのが大変なので(特に「純資産」は変動しやすいので、「純資産」を分母とする受け手側の簡易分割は難しい)、分母だけは契約締結時を基準とすることができるようにされているのです。
他方、分子は、分母と異なり、施行規則で契約締結時を原則とする規定は置かれていません。
したがって、分子については、効力発生日の前日までの帳簿価額の変動を考慮しなければならず、効力発生日の前日までに簡易要件を充たさなくなったら、株主総会の決議が必要となります。
次の問題に行きましょう。
簡易組織再編に不満のある株主は、会社に反対する旨を通知することができます。そして、ごくおおざっぱにいえば、この反対が「もし株主総会が開かれていたら、特別決議を阻止することができた数」集まると、簡易組織再編をすることができません。
この反対の意思表示について、T/Aさんから質問がありました。
「796条4項「存続会社等の簡易合併等への反対株主」について、質問があります。そもそも、簡易(=総会省略)を前提にしているわけですから、「前条1項の総会にて議決権を行使できるもの」とは、行使できる株式の種類を指し、総会の議決権行使株主確定基準日を特定する趣旨では無いとしか読めません。また、施行規則197条では、何時の時点の「株式の総数」かは、規定していませんよね。と言うことは、株数の増減がある場合、どの時点の株式総数を根拠することになるのでしょうか? 施行規則196条と同様に考えると、合併契約締結時が妥当かと思いますが、それ以降に新株予約権等の行使により、総数を増加させ、意図的に反対株数の比率を減少させることは違法とは言えない気がいたします。」
T/Aさんは、反対株主の株式の数の判断の基準時を、合併契約締結時としていますが、合併契約締結後、効力発生日までに、株式を取得した人も反対することができますから、合併契約締結時はあまり合理性がありません。
反対することができるのは、合併の通知又は公告から2週間以内ですから、その最終日が、判断の基準となるものと思います。
以上見てきたように、手続きが簡便明確になるので、「契約締結日」を基準に採りたいというニーズがあるのは重々承知していますが、それぞれの条文の趣旨にしたがって、基準時を考えざるを得ないと思います。
(質問コーナー)
Q1
法務局が発行しているQ&Aに、
Q、会社法施行前に「新株予約権の行使の条件」の一部事項を「新株予約権の消却条件等」として登記している会社について、当該消却事由を新株予約権の取得事由とする新株予約権の変更の登記申請は必要か?
A、不要である。会社法では新株予約権を行使することができなくなったときは、当該新株予約権は消滅することとされており(会社法第287条)取得事由にはあたらない。
法務局の回答の『不要である』というのは、会社が『「新株予約権の行使の条件」に当たらなくなったとき』は、新株予約権は消滅すると考えれば登記は不要になるし、逆に取得して自己新株予約権にしたいと考えれば、登記をすることも出来る。といったところでしょうか?
Posted by ほにょ at 2006年08月30日 09:27
A1
早貸さんの解説をめぐって、以前、答えたような記憶があります。
結論から言えば、「新株予約権を行使することができなくなったとき」というのは、誰が取得しようとも、どんな事態になろうとも、行使することができなくなったときという意味なので、登記の内容によって、消滅するものもあれば、取得条項付株式になるものもあります。
Q2
みうらさんのご質問(新株発行無効の訴えの認容判決が確定した場合の株主への払い戻し)は、払出の科目のお話かと思います。補足いただけるとうれしく思います。(私も興味ある話題ですので。)
Posted by ぎんこうや at 2006年08月30日 09:28
A2
会計基準の話なので、あまりつっこみたくないところですが、実体としては自己株式の取得と考えればいいでしょう。
普通に考えれば、その他資本剰余金が減って、マイナスになったら、期末にその他資本剰余金が0になるまで、その他利益剰余金で埋めるという処理ではないでしょうか。
Q3
1000問もQ747でその他剰余金の処分時の決定事項について
解説されておりますが、以下の内容がわからないためご教授願います。
①452条の決議によって積み立てられたものを当該決議の定めるところに従い取り崩す場合(計181条2項2号)など
とありますが、実務的に、仮に研究開発積立金として任意に
積み立てた場合、研究開発の原資に使用する場合総会で決議せずに取り崩すことができると解釈してよいでしょうか。
②具体的に株主総会の決議を要せずに定款・法令の定めを
除き、どういった場合に取り崩しができるのでしょうか?
③剰余金の配当議案がない会社は、剰余金の処分が出来ないのでしょうか?もしくは、総会にかけないで科目の振り替えができるのでしょうか?
Posted by かぶぬしまどぐち at 2006年08月30日 13:44
A3
①及び② 積み立てたときの決議で、どのように取り崩すか決めることができます。それで、決まっていれば、総会決議無しで取り崩せます。決議で決めた方法で取り崩してください。
③ 剰余金の配当議案と剰余金の処分議案は、別です。剰余金の処分だけで決議してください。
Q4
議決権の不統一行使に関する質問ですが、「株主総会の3日前までに」とされている、その3日前が日曜日に該当する場合、その行使期限を会社の営業時間である金曜日まで繰り上げることは可能なのでしょうか?会社が議決権の集計手続にかかる期間を確保するために設けられている制度かと思いますが、株主としての立場で考えると、権利行使期間を短縮されることになるのでは、と思われるので、どっちの立場が優先されるのかがわかりません。
Posted by taka at 2006年08月30日 14:11
A4
繰り上げは、ダメでしょう。
Q5
取締役会では、代表取締役の選任義務があるとされていますが(会社法362条3項)、この規定は委員会設置会社において明示的に排除されておりませんが、委員会設置会社でも代表取締役の選任義務があるのでしょうか。
委員会設置会社における取締役会の意義と権限、執行役の意義と権限からすれば、かかる結論は不自然なように思えるのですが、いかがでしょうか。
Posted by S at 2006年08月30日 22:47
A5
362条は、416条の「第三百六十二条の規定にかかわらず」という条文で、明示的に排除されていますm。
Q6
合併契約書について,1件ご質問があります。
合併契約書について,存続会社の増加すべき資本金の額および準備金に関する事項は,旧商法上は法定記載事項でした(旧商法409条3号)が,会社法上は,消滅会社の株主に存続会社の株式を割り当てる場合にのみ記載することとされており,100%子会社の吸収合併のように,株式の割当てを行わない場合は,記載する必要がないと考えられます(749条参照)。
また,100%子会社を吸収合併する場合には,資本項目に関する取扱いに関し会社の裁量の余地がない(会社計算規則60条1項)と考えられます。
このため,100%子会社を吸収合併する場合の合併契約書には,資本金の額および準備金に関する事項を記載しなくても問題ないでしょうか。
Posted by fk at 2006年08月31日 21:49
A6
株式を発行しないなら、資本金も準備金も増えませんから、記載する必要はありません。
(こう書くと、あの質問がくるかも知れませんが・・)
Q7
①新設分割計画書にも②新設分割設立会社(株式会社)の定款にも、新設分割における本店所在場所(本店所在地はあります)の記載がありません。
このような場合、設立時取締役の過半数の決定で、本店所在場所の決定をすることはできず、いわば、新設分割における発起人の地位にある「分割会社(株式会社)」の決定が必要となるとありますが、分割会社の総会決議が必要なのでしょうか。法文に、「株式会社は」とある場合で、その決定に取締役会や総会決議を要求していない場合は、代表取締役又は取締役が行うことができるものと考えられ、本件のように法文が総会決議を要する①②の必要的記載事項として定めることを要求していない場合も、同様に代表取締役又は、取締役が決定することができると考えてもよろしいように思いますが、いかがでしょうか。よろしくお願い致します。
Posted by moremi at 2006年08月30日 14:34
A7
新設会社の本店所在場所は、分割会社の意思決定機関ならばいいので、取締役会決議でも決定できます。
代表取締役・取締役は、独自の意思決定権限がないのですが、取締役会から委任を受ければ決定できます。
今日は、神様が、世の中にいることを確信しました。
本日の締め切りが2本重なっていたのですが、今日、出勤したら、そのうちの1本を載せる予定の某雑誌から「次の号に載せるスペースがないので、その次の号にさせてください。申し訳ありません」というお詫びのメールが来ていました。
「本当は、こちらが謝らなければいけないところを、相手から謝ってもらったうえで、締め切りが10日も延びるなんて・・・」
とラッキー感が漂いました。
しかし、私には、もう一本の宿題があるので、おそるおそる某出版社に電話して、担当者を呼んで貰おうとしたところ
「○○さんは、急な海外出張で来週月曜日まで戻ってきません。」
とのこと。
2本とも、やっつけ仕事で出して、ゲラで一から修正しようという悪いことを企んでいたのですが、労せずして、締め切りが延びました。
きっと、私のブログを、神様か、ドラエもんが見て、助けてくれたのだと思います。
でも、この空いた時間を、原稿書きに回さずに、ブログに回してしまうという、のび太的行動を、ドラエもんは許してくれるでしょうか。
余談は、ともかく、本日は、簡易組織再編について、お話しします。
組織再編というのは、吸収合併、新設合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転の6種類あるわけですが、いずれも、合併の手続きをベースに作られた制度なので、手続きはよく似ています。
吸収合併をベースに説明すると
<開示>
①事前開示(782条等)
②登記(750条2項等)
③事後開示(801条等)
<株主等の保護>
④株式買取請求の通知(785条等)+新株予約権買取請求の通知(787条等)
⑤株券提出公告・通知(219条1項6号)
⑥株主総会の承認(783条等)
<債権者の保護>
⑦債権者保護手続(789条等)
という7つの手続きが組織再編には必要です。
この7つ手続きのうち、通常、最もコストがかかる手続きである⑥株主総会の承認を省略することができる場合が、簡易組織再編(784条3項等)と略式組織再編(784条1項等)です(その他の6つの手続きは原則必要です。分割会社の簡易分割の④は省略されます)。
簡易組織再編は、その会社にとって再編の規模が小さい場合に省略するもの
略式組織再編は、契約相手が大株主であり、総会を開いても無駄だから省略するもの
です。
本日は、簡易組織再編について、2問質問が入っていますので、簡易組織再編を掘り下げましょう。
簡易組織再編が用意されているのは、基本的には、受け手側(存続会社、承継会社、完全親会社)の株主総会についてです(796条3項)。
受け手側の簡易組織再編の要件は、受け手側の会社が交付する対価の帳簿価額が、「純資産」の20%未満であることとされています。
改正前商法は、対価が原則として株式に限られていましたから、受け手側にとっての再編規模の大小は、基本的には、発行する株式の数が、発行済株式総数の5%を超えないかどうかで判断していました。
要するに、受け手側に、どの程度、新しい株主が増えるかという視点で判断していたのです。
ところが、会社法では、対価が柔軟化されたので、受け手側が、対価として株式ではなく、金銭等が交付されることがあり、発行する株式数を基準に簡易性を判断することができません。
そこで、会社法では、分子を「交付する株式の数」から「交付する財産の帳簿価額」に、分母を「発行済株式総数」から「純資産」に変えて、簡易性(5%→20%)を判断することにしたのです。
ですから、会社法では、簡易性は、会社の正味の資産(純資産)を、どの程度、リスクのある資産である対象事業や子会社株式のために使うかという視点で判断しているのです。
これに対し、送り手側(消滅会社、分割会社、完全子会社)では、分割会社にしか、簡易組織再編はありません。
だって、消滅会社(合併)は法人格が消滅してしまうんだし、完全子会社(株式交換・株式移転)は、その全ての株式が完全親会社に移転しますから、規模が小さいものなんかありえないのです。
唯一、吸収分割・新設分割だけは、分割会社の事業に関する権利義務の一部だけが、承継会社・新設会社に移転するので、移転する財産の規模が小さい場合に、株主総会を省略することができます(784条3項等)。
この送り手側の簡易分割は、自分が譲り渡す財産が、分割会社の「総資産」の20%を超えないかどうかで判断します。「純資産」じゃないんです。
これは、送り手側にとっては、収益力のある事業に関する権利義務を受け手に承継させるので、分割により、どの程度、収益力が落ちるか、どのような割合で資産が増減するのかが重要だからだと思います。
さて、この送り手側の簡易分割について、NAさんから質問を受けました。
「簡易組織再編(784条3項)の要件の判断基準時は、原則として吸収分割契約を締結した日とされていますが(施行規則187条1項)、締結後効力発生日までにかかる簡易組織再編の要件を満たさなくなった場合でも簡易組織再編行為を行うことができなくなるのでしょうか。」
残念ながら、簡易性の判断の基準時が、「契約締結時」としているところが違います。うちの職場にもよくこの質問が来るのですが、前提が違うんです。
簡易分割の784条3項は、総会が必要であるという783条1項の原則の適用除外規定ですから、784条3項の要件を充たしているうちは、総会が不要ですが、効力発生日までに、その要件を充たさなくなったら、原則に戻って総会が必要となります。
したがって、効力発生日の前日が基準となります。
ただし、会社分割の簡易性の判断要素である、分子(承継させる資産の帳簿価額の合計額)と分母(総資産額)のうち、分母が動いてしまうと、簡易の要件を充たすようなスキームを作るのが大変なので(特に「純資産」は変動しやすいので、「純資産」を分母とする受け手側の簡易分割は難しい)、分母だけは契約締結時を基準とすることができるようにされているのです。
他方、分子は、分母と異なり、施行規則で契約締結時を原則とする規定は置かれていません。
したがって、分子については、効力発生日の前日までの帳簿価額の変動を考慮しなければならず、効力発生日の前日までに簡易要件を充たさなくなったら、株主総会の決議が必要となります。
次の問題に行きましょう。
簡易組織再編に不満のある株主は、会社に反対する旨を通知することができます。そして、ごくおおざっぱにいえば、この反対が「もし株主総会が開かれていたら、特別決議を阻止することができた数」集まると、簡易組織再編をすることができません。
この反対の意思表示について、T/Aさんから質問がありました。
「796条4項「存続会社等の簡易合併等への反対株主」について、質問があります。そもそも、簡易(=総会省略)を前提にしているわけですから、「前条1項の総会にて議決権を行使できるもの」とは、行使できる株式の種類を指し、総会の議決権行使株主確定基準日を特定する趣旨では無いとしか読めません。また、施行規則197条では、何時の時点の「株式の総数」かは、規定していませんよね。と言うことは、株数の増減がある場合、どの時点の株式総数を根拠することになるのでしょうか? 施行規則196条と同様に考えると、合併契約締結時が妥当かと思いますが、それ以降に新株予約権等の行使により、総数を増加させ、意図的に反対株数の比率を減少させることは違法とは言えない気がいたします。」
T/Aさんは、反対株主の株式の数の判断の基準時を、合併契約締結時としていますが、合併契約締結後、効力発生日までに、株式を取得した人も反対することができますから、合併契約締結時はあまり合理性がありません。
反対することができるのは、合併の通知又は公告から2週間以内ですから、その最終日が、判断の基準となるものと思います。
以上見てきたように、手続きが簡便明確になるので、「契約締結日」を基準に採りたいというニーズがあるのは重々承知していますが、それぞれの条文の趣旨にしたがって、基準時を考えざるを得ないと思います。
(質問コーナー)
Q1
法務局が発行しているQ&Aに、
Q、会社法施行前に「新株予約権の行使の条件」の一部事項を「新株予約権の消却条件等」として登記している会社について、当該消却事由を新株予約権の取得事由とする新株予約権の変更の登記申請は必要か?
A、不要である。会社法では新株予約権を行使することができなくなったときは、当該新株予約権は消滅することとされており(会社法第287条)取得事由にはあたらない。
法務局の回答の『不要である』というのは、会社が『「新株予約権の行使の条件」に当たらなくなったとき』は、新株予約権は消滅すると考えれば登記は不要になるし、逆に取得して自己新株予約権にしたいと考えれば、登記をすることも出来る。といったところでしょうか?
Posted by ほにょ at 2006年08月30日 09:27
A1
早貸さんの解説をめぐって、以前、答えたような記憶があります。
結論から言えば、「新株予約権を行使することができなくなったとき」というのは、誰が取得しようとも、どんな事態になろうとも、行使することができなくなったときという意味なので、登記の内容によって、消滅するものもあれば、取得条項付株式になるものもあります。
Q2
みうらさんのご質問(新株発行無効の訴えの認容判決が確定した場合の株主への払い戻し)は、払出の科目のお話かと思います。補足いただけるとうれしく思います。(私も興味ある話題ですので。)
Posted by ぎんこうや at 2006年08月30日 09:28
A2
会計基準の話なので、あまりつっこみたくないところですが、実体としては自己株式の取得と考えればいいでしょう。
普通に考えれば、その他資本剰余金が減って、マイナスになったら、期末にその他資本剰余金が0になるまで、その他利益剰余金で埋めるという処理ではないでしょうか。
Q3
1000問もQ747でその他剰余金の処分時の決定事項について
解説されておりますが、以下の内容がわからないためご教授願います。
①452条の決議によって積み立てられたものを当該決議の定めるところに従い取り崩す場合(計181条2項2号)など
とありますが、実務的に、仮に研究開発積立金として任意に
積み立てた場合、研究開発の原資に使用する場合総会で決議せずに取り崩すことができると解釈してよいでしょうか。
②具体的に株主総会の決議を要せずに定款・法令の定めを
除き、どういった場合に取り崩しができるのでしょうか?
③剰余金の配当議案がない会社は、剰余金の処分が出来ないのでしょうか?もしくは、総会にかけないで科目の振り替えができるのでしょうか?
Posted by かぶぬしまどぐち at 2006年08月30日 13:44
A3
①及び② 積み立てたときの決議で、どのように取り崩すか決めることができます。それで、決まっていれば、総会決議無しで取り崩せます。決議で決めた方法で取り崩してください。
③ 剰余金の配当議案と剰余金の処分議案は、別です。剰余金の処分だけで決議してください。
Q4
議決権の不統一行使に関する質問ですが、「株主総会の3日前までに」とされている、その3日前が日曜日に該当する場合、その行使期限を会社の営業時間である金曜日まで繰り上げることは可能なのでしょうか?会社が議決権の集計手続にかかる期間を確保するために設けられている制度かと思いますが、株主としての立場で考えると、権利行使期間を短縮されることになるのでは、と思われるので、どっちの立場が優先されるのかがわかりません。
Posted by taka at 2006年08月30日 14:11
A4
繰り上げは、ダメでしょう。
Q5
取締役会では、代表取締役の選任義務があるとされていますが(会社法362条3項)、この規定は委員会設置会社において明示的に排除されておりませんが、委員会設置会社でも代表取締役の選任義務があるのでしょうか。
委員会設置会社における取締役会の意義と権限、執行役の意義と権限からすれば、かかる結論は不自然なように思えるのですが、いかがでしょうか。
Posted by S at 2006年08月30日 22:47
A5
362条は、416条の「第三百六十二条の規定にかかわらず」という条文で、明示的に排除されていますm。
Q6
合併契約書について,1件ご質問があります。
合併契約書について,存続会社の増加すべき資本金の額および準備金に関する事項は,旧商法上は法定記載事項でした(旧商法409条3号)が,会社法上は,消滅会社の株主に存続会社の株式を割り当てる場合にのみ記載することとされており,100%子会社の吸収合併のように,株式の割当てを行わない場合は,記載する必要がないと考えられます(749条参照)。
また,100%子会社を吸収合併する場合には,資本項目に関する取扱いに関し会社の裁量の余地がない(会社計算規則60条1項)と考えられます。
このため,100%子会社を吸収合併する場合の合併契約書には,資本金の額および準備金に関する事項を記載しなくても問題ないでしょうか。
Posted by fk at 2006年08月31日 21:49
A6
株式を発行しないなら、資本金も準備金も増えませんから、記載する必要はありません。
(こう書くと、あの質問がくるかも知れませんが・・)
Q7
①新設分割計画書にも②新設分割設立会社(株式会社)の定款にも、新設分割における本店所在場所(本店所在地はあります)の記載がありません。
このような場合、設立時取締役の過半数の決定で、本店所在場所の決定をすることはできず、いわば、新設分割における発起人の地位にある「分割会社(株式会社)」の決定が必要となるとありますが、分割会社の総会決議が必要なのでしょうか。法文に、「株式会社は」とある場合で、その決定に取締役会や総会決議を要求していない場合は、代表取締役又は取締役が行うことができるものと考えられ、本件のように法文が総会決議を要する①②の必要的記載事項として定めることを要求していない場合も、同様に代表取締役又は、取締役が決定することができると考えてもよろしいように思いますが、いかがでしょうか。よろしくお願い致します。
Posted by moremi at 2006年08月30日 14:34
A7
新設会社の本店所在場所は、分割会社の意思決定機関ならばいいので、取締役会決議でも決定できます。
代表取締役・取締役は、独自の意思決定権限がないのですが、取締役会から委任を受ければ決定できます。
今日は、神様が、世の中にいることを確信しました。
本日の締め切りが2本重なっていたのですが、今日、出勤したら、そのうちの1本を載せる予定の某雑誌から「次の号に載せるスペースがないので、その次の号にさせてください。申し訳ありません」というお詫びのメールが来ていました。
「本当は、こちらが謝らなければいけないところを、相手から謝ってもらったうえで、締め切りが10日も延びるなんて・・・」
とラッキー感が漂いました。
しかし、私には、もう一本の宿題があるので、おそるおそる某出版社に電話して、担当者を呼んで貰おうとしたところ
「○○さんは、急な海外出張で来週月曜日まで戻ってきません。」
とのこと。
2本とも、やっつけ仕事で出して、ゲラで一から修正しようという悪いことを企んでいたのですが、労せずして、締め切りが延びました。
きっと、私のブログを、神様か、ドラエもんが見て、助けてくれたのだと思います。
でも、この空いた時間を、原稿書きに回さずに、ブログに回してしまうという、のび太的行動を、ドラエもんは許してくれるでしょうか。
余談は、ともかく、本日は、簡易組織再編について、お話しします。
組織再編というのは、吸収合併、新設合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転の6種類あるわけですが、いずれも、合併の手続きをベースに作られた制度なので、手続きはよく似ています。
吸収合併をベースに説明すると
<開示>
①事前開示(782条等)
②登記(750条2項等)
③事後開示(801条等)
<株主等の保護>
④株式買取請求の通知(785条等)+新株予約権買取請求の通知(787条等)
⑤株券提出公告・通知(219条1項6号)
⑥株主総会の承認(783条等)
<債権者の保護>
⑦債権者保護手続(789条等)
という7つの手続きが組織再編には必要です。
この7つ手続きのうち、通常、最もコストがかかる手続きである⑥株主総会の承認を省略することができる場合が、簡易組織再編(784条3項等)と略式組織再編(784条1項等)です(その他の6つの手続きは原則必要です。分割会社の簡易分割の④は省略されます)。
簡易組織再編は、その会社にとって再編の規模が小さい場合に省略するもの
略式組織再編は、契約相手が大株主であり、総会を開いても無駄だから省略するもの
です。
本日は、簡易組織再編について、2問質問が入っていますので、簡易組織再編を掘り下げましょう。
簡易組織再編が用意されているのは、基本的には、受け手側(存続会社、承継会社、完全親会社)の株主総会についてです(796条3項)。
受け手側の簡易組織再編の要件は、受け手側の会社が交付する対価の帳簿価額が、「純資産」の20%未満であることとされています。
改正前商法は、対価が原則として株式に限られていましたから、受け手側にとっての再編規模の大小は、基本的には、発行する株式の数が、発行済株式総数の5%を超えないかどうかで判断していました。
要するに、受け手側に、どの程度、新しい株主が増えるかという視点で判断していたのです。
ところが、会社法では、対価が柔軟化されたので、受け手側が、対価として株式ではなく、金銭等が交付されることがあり、発行する株式数を基準に簡易性を判断することができません。
そこで、会社法では、分子を「交付する株式の数」から「交付する財産の帳簿価額」に、分母を「発行済株式総数」から「純資産」に変えて、簡易性(5%→20%)を判断することにしたのです。
ですから、会社法では、簡易性は、会社の正味の資産(純資産)を、どの程度、リスクのある資産である対象事業や子会社株式のために使うかという視点で判断しているのです。
これに対し、送り手側(消滅会社、分割会社、完全子会社)では、分割会社にしか、簡易組織再編はありません。
だって、消滅会社(合併)は法人格が消滅してしまうんだし、完全子会社(株式交換・株式移転)は、その全ての株式が完全親会社に移転しますから、規模が小さいものなんかありえないのです。
唯一、吸収分割・新設分割だけは、分割会社の事業に関する権利義務の一部だけが、承継会社・新設会社に移転するので、移転する財産の規模が小さい場合に、株主総会を省略することができます(784条3項等)。
この送り手側の簡易分割は、自分が譲り渡す財産が、分割会社の「総資産」の20%を超えないかどうかで判断します。「純資産」じゃないんです。
これは、送り手側にとっては、収益力のある事業に関する権利義務を受け手に承継させるので、分割により、どの程度、収益力が落ちるか、どのような割合で資産が増減するのかが重要だからだと思います。
さて、この送り手側の簡易分割について、NAさんから質問を受けました。
「簡易組織再編(784条3項)の要件の判断基準時は、原則として吸収分割契約を締結した日とされていますが(施行規則187条1項)、締結後効力発生日までにかかる簡易組織再編の要件を満たさなくなった場合でも簡易組織再編行為を行うことができなくなるのでしょうか。」
残念ながら、簡易性の判断の基準時が、「契約締結時」としているところが違います。うちの職場にもよくこの質問が来るのですが、前提が違うんです。
簡易分割の784条3項は、総会が必要であるという783条1項の原則の適用除外規定ですから、784条3項の要件を充たしているうちは、総会が不要ですが、効力発生日までに、その要件を充たさなくなったら、原則に戻って総会が必要となります。
したがって、効力発生日の前日が基準となります。
ただし、会社分割の簡易性の判断要素である、分子(承継させる資産の帳簿価額の合計額)と分母(総資産額)のうち、分母が動いてしまうと、簡易の要件を充たすようなスキームを作るのが大変なので(特に「純資産」は変動しやすいので、「純資産」を分母とする受け手側の簡易分割は難しい)、分母だけは契約締結時を基準とすることができるようにされているのです。
他方、分子は、分母と異なり、施行規則で契約締結時を原則とする規定は置かれていません。
したがって、分子については、効力発生日の前日までの帳簿価額の変動を考慮しなければならず、効力発生日の前日までに簡易要件を充たさなくなったら、株主総会の決議が必要となります。
次の問題に行きましょう。
簡易組織再編に不満のある株主は、会社に反対する旨を通知することができます。そして、ごくおおざっぱにいえば、この反対が「もし株主総会が開かれていたら、特別決議を阻止することができた数」集まると、簡易組織再編をすることができません。
この反対の意思表示について、T/Aさんから質問がありました。
「796条4項「存続会社等の簡易合併等への反対株主」について、質問があります。そもそも、簡易(=総会省略)を前提にしているわけですから、「前条1項の総会にて議決権を行使できるもの」とは、行使できる株式の種類を指し、総会の議決権行使株主確定基準日を特定する趣旨では無いとしか読めません。また、施行規則197条では、何時の時点の「株式の総数」かは、規定していませんよね。と言うことは、株数の増減がある場合、どの時点の株式総数を根拠することになるのでしょうか? 施行規則196条と同様に考えると、合併契約締結時が妥当かと思いますが、それ以降に新株予約権等の行使により、総数を増加させ、意図的に反対株数の比率を減少させることは違法とは言えない気がいたします。」
T/Aさんは、反対株主の株式の数の判断の基準時を、合併契約締結時としていますが、合併契約締結後、効力発生日までに、株式を取得した人も反対することができますから、合併契約締結時はあまり合理性がありません。
反対することができるのは、合併の通知又は公告から2週間以内ですから、その最終日が、判断の基準となるものと思います。
以上見てきたように、手続きが簡便明確になるので、「契約締結日」を基準に採りたいというニーズがあるのは重々承知していますが、それぞれの条文の趣旨にしたがって、基準時を考えざるを得ないと思います。
(質問コーナー)
Q1
法務局が発行しているQ&Aに、
Q、会社法施行前に「新株予約権の行使の条件」の一部事項を「新株予約権の消却条件等」として登記している会社について、当該消却事由を新株予約権の取得事由とする新株予約権の変更の登記申請は必要か?
A、不要である。会社法では新株予約権を行使することができなくなったときは、当該新株予約権は消滅することとされており(会社法第287条)取得事由にはあたらない。
法務局の回答の『不要である』というのは、会社が『「新株予約権の行使の条件」に当たらなくなったとき』は、新株予約権は消滅すると考えれば登記は不要になるし、逆に取得して自己新株予約権にしたいと考えれば、登記をすることも出来る。といったところでしょうか?
Posted by ほにょ at 2006年08月30日 09:27
A1
早貸さんの解説をめぐって、以前、答えたような記憶があります。
結論から言えば、「新株予約権を行使することができなくなったとき」というのは、誰が取得しようとも、どんな事態になろうとも、行使することができなくなったときという意味なので、登記の内容によって、消滅するものもあれば、取得条項付株式になるものもあります。
Q2
みうらさんのご質問(新株発行無効の訴えの認容判決が確定した場合の株主への払い戻し)は、払出の科目のお話かと思います。補足いただけるとうれしく思います。(私も興味ある話題ですので。)
Posted by ぎんこうや at 2006年08月30日 09:28
A2
会計基準の話なので、あまりつっこみたくないところですが、実体としては自己株式の取得と考えればいいでしょう。
普通に考えれば、その他資本剰余金が減って、マイナスになったら、期末にその他資本剰余金が0になるまで、その他利益剰余金で埋めるという処理ではないでしょうか。
Q3
1000問もQ747でその他剰余金の処分時の決定事項について
解説されておりますが、以下の内容がわからないためご教授願います。
①452条の決議によって積み立てられたものを当該決議の定めるところに従い取り崩す場合(計181条2項2号)など
とありますが、実務的に、仮に研究開発積立金として任意に
積み立てた場合、研究開発の原資に使用する場合総会で決議せずに取り崩すことができると解釈してよいでしょうか。
②具体的に株主総会の決議を要せずに定款・法令の定めを
除き、どういった場合に取り崩しができるのでしょうか?
③剰余金の配当議案がない会社は、剰余金の処分が出来ないのでしょうか?もしくは、総会にかけないで科目の振り替えができるのでしょうか?
Posted by かぶぬしまどぐち at 2006年08月30日 13:44
A3
①及び② 積み立てたときの決議で、どのように取り崩すか決めることができます。それで、決まっていれば、総会決議無しで取り崩せます。決議で決めた方法で取り崩してください。
③ 剰余金の配当議案と剰余金の処分議案は、別です。剰余金の処分だけで決議してください。
Q4
議決権の不統一行使に関する質問ですが、「株主総会の3日前までに」とされている、その3日前が日曜日に該当する場合、その行使期限を会社の営業時間である金曜日まで繰り上げることは可能なのでしょうか?会社が議決権の集計手続にかかる期間を確保するために設けられている制度かと思いますが、株主としての立場で考えると、権利行使期間を短縮されることになるのでは、と思われるので、どっちの立場が優先されるのかがわかりません。
Posted by taka at 2006年08月30日 14:11
A4
繰り上げは、ダメでしょう。
Q5
取締役会では、代表取締役の選任義務があるとされていますが(会社法362条3項)、この規定は委員会設置会社において明示的に排除されておりませんが、委員会設置会社でも代表取締役の選任義務があるのでしょうか。
委員会設置会社における取締役会の意義と権限、執行役の意義と権限からすれば、かかる結論は不自然なように思えるのですが、いかがでしょうか。
Posted by S at 2006年08月30日 22:47
A5
362条は、416条の「第三百六十二条の規定にかかわらず」という条文で、明示的に排除されていますm。
Q6
合併契約書について,1件ご質問があります。
合併契約書について,存続会社の増加すべき資本金の額および準備金に関する事項は,旧商法上は法定記載事項でした(旧商法409条3号)が,会社法上は,消滅会社の株主に存続会社の株式を割り当てる場合にのみ記載することとされており,100%子会社の吸収合併のように,株式の割当てを行わない場合は,記載する必要がないと考えられます(749条参照)。
また,100%子会社を吸収合併する場合には,資本項目に関する取扱いに関し会社の裁量の余地がない(会社計算規則60条1項)と考えられます。
このため,100%子会社を吸収合併する場合の合併契約書には,資本金の額および準備金に関する事項を記載しなくても問題ないでしょうか。
Posted by fk at 2006年08月31日 21:49
A6
株式を発行しないなら、資本金も準備金も増えませんから、記載する必要はありません。
(こう書くと、あの質問がくるかも知れませんが・・)
Q7
①新設分割計画書にも②新設分割設立会社(株式会社)の定款にも、新設分割における本店所在場所(本店所在地はあります)の記載がありません。
このような場合、設立時取締役の過半数の決定で、本店所在場所の決定をすることはできず、いわば、新設分割における発起人の地位にある「分割会社(株式会社)」の決定が必要となるとありますが、分割会社の総会決議が必要なのでしょうか。法文に、「株式会社は」とある場合で、その決定に取締役会や総会決議を要求していない場合は、代表取締役又は取締役が行うことができるものと考えられ、本件のように法文が総会決議を要する①②の必要的記載事項として定めることを要求していない場合も、同様に代表取締役又は、取締役が決定することができると考えてもよろしいように思いますが、いかがでしょうか。よろしくお願い致します。
Posted by moremi at 2006年08月30日 14:34
A7
新設会社の本店所在場所は、分割会社の意思決定機関ならばいいので、取締役会決議でも決定できます。
代表取締役・取締役は、独自の意思決定権限がないのですが、取締役会から委任を受ければ決定できます。
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